体調を整える「食薬」+子どもに「食育」 漢方医が教える簡単レシピ

漢方薬剤師・大久保愛さんが教える「食薬」のススメ#3~子どもと作る食薬レシピ~

漢方薬剤師:大久保 愛

大久保愛さんの著作の『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』『1週間に1つずつ 体がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)は、累計9万部を超えるベストセラーシリーズ。 Zoom取材にて

毎日摂る食事から心と体の健康を目指す「食薬」を提案する、漢方薬剤師の大久保愛さん。1回目は産後の体におすすめの「食薬」、2回目は子育て真っ盛りで疲労困憊のパパママが体力・体調を維持するための「食薬」を伺いました。

今回は、小さな子どもでもお手伝いしやすい食薬レシピを教わります。一緒に楽しんで作ることで、食への興味関心を育む「食育」にもつながります。(全3回の3回目。2回目#2、1回目#1を読む)

食薬レシピ1 万能&栄養価が高い「乾物ふりかけ」

「乾物は、生の状態と比べて旨みや栄養素が凝縮されているのが大きな魅力」と大久保さん。また、必要な分だけ使ったら、あとは常温で長期保存ができるためエコで便利。

1回目(#1)で取り上げたお味噌汁に使う乾物を中心に、子どもが好きな乾物をいろいろミックスしてふりかけを作ってみましょう。

【材料】※作りやすい分量

干しエビ 大さじ5
乾燥ワカメ 大さじ5
黒胡麻 大さじ2
じゃこ 大さじ2
ゆかり 大さじ1
青海苔 小さじ3

作り方は至極簡単で、すべての乾物をポリ袋に入れてめん棒などで粉々になるまで叩くだけ。乾燥ワカメなどに塩分が含まれているので、味付けは不要です。

添加物の心配がなく安心なうえ、ご飯がもりもり進むこと間違いなし。おにぎりにしたり、揚げ物の衣に混ぜたり、サラダにふりかけたりとアレンジ自在で、手軽に栄養補給ができます。

お腹の調子が悪い時は整腸作用を高める海藻類を増やしたりと、家族の体調に合わせて調整してみてください。
「ミネラルや食物繊維が豊富なので、子どもの便秘対策にもおすすめです!」(大久保さん)

食薬レシピ2 小腹を満たすスイーツ「バナナのオートミールバー」

オーツ麦を脱穀して食べやすく加工されたオートミールは、水溶性と不溶性の食物繊維を同時に摂ることができ、鉄分やカルシウム、ビタミンB群が豊富です。また血糖値の上昇をゆるやかにするため、脂肪の蓄積を防いでくれるという優秀な食材。その栄養価の高さから「スーパーフード」として注目を集めています。

ココアは、ココアのみが含まれる「ピュアココア」を使いましょう。血行促進や抗酸化作用があり、食物繊維や亜鉛、マグネシウムなどのミネラルもたっぷり含まれています。

【材料】※作りやすい分量

オーミール 1カップ
バナナ 1本
ピュアココア 大さじ1〜2
クルミやアーモンドなどお好きなナッツ 適量

ジップ袋に、オートミールとバナナを入れて、潰しながら混ぜます。ある程度混ざったら、ナッツ類とココアを加えて耳たぶくらいの固さになるまでこねます。

袋に入れたまま生地を平らに延ばし、包丁の背などでバー状にカット線をつける。ハサミで袋を切り開き、そのままクッキングシートを敷いた天板に生地をのせて、180℃のオーブンで15〜20分焼いたら完成。

「バナナを混ぜたオートミール生地を丸い形に整えて、ピュアココアパウダーをふり、冷凍庫で冷やせば『オートミールトリュフ』にもなります。こねたり、好きな形にしたりと、お子さんも楽しみながら作れるので、『食』への関心を持つきっかけになればうれしいです」(大久保さん)

胃腸にやさしく、腹持ちもよいオートミール。手順も簡単なオートミールトリュフは、もっちりした食感で満足感ある一品。 写真:大久保愛
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