アニエホン第2弾となる「ラニーちゃんとたんじょうびやさん」の原作は、キャラクターアーティストとしてスターバックス、ポール・スミス、しいたけ占いなど、世界的に活躍するタロアウト。絵本を作ることが長年の夢であったタロアウトの優しい世界が、色鮮やかな映像で再現されます。
本作は、「猫のダヤン」アニメシリーズや「映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」などを手掛けてきた作田ハズムが監督を務めます。監督の指揮のもとアニメーション制作を担当したのは、「タヌキとキツネ」や「アニメ カピバラさん」などシンプルな造形のキャラクターに柔らかなアニメーションをつけることを得意とするレスプリ。絵本の中のキャラクターたちがそのまま動き出したような仕上がりを目指しました。完成映像に合わせて楽曲を作りおろす、フィルムスコアリング手法で制作された劇中音楽の豊かな音色にもご注目ください。
ある日、一人ぼっちの『ラニーちゃん』のところに現れたのは『たんじょうびやさん』。
「たんじょうびの友達をあつめてパーティを開くよ」と言うたんじょうびやさんに連れられ、ラニーちゃんは家の外へと旅立っていきます。
二人はいろんな動物たちを集めて、いよいよ森の中でパーティが開かれます。楽しいパーティですが、そこでラニーちゃんは……?
ラニーちゃん
ちいさなうさぎの子。生まれたときからひとりぼっちだったので自分のたんじょうびを知りません。臆病なところもあるけれど、たくさんのことを知りたい好奇心でいっぱい。ある日たんじょうびやさんがやってきて……。
たんじょうびやさん
この森で、たんじょうびをお祝いする不思議なコウノトリ。ラニーちゃんのところへたんじょうび★★パーティーのお誘いにくるところから、物語は始まります。たんじょうびやさんはなにを計画しているのでしょうか……?
アヒルのお母さん
とても面倒見が良くて頼れるお母さん。子どもたちそれぞれに優しく接します。じつは少しあわてんぼうなところも。だからアヒルの家族はいつでもなんだか賑やかです。
アヒルの赤ちゃん
五つ子の赤ちゃん。ラニーちゃんがやってきた日に生まれました。五つ子ちゃんとひとくくりにいっても、個性はそれぞれ。でもとっても仲良しです。いつもみんなで一緒にお母さんの後をついていきます。
ウリボウ
いつも一緒の二人。仲良しだけれど時々ケンカもします。あろうことか片方の誕生日にケンカをしてしまいました。あなたなら大切な人の大切な日にケンカをしてしまったら、どうしますか?
ライオン
別々の国の王様。生まれたときから王様になることが決められていた二人は、自分の意思でものごとを決めたいと思うようになっていました。たんじょうびやさんに連れられ森へやってきた二人。ここから新しい人生が始まります。
木のおじいさん
自分の誕生日を忘れてしまうくらい歳を重ねたおじいさん。陽気で穏やかなおじいさんの周りにはたくさんの森の住民が訪れます。長く生きた分、みんなに伝えたいことがたくさん。なので少しおしゃべりです。
制作:レスプリ
監督:作田ハズム
声の出演:玉木雅士
©タロアウト・講談社/ANIMEHONプロジェクト
※“アニエホン”とは……“アニメ”と“えほん”を合わせたプロジェクト名です。
絵本「ラニーちゃんとたんじょうびやさん」を読んだ時、その優しいストーリーとともにまず入ってきたのが