「大地のハンター展」は想像をはるかに越えた不思議がいっぱい! 中学生“研究員”の興奮ルポ!

ワニが大好きな大阪在住のMOVEラボ研究員・助手のはるきがレポート

MOVEラボ研究員・中学生メンバーのはるきが「大地のハンター展」をレポート!

科学展覧会の決定版!「大地のハンター展」は9月25日まで!

2022年夏、大きな話題を呼んだ「大地のハンター展」がついに大阪に上陸! 国立科学博物館(東京・上野)で2021年3月〜6月に開催された特別展の巡回展(※国立科学博物館で開催の同展とは、一部展示内容が異なります)です。

動物が生きていくために必要な営みである「捕食(捕らえて食べる)」に注目した「大地のハンター展」。陸に上がって4 億年のうちに多様化したハンター(捕食者)たちを顎や歯、ハンティングテクニックなど、さまざまな角度から紹介・展示されています。

今回は、昨年から大阪での開催を楽しみにしていたという大阪在住のMOVEラボ研究員・はるきが、満を持して行ってきました!

ワニの研究を自身でも行う、ワニ大好きなMOVEラボ・助手のはるきがレポート!

MOVEラボ研究員・はるき(中1)
MOVEラボの中学生メンバー(助手)のはるき(中1)。恐竜とワニが大好きでワニや鳥の全身骨格を自身で作ったりしながら日々研究を深めています。

<MOVEラボ研究員とは?>
MOVEラボ研究員は、厳正な選考によって選ばれた、生きものや自然科学に興味のあるMOVE読者の代表です。研究員は、MOVEラボの活動に参加し、フィールドや博物館、動物園などをリアルに楽しみます。また、ラボの研究員は、自分たちの研究レポートをMOVEラボのサイト上で発表します。

メンバーは現在18名! 中学生以上は「助手」として活動しているよ!
https://lab.zukan-move.kodansha.co.jp/

待ちに待った「大地のハンター」展に行ってきました!

大阪の長居公園にある大阪市立自然史博物館で開催されている、「大地のハンター展」に行ってきました。東京の国立科学博物館で開催されていた時には行けなかったので、今回の大阪巡回を楽しみにしていました。東京で開催された際に図録だけは購入していて、読み込んでから行ってきました。
1年越し、念願の「大地のハンター展」へ!
事前に図録を読んでいて楽しみにしていたものは、やっぱりぼくが好きなワニと古生代・中生代の生き物の展示です。中生代は恐竜が支配していたけど、現代はどのような生き物が弱肉強食の頂点にたっているのかが知りたくてドキドキしながら行きました。
デイノスクス
これはデイノスクスです。全長は推定12メートルですが、頭骨より後方の化石があまり見つかっていません。実物大の模型を作る様子の動画が流れていて、大変苦労したそうです。図鑑で見て大きさを想像していましたが、実際の大きさを間近に見て、現生のワニとは比べ物にならないくらい大きく、近寄っただけでこんな大きさのものが動くと想像すると怖かったです。
マチカネワニの頭骨
こちらは、ぼくの大好きなマチカネワニ。マチカネワニは大阪大学の工事中に頭骨が見つかり、ほぼ全身の化石が見つかりました。顎に戦った後の傷があり、後足には骨折し、治癒した跡が残っていたため、発見された個体は雄だったと考えられています。
ワニの標本がたくさん!
ぼくの好きなワニたちの標本がたくさんありました。「MOVE危険生物」には、アリゲーター・クロコダイル・ガビアルの3種類のワニが掲載されていて、口先の形で判別することが出来ます。

こんなに一気にたくさんの種類のワニの標本を見ることはないので、楽しかったです。
ヒグマの等身大のはく製
「MOVE危険生物」 P.53に載っているヒグマの展示もありました。等身大のはく製は迫力満点です。これは絶対に勝てない。

少し前に他の施設で、ヒグマやツキノワグマの標本を見ましたが、「大地のハンター展」ではギリギリまで近づいて標本を見る事が出来ました。手のひらや爪をじっくりと観察しましたが、三毛別羆事件の話を思い出して恐ろしすぎました。

隣にはボア科のオオアナコンダの標本が展示されていて、長いし胴回りも太くて驚きました。ただ、この太さで山羊やワニを飲み込むことにも驚きです。
オオアナコンダの標本

フクロウなどの猛禽類の展示もたくさん!

