体調管理は保護者ミッション! 睡眠時間はしっかりと
我が家の場合は受験生のころ、ちょうど成長期が重なり、いくら寝ても眠い、という状態に……。それなのにやることは目白押し、塾では授業のあと質問にいくなどして、就寝が23時近くになることも。
思い切って塾の先生に「授業中眠そうにしていませんか? 8時間は寝ていますが、もっと寝たほうがいいですか?」と相談。先生は「身長が伸びる時期ですね、8時間確保できているのであれば、最低限は足りています。でも授業で寝てしまうくらいなら思い切って15分昼寝をしたり、少し早めに就寝したりしましょう。眠くて集中できない、というのがもっとも非効率です」とアドバイスいただきました。
健康を害したり、授業で寝てしまったりするようであれば潔く眠る。直前期はそのくらいの気構えが必要ですね。
また、同じく我が家の例で恐縮ですが、例年花粉症が2月から始まるのでかかりつけの耳鼻科に通い、早めに眠くならない薬の処方をお願いしておきました。11月にはインフルエンザの予防接種を家族で打ち、手洗いうがいはこまめに。念のために秋に歯科検診も済ませました。できれば冬休みまでに、そういったことを済ませておけるといいですね。
直前期「暗記の黄金タイム」の具体的活用法とは
なんといっても直前期、一番「底上げ」ができるのが暗記分野。とはいえ、今から新しい暗記ノートを作ったり、参考書を買ったりするのは得策ではありません。
我が家では、過去のテキストのなかから、知識が効率よくまとまっている暗記に適したページを切り取って単元ごとにファイルし、持ち歩いて隙間時間に繰り返し見られるようにしていました。
たとえば社会なら地理、歴史、公民にわけ、さらに年号や白地図、公民の制度をまとめた図などは壁に貼ったり語呂合わせを書き込んだりも。このころになると隙間時間をいかにうまく使うか、いかに繰り返し目に触れさせるかの勝負。勉強自体を教えられなくても、保護者ができるサポートはたくさんあります。
SAPIX卒業生の伴走ママ:「抜けが気になる理科の不完全変態の昆虫リストは語呂合わせで『かっとばせ鈴子!』(カマキリ・トンボ・バッタ・セミ・スズムシ・コオロギ)と家族で唱えたり、トイレに分類表を貼ったり、もはや力業。
たぶん1年後は覚えていないだろうなと思うこともあって複雑でしたが、直前期、暗記ができてぐっと伸びる子もいるのであきらめないで毎日繰り返しました。また社会の時事問題対策で、秋になると直近のニュースまでをまとめた冊子が書店に並ぶので、気分転換にそれを読み物として読んでいました」
もちろん勉強をするのは本人です。しかし暗記しなくてはならない分野は膨大なので、隙間時間や移動時間を上手に使えるようにサポートしてあげるのがいいですね。
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直前期こそ保護者の腕の見せ所ともいえそうです。長い受験勉強のラストスパート。時間がないからこそ、お子さんが勉強に集中できるように家庭でサポートができれば鬼に金棒ですね。すべての受験生が、悔いなくゴールテープを切れるように、心から応援しています。
取材・文/佐野倫子
佐野 倫子
東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57
東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57