おうちでパンダの無防備な姿にきゅん! 至福のオンラインツアー

〔オンラインツアー&工場見学〕アドベンチャーワールドの“パンダ”のバックヤードツアー

阿部 真奈美

「オンラインパンダラブツアー」では、こんなに近くでジャイアントパンダが見られました。

コロナ禍で急速に人気を得た、観光や工場見学等の「オンラインツアー」。
今回は、動物園のアイドル・パンダがバックヤード(裏側)で過ごす姿が見られるオンラインツアーに参加しました。

おなか丸出しの無防備な姿や食事の様子、体の部位のアップまで見られるのはオンラインならでは! 飼育スタッフから、パンダの生態をいろいろと教えてもらうことができるのも、このツアーの魅力です。
魅惑のパンダツアーへ、いざ潜入!

オンラインで復活した人気のバックヤードツアー

参加したのは、和歌山県西牟婁(にしむろ)郡白浜町にある「アドベンチャーワールド」の「オンライン パンダラブツアー」。ここは日本パンダ界では一番の大家族、7頭のジャイアントパンダが暮らすテーマパークです。

パーク内の希少動物繁殖センター「パンダラブ」から中継されるオンラインツアーは、普段は見られないバックヤードでのリラックスしたパンダを至近距離で眺められ、飼育スタッフのレクチャーを交えながら楽しめます。おまけにツアー中はスクリーンショットの撮影も、チャットでの質問もOK!

ツアーが始まりワクワクしていると、さっそく飼育スタッフの後ろに映り込む本日の主役……か、かわいい♡

早くもスクショを撮りまくっていると、こんなクイズが出題されました。

「チャットの練習を兼ねて、ここにいるパンダの名前が分かる方は、チャット欄に書き込んでみてください」飼育スタッフ・中谷有伽(なかや ゆか)さん

すると、「彩浜(さいひん)ですか?」「彩ちゃんかな」と、参加者からコメントが寄せられます。

正解は、まさに彩浜(さいひん)です! 参加者のみなさん、なかなかよくご存知です。

注意事項を説明する飼育スタッフのそばをウロウロする、主役の彩浜(さいひん)。自由な姿に頬がゆるみます。

かわいい動く標本を見ながら生態を勉強

パンダは重さ100~200グラムで生まれるのが一般的ですが、2018年に生まれた彩浜(さいひん)の誕生時の体重は75グラムと小さめでした。しかしケガや病気をすることもなく、現在は体重約85キロまで大きくなりました。

「彩浜(さいひん)が食べているのはモウソウチクという竹で、春に私たちがタケノコとして食べている物です。

パンダは竹の匂いをかいで、おいしいかどうかを判断するんですが、近頃は彩浜(さいひん)も竹を選ぶようになりました」(中谷さん)

「葉っぱを好んで食べたり、茎だけを食べたり、その日の気分で食べ方が変わるんですよ」(中谷さん)。

彩浜(さいひん)を撮影するカメラが、いろんな方向から引いたり寄ったりしてくれるので、しっかり見たことのなかった部位までピンポイントで観察できます。

ほ~、意外と上下ともに鋭いキバがあるのね。何この、目の上のまつ毛みたいな毛、愛らしすぎる!

ツアー開始数分で、筆者もほかの参加者もすでに興奮状態です。

手を覆う毛をじっと見て、触ったらどんな感触なのかと想像するのも楽しいです。

「パンダたちは竹がおいしいと、どういうわけか目をつぶって食べるので、竹を食べているときの目にも注目です」(中谷さん)

残念ながら、この日はそんな幸せにひたる表情は見られませんでしたが、モコモコの丸い手で竹を握り、夢中でかぶりつく姿はかわいらしさの塊です!

チャットとマイクでパンダの秘密を探ろう!

ツアー中は、チャット欄にて随時質問を受け付けています。

中谷さんが彩浜(さいひん)にあげているおやつが気になったので、「彩浜(さいひん)のおやつは何ですか?」と、チャットで聞いてみました。

「リンゴとニンジン、それからトウモロコシや大豆を原料とした動物用ビスケットです」(中谷さん)

パンダは雑食性の動物で、野生だと竹以外に鳥の卵、木の実、昆虫等も食べるのだといいます。狩りはしませんが、落ちていた動物の死がいを拾って食べたという報告例もあるそうです。
続けて、こんな質問が寄せられます。

「大量の竹はどこで育てているんですか?」(参加者)

「今は、大阪と京都から週に計4回ほど仕入れています。ただ、大阪の竹も京都の竹も食べない日が時々あるので、そういう非常時のために園内でも竹を育てています。同じ種類の竹でも育った環境で味が変わるのか、食べてくれる場合もあるんです」(中谷さん)

そういえば、さっきから彩浜(さいひん)が竹をポイポイ地面に落としていたのは、「あたし、今日の竹は食べる気がしませんから」の意思表示だったのです。驚きながらも納得!

しかし、竹はお気に召さなくてもおやつはパクリ。長いフォークのほうへ顔を寄せてくるしぐさが、またかわいい。

たくさん食べているようで、1日のエサのうち、おやつが占める割合は1割程度だといいます。

ツアーは、飼育スタッフとの会話タイムへと突入。
「手を挙げる」ボタンを押せば、直接話して質問することができます。

「○○さん、こんにちは。質問をどうぞ」(中谷さん)

「夜に寝ているときのパンダは、横向きが多いですか? 仰向けが多いですか?」(参加者)
「ご質問、ありがとうございます。ちなみにどちらだと思いますか?」(中谷さん)

「仰向けだと思います」(参加者)
「パンダにもよりますが、仰向けで大の字か、丸くなって寝ていることが多いです。
彩浜(さいひん)は、両手を広げて寝ていることが多いですね」(中谷さん)

マイクのミュート解除をサポートしてあげれば、幼い子どもには、チャットより会話のほうが質問しやすいかもしれませんね。

パンダの部屋には、「寝台」というパンダ用のベッドが用意されており、パンダたちはその上で気持ちよさそうに寝ているそうです。

わが家の猫は、たまに“へそ天”で寝ていますが、パンダにも“へそ天”派がいるとは驚きでした。
大きなパンダが大の字で寝ている姿はさぞかし愛くるしいだろうなと、考えるだけでニヤニヤが止まりません。

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