次に見たのは、猛禽類のエリア。

今回初めて知った事が2つあります。
1つ目はフクロウの翼にあるセレーションです。セレーションとは「ノコギリの歯」のようなギザギザを表していて、夜行性のフクロウにあるものだそうです。
フクロウ類の翼
翼前端のセレーションと羽表面のベルベット構造により、音を出さず 密かに飛び、獲物を急襲することが出来るそうです。確かに、昼行性のフクロウの羽にはセレーションはありませんでした。
2つ目はナミチスイコウモリとチスイガラパゴスフィンチです。
ナミチスイコウモリとチスイガラパゴスフィンチの標本
ナミチスイコウモリは「MOVE危険生物」のP.142に載っていました。ぼくはチスイコウモリは知っていたけど、水鳥の腰に穴を開けて血を出し、その血を吸うチスイガラパゴスフィンチという鳥は知りませんでした。

鳥が鳥の血を飲むなんて驚愕です。鳥のくちばしで血を飲み込むのか、どうなっているのか一度動画で見てみたいです。
ぼくは、猛禽類が好きすぎて、フクロウカフェに行った事があります。ミミズクやメンフクロウを触らせてもらいましたが、足の爪を見ていると翼竜を感じられてとてもかっこよかったです。

今回の「大地のハンター展」でもかなりの種類の猛禽類が展示されていて、ぼくは猛禽類の展示場所を何回もぐるぐる見てしまいました。
猛禽類のはく製
他にもタランチュラなどのとても大きな蜘蛛や、沖縄などの熱帯域に生息している大女郎蜘蛛、巣を張って光を照らし変わった餌の獲り方をする蜘蛛などが多く展示されていました。
蜘蛛の展示
以前、沖縄に行った時に森林の中でバギーに乗りました。その時、至る所に大女郎蜘蛛が巣をはっていて、何度も顔から突っ込みそうになりました。目の前ギリギリまで突っ込んだ時には女郎蜘蛛のあまりの大きさに悲鳴をあげてしまいました。

朝に巣をはらっても数時間で元通り大きな巣が出来上がってるとガイドの人が教えてくれました。蜘蛛の生命力はすごいなと身に持って感じました。
また、モグラの標本がたくさん展示されていました。ぼくはまだ生きているモグラを見たことがないので、一度は見てみたいです。
モグラの標本
後ろ足より前足のほうがはるかに大きく、これで土を掘って進むのかとよくわかりました。ホシバナモグラは図鑑でしか見た事がなかったので、今回じっくりと標本で観察出来ました。特徴的な花のような鼻がかなり可愛かったです。

監修者はぼくが会ってみたい先生たちばかり!

今回の大地のハンター展の監修に、僕がいま読んでいる本を書いている川田伸一郎先生や木村由莉先生等、多く載っていました。一度お会いしていろいろ伺ってみたいです。
「大地のハンター展」と言っていたので、虎やライオンなどの猛獣や、ワニなどの有名な危険生物ばかりを想像していたけど、他にも小さな昆虫の事やモグラ、フクロウなどの猛禽類の生き物がたくさん展示されていた事にに驚きました。

図録や図鑑で読んで知っていた事を、実際に標本で見ることが出来て、想像をはるかに超えた生物の不思議がありました。まだまだ知らないことがたくさんあるので、これからも図鑑や本で知識を増やし、動物園や博物館へ行って標本や実物を見て、生物についてもっと勉強していきたいです。

「大地のハンター展」は子供ももちろん、大人も若い方も、様々な年齢層が見に来ていました。ぼくもこんなみんなが喜ぶ特別展を企画出来るようになりたいです。

取材・文・写真提供(一部のぞく)/MOVEラボ研究員・横井 晴輝

特別展「大地のハンター展~陸の上にも4億年~」
会期:2022 年7月16日(土)~9月25日(日)
会場:大阪市立自然史博物館ネイチャーホール
公式サイト:https://www.tv-osaka.co.jp/event/huntersonland/