【小学校お受験】終えてわかった!合格のカギを握る“校風と家風”の相性

庶民嫁が見た! 受験本ではわからないTOKYOお受験の裏側⑫

ライター:華子

名門私立小合格を獲得したライターが、お受験を終えてわかった合格の秘訣を語ります。
写真:アフロ

中流家庭からプチセレブ一家へ嫁いだライター・華子。愛娘は自分と同じ普通コースで育てようと思っていたものの、義母の一言から、小学校受験への道が始まりました。

まったく未知だった東京のお受験は、庶民にはわからないことだらけ! 受験マニュアルには決して書かれていない(書けない)、お受験の赤裸々な裏話をお伝えします。

第12回は「お受験のその後」編です。

12月は私立小お受験の戦が終結

ハァ〜、終わった、終わったぁ〜。

怒涛の受験期間だった11月が終わり、良くも悪くも吹っ切れるのが12月。国立小学校を受験しない私立小ガチ受験勢にとって、やっと肩の荷を降ろすことができる。とうとうお受験グッズともおさらば出来る日がやってきました!

12月ともなると、ほとんどの受験者たちの進学先がみえてきます。

私の周囲に限っては、なんと受験した家庭の8〜9割が相応の学校に決まっていました。それは我が子が通った個人のお教室だけでなく、特別なお受験対策をしない“ご近所幼稚園”#1の受験結果も含めてです。けっこう高い割合だと思いませんか?

もちろん、私の住む地域はお受験熱の高い東京都心部なので、時間と資金をかけて入念な準備をしていた家庭が多いということもあると思います。でも、それだけではないような気がするのです。

かくいう私の娘も第一志望校にご縁をいただきました。もちろん、残念ながら希望に沿えない結果となった子もいました。しかし、諸先輩方をみていると、その後に中学校受験をして「御三家」といわれるような超難関校に合格する子どもも多い。

そういうことから、小学校受験の合否は子どもの能力の優劣で線引きされるのではない、といえるのではないでしょうか。

お受験はお見合い 合格の秘訣は相性

では、小学校お受験の明暗を分けたキーポイントは何だったのでしょう。振り返って思うに、それは「受験校選びを間違えた」というところにあるような気がします。

それというのも、我が家も含め小学校受験をした家庭のほとんどが、合格と共に不合格も経験しているからです。「本命以外は全滅」ということもざらにある。入学試験が筆記一本という学校はないので、なぜ合格したのか、どうして不合格だったのか、明確な理由は分からないのです。

周知のとおり、小学校受験は学校間に偏差値的な優劣はありません。だから、その子にとって難しいと感じる内容の試験をするところもあれば、そうでないところもある。要するに「相性」が合うかどうかなのでしょう。

そう考えると、大手お教室の先生がよく「小学校受験は、家と学校の“お見合い”のようなもの」と言っていたことや、小学校受験の合格を「ご縁」とあらわすのも納得です。

つまり、選択した学校の校風と、受験者の家庭の家の雰囲気がマッチするかどうかが、入学試験の最重要ポイントになるのではないかと思うのです。

学校側からすると“先々のトラブル”を避けるためにも、お互いの価値観がピッタリ合うかの確認は必要不可欠。学科試験なく未就学児を選ぶのだから、入学後の生徒の心と体の発達に影響を与える家庭の雰囲気や教育方針などはもっとも知りたいところでしょう。

そう考えると、たった数時間の試験でみえる子どもの能力よりも、その子のバックグランドの方がはるかに気になるポイントではないでしょうか。

それを裏付けるように、入学すると、合格した子どもの個性はバラバラでも、親の方はなんとなく統一性があることに気付きます。それは、私立小学校が多い地区でお茶をしているママの団体を見れば、おおよそどこの学校のママか分かるほど。

たとえば、A校のママたちは華やかできらびやか、B校のママは清貧でつつましやかな印象、C校はカジュアルなママが多く活発なイメージ……などと、学校によって親の雰囲気がわりと違うのです。

子どもたちの方も、入学当初こそ十人十色ですが、6年の歳月を経ていくうちに不思議と「〇〇小学校らしい子」になってきます。それも学校が校風に沿う家庭を選んでいるからなのでしょう。

学校と我が子&我が家の客観視が重要

では、受験校の選択を間違わないためにはどうすればいいのか。それは「我が子と自分たち家族を客観的にみること」を常に心がけることです。そうすると、時間と共に家庭と学校の雰囲気が合うかどうかは自然と分かってきます。

一歩引いてみると、お教室の先生や周りの人たちがさりげなく助言をしてくれていることにも気付きます。なかには目を背けたくなるような現実や、耳の痛い指摘もあるでしょう。でも、その「客観的視点」を素直に受け入れ、柔軟に対応していくことができるかどうかで明暗が分かれるような気がするのです。

つまるところ、「ご縁」を頂けるのは、周りの人たちの支えによるところが大きいのです。
私も振り返ってみると、家族、お受験ママ友、お教室の先生や山の手マダム……、それら全て人々との関わりと教えが合格への道筋につながったと感じます。

しかし、たとえ選択校を誤り残念な結果となったとしても、お受験で身についた勉強習慣を継続していれば、それなりに高い学力が伴ってくるので悲観することはありません。失敗を引きずり停滞したままでいるか、「新しく別の道が開けた!」とポジティブ&ハッピーな気持ちで上昇するかは、つまるところ親次第なのです。

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