子どもにも「プレゼン力」が必要! 幼児期からはじめる「話す力」とは

プレゼンアドバイザー・竹内明日香さん#1 子どもの頃からなぜ「プレゼン力」は必要なのか?

プレゼンアドバイザー:竹内 明日香

プレゼンアドバイザー・竹内明日香さん。自ら設立した一般社団法人アルバ・エデュの代表理事を務める。ご自身も3児の母として、現在も子育て中。  撮影:森﨑一寿美

欧米の子どもたちは幼少期から“Show & Tell”という、人前に立って自分の好きなものを紹介したり、考えを話したりする機会が多いうえ、さらにプレゼンテーションの授業が学校の科目に入っていますが、日本の子どもたちにはそのような授業はありません。
しかし、今の子どもたちがグローバル社会に出たときに相手にするのは、このように幼少期からプレゼンのトレーニングを積んできたであろう海外のビジネスマンたちです。では、子どものときから家庭でも鍛えられるプレゼン力とはなんでしょうか? 
第1回はなぜ、子どもの頃からプレゼン力が必要かについて解説してもらいました。

日本人はプレゼンが苦手……。  イラスト提供:アルバ・エデュ

大人には大人の、未就学児には未就学児の“プレゼン”がある!

海外の投資家を相手としたビジネスの現場で、「日本人はいつも控えめ。話す力やプレゼンでアピールする力が弱くてもったいない!」という思いを抱いていた竹内明日香さん。強い危機感を抱き、話す力を鍛えることを広めるべく、一般社団法人アルバ・エデュを立ち上げ、現在は“未就学児から大人までを対象にしたプレゼン能力を鍛える”出前授業(教員以外の社会人講師、または企業などが学校に出向いて授業をすること)を行っています。

『プレゼン』と聞くと、パワーポイントを使って説明しているようなシーンを思い浮かべてしまいます。それにプレゼンは大人が仕事や学問で関わることで、子どもたちにはまだ関係ないように思うのですが、子どものころから必要なのでしょうか。

竹内明日香さん「プレゼン力は、年齢が上がると自然に身につくものではなく、育っていく過程でトライ&エラーを繰り返しながら鍛えられていくものです。海外では、小さなころから『話す力』『伝える力』を意識してトレーニングしていますから、大人になるまでに日本人の子どもたちとは大きな差がついてしまいます。それゆえ、日本人が気圧されてしまう場面が多々生まれてしまっているのが現状です。

私は日本人が苦手としているプレゼン力を向上させるため、その年代にあった話す力を磨く活動を続けてきました。コースは未就学児から社会人まで。これまで幼稚園から高校、大学まで“出前授業”という形で赴き、延べ33,000人の園児~学生たちに授業を行ってきました。

竹内さんの「子どものころからやらないと間に合わない!」という思いが、プレゼン力講座を立ち上げるきっかけに。  イラスト提供:アルバ・エデュ

「現在はコロナ禍の中で、授業や会議にzoomやTeamsなどを使用することが一般的になりましたが、対面でもオンラインでも、初めて会う人たちを前に、限られた時間の中でコミュニケーションをはかり、意見を述べる機会があることは変わりません。オンラインでは、場の空気が伝わりにくい分、“話す力”の重要性はますます高まってきていると思います。

では、どのようにしてその力を磨いていくのか。実は、普段の生活の中にも、子どもには子どもなりに必要とされるプレゼン力があります。そしてその力は、周りの人とのコミュニケーション次第でどんどんブラッシュアップされていきます。その力を伸ばすために、講座を作り、授業をお届けしています」

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