「中学受験伴走」早稲田アカデミー・女子御三家特別コース担当講師が明かす「国語が得意な子」が低学年からやっていること

「早稲田アカデミー」御三家対策コース国語担当・本多弘篤先生に聞く、「中学受験の国語」 #1 ~低学年から身につけておきたいこと~

早稲田アカデミー中学受験部上席専門職・国語科統括責任者:本多 弘篤

低学年で身につけておきたいこと

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──20年以上教鞭を取る先生からみて、最近の子どもたちの様子で気になることはありますか?

本多先生:世代間に能力的な差はないというのが前提ですが、今の子どもたちのほうがおしなべて、洗練されたカリキュラムについていくために演習量への耐性、難しい問題にも取り組もうとする意欲、勉強の体力のようなものはついていると感じます。こんなに長い文章の難しい問題に向き合っているなんて、今の小学生はすごいなと素直に思っています。

一方で、言葉に対する幅のようなものは狭くなっているかもしれません。

──「幅」とは、どういうことでしょう?

本多先生:言葉というのは概念とセットです。その概念が、もともと自分の引き出しにないと、ピンとこないんです。例えば、「姑が嫁につらくあたる」という描写があったとします。しかし核家族化が進むなかで、現代っ子は現実にそういう場面を見た子は少ない。そうすると姑という言葉に対する解像度は変わってきます。

本多先生:ほかにも、最近の子どもたちは、「かぼちゃ」と聞いてイメージするものは「ハロウィン」です。かぼちゃを冬至に食べると言われてもピンとこなかったり、冬至にゆずと聞いても、お風呂に入れたことがある子が減っていたり。

そういう言葉に対する下地みたいなものを、できれば本格的に中学受験勉強が始まる低学年のうちにたくさん身につけておけるといいですね。

──そのために親はどんなふうに接するべきでしょうか?

本多先生:日常の会話で、保護者の方や周囲の大人がいろいろな言葉や立場、状況で話してあげると引き出しは増えます。何気ない会話でもちょっとだけ背伸びするような言葉で言い換えてみてはいかがでしょう。

あるいは目上の人、近所の人、おじいちゃんやおばあちゃん、さまざまな立場の方と話す機会が多ければ、言葉のバリエーションは増えていくと思います。

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