STORY あらすじ

泣き虫で、ひっこみじあんな性格の春野かすみ。幼いころから、続けてきたフィギュアスケートへの思いは人一倍。彼女が挫折や悲しみ、課題を乗り越えながら、リンクに立つ。夢を追いかけるかすみに、胸が熱くなる本格フィギュアスケート・ストーリー!

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先生からのメッセージ

風野 潮

Ushio Kazeno

みなさんこんにちは、風野潮です。

8月に刊行されたシニア編5巻で完結した『氷の上のプリンセス』ですが、刊行前のサイトあいさつ文や、シニア編5巻の「あとがき」で予告していた「美桜と塁、そして冬樹が語り手になった物語」をまとめたスペシャル短編集が、予定どおり冬(来年1月)に出ることになりました! みなさんとのお約束が守れて、今めちゃくちゃホッとしています。

完結編のシニア5巻は、オリンピックで起こるいろいろな出来事に加えて、「あの2人とかすみと冬樹のお別れ」をえがかなければシリーズ全体をしめくくることにならないので、必然的にオリンピックの現地に行っていないキャラクターは、ほとんど出演させることができませんでした。なので、塁と真子がほぼ登場しなかったシニア編5巻だけでは、塁と真子・塁と美桜の関係性がどういう形で決着をむかえるのかが、読者さんにわからずじまい……ということになってしまい、わたし自身「うわぁ~このままでは終われないよう~!」と頭をかかえていたんですよね。

こうしてスペシャル短編集として、3人のその後をえがくことができて、ほんとうによかったです。完結後まで「氷プリ」に関わってくださった、イラストの Nardackさんをはじめとしたスタッフのみなさん、ほんとうにありがとうございました!

冬樹が語り手になっている短編に関しては、シリーズ刊行中を通してずっと読者のみなさんがサイトの感想欄やおハガキに書いてくださっていた、「冬樹くんが主人公のお話を読みたい!」というリクエストを、やっと実現することができました。でも、「オレ様」や「王子様」の仮面をはずした「素顔の冬樹」は、けっこうスネたりむくれたりヤキモチやいたり……とくにかすみの前ではカッコいい部分のほうが少ない「ただの恋する男の子」なんですよね。もしかしたら、みなさんをガッカリさせてしまうんじゃないかとちょっと心配ですが、カッコよくない部分は全部「かすみのことが好きだから!」なので、そんな冬樹のことも応援してやってください。

この「スペシャル短編集」で、本の形になっている「氷の上のプリンセス」のお話は終わってしまいますが、これからあとの、かすみたちそれぞれのまだまだ長いスケート人生の物語は、読者のみなさんがそれぞれに、自由に想像してみてくださいね。

次のオリンピックもきっと、かすみと冬樹はふたり支え合って金メダルをめざすことでしょう。そのあとは、いつかプロのスケーターに転向し、アイスショーで2人でアイスダンスをしたり、桜ヶ丘スケートクラブで子どもたちにスケートを教えたりするコーチになるかもしれません。でも、どんな道をたどるとしても、かすみと冬樹がいつまでもいっしょにいることだけは、きっと変わらないと思います。

読者のみなさんが成長して大人になっていくときに、「そういえば、かすみたちも大学生になってるころだよね。」など、ご自分の成長と重ねて思い出してくだされば、とってもうれしいです。今まで長いあいだ、「氷プリ」シリーズとかすみたちを応援してくださり、ほんとうにありがとうございました(*^-^*)

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