じぃじ・ばぁばの孫育てにひと言いいたい!角が立たない伝え方ってある?

祖父母とパパママの育児ギャップを埋めるコツ教えます じぃじ・ばぁばと我が子のいい関係#2

祖父母が我が子をかわいがってくれるのはうれしいものの、パパママの子育て方針と違うときは困ることも。 写真:アフロ

祖父母が我が子をかわいがってくれている分、パパママはそのお世話の仕方が自分たちの育児方針や現代の子育て方法と食い違っているとモヤモヤします。

医学的に昔の育児と違っている点は言いやすいものの、しつけなどその他のことはなかなか祖父母に行動を変えてもらうように伝えるのは難しいものです。

子育て現役世代と多く意見交換を行っている孫育て・ニッポン理事長のぼうだあきこ先生は、社会の変化と共に変わってきている子育ての考え方を、祖父母向けに「孫育て」としてセミナーで伝えています。

祖父母の気持ち、パパママの気持ちに精通しているぼうだ先生に、言いにくいことを祖父母に上手に伝えるコツを教えていただきます(全3回の2回目。#1を読む)。

祖父母の孫育てに違和感あり! こんなときどうすればいい?(幼児期以降編)

祖父母にパパママの育児方針や現代の子育て法を知ってもらうための基本的な伝え方(#1を読む)は理解できたものの、具体的なケースにはついてもっと知りたいことでしょう。

孫育てのよくある困った!と祖父母の気持ち、各対処法を紹介します。また、ぼうだ先生から祖父母の皆さんへのメッセージもお伝えします。

① ご飯の前なのに、お菓子を与えるから困る!
こんなときの祖父母の気持ち→孫が食べたがっているのだから、食べさせてあげたい


これは祖父母と我が子が会う頻度で対応が変わります。お盆やお正月など1年で数回であれば、そこまで気にすることはありません。短期的なことで、普段の生活に影響がないなら、祖父母とのコミュニケーションだと思って大目に見てあげてもいいでしょう。

改善が必要なのは、祖父母の行為が日常に入り込んでいる場合です。「●●ちゃんにはご飯をしっかり食べてもらいたいから、お菓子は●時以降は与えないでください」など、子どもを主語にしてパパママの意向を伝えましょう。

また、お菓子は与えてほしくないけれど、焼き芋やバナナ、とうもろこしならあげてもいい場合は、それを伝えて栄養価のある食べ物に促してもいいでしょう。

■祖父母の皆さんへ
基本的に日常生活を乱す行為は控えるべきです。子育ての主役はパパママですから、彼らの子育てを応援する行動をとりましょう。食事関係では孫の年齢が上がると、孫のほうからファストフードが食べたいなど別の欲求を言われることもあります。しかし、祖父母の皆さんが与えたくないときは、合わせる必要はありません。「ばぁばの家では食べないのよ。●●ちゃんのおうちとは違うの」と説明するといいでしょう。

② 子どもの行動をなんでも許しちゃう! 甘やかしてばかりなのが気になる
こんなときの祖父母の気持ち→どこから𠮟らないとダメなのかわからない

これも祖父母と我が子が会う回数で対応が違います。危険なことと他人に迷惑をかけること以外は、会う頻度が低いなら祖父母とのコミュニケーションとして目をつぶってあげてもいいでしょう。

しつけとしてパパママがどうしても譲れないことなら、祖父母にしっかりとルールを伝えることが大切です。祖父母はかつての自分たちの子育ては知っていますが、パパママの育児方針はわかりません。

自分たちの親だから言わなくてもわかっているだろうと錯覚するようですが、パパママにとっての当たり前のルールは祖父母にとってもそうとは限りません。祖父母の行動で、これだけはやめてほしいことは子どもを主語にして伝えるといいでしょう。

実は「𠮟らない」という問題は、まるきり同じことを祖父母の皆さんからも聞きます。例えば孫が汚い言葉を使っても、パパママは「今はまだその言葉の意味を知らないから、わからないところで𠮟っても仕方ない」と言って注意をしないというのです。祖父母からしたら、言葉の意味を教える意味でもその場で𠮟るべきだと主張します。

危険なことと他人に迷惑をかけることは𠮟ってやめさせなければなりませんが、𠮟る・𠮟らないという線引きは各家庭により違います。正解はそれぞれにあるので、こういったすれ違いにならないためにも、パパママはルールを伝えて祖父母と認識をすり合わせておくことが大切です。

■祖父母の皆さんへ
孫育てはパパママの子育てを尊重してあげることが大切です。危険なこと、他人に迷惑をかけること以外は、パパママのルールに耳を傾けましょう。

我が家の子育てルールを祖父母に伝えることで、認識のズレはなくなっていきます。 写真:アフロ

③ 高額のおもちゃやゲームでも、子どもに買い与えてしまう……
こんなときの祖父母の気持ち→孫がほしいというのだから、買ってあげたい

子どもが大きくなってくると、子どものほうからスマホやゲームといった高額商品を祖父母におねだりすることもあります。どんなプレゼントでも、祖父母としては買ってあげる楽しみがあるので、単に「買わないでください」とだけ伝えるのは楽しみを奪うことになります。ですから、こういうときもルールを伝えましょう。

子どもの年齢に合わせて買い与えていい金額の上限を決めて、祖父母に伝えておくのがオススメです。また、プレゼントは誕生日やクリスマス、子どもの日などイベント日のみなどと決めておくのもいいでしょう。

プレゼントに関しては、他にも注意点があります。それは祖父母に物をリクエストする場合です。贈り物は本来、これをあげたら喜んでくれるかななど、あげる人のことを考えて選ぶ時間・行為も含みます。

これを踏まえると、祖父母には子どもがほしい商品を決めうちでお願いするのは避けたいところです。選択肢がないのは、現金でもらうのと大差がありません。プレゼントには幅を持たせて祖父母にリクエストするといいでしょう。

例えば上限が1万円なら、5000円、8000円、1万円のおもちゃをリクエストするという具合です。おもちゃはすべて別のジャンルでもいいですし、同じジャンルで金額の違うものを提示してあげるのもいいでしょう。祖父母のお財布事情に合わせて選ぶこともできます。

プレゼントは一緒に買いに行くのも手です。昨今なら、ビデオ通話で祖父母とパパとママが相談して、商品画像を画面共有しながら相談して決めるのもいいでしょう。それぞれが納得できる、家庭に合ったプレゼントの選び方を見つけてみてください。

■祖父母の皆さんへ
孫の喜ぶ顔が見たくても、大型おもちゃや高額商品はパパママへの相談が必要です。例えば室内ジャングルジムは、住宅事情によっては生活空間を占領してしまう場合があるので注意しましょう。

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