迫力を出すためにくちびるを切りとって歯をむき出しにしてある。
ふだんは人をおそったりしない。だけど…
これはおっかない……!
やっぱりこの川で泳いだりしたら、あっという間にピラニアたちのえじきになってしまうんだろうか。
……そう思っていたら、目の前で子どもたちがバシャバシャと水浴びをはじめた。
あれ?平気なの?
どうやら、ピラニアはふつう人間をおそうことはないらしい。
むしろ、自分よりずっと大きな生きものからは怖がって逃げてしまうくらいだ。
ただし、群れでエサをむさぼっている時に近づくと、食べものとまがえてかみついてくることがごくたまにあるという。
その証拠に、水のなかにはヒレのちぎれた巨大な魚や、脚をなくしたワニたちがたくさんいるのだ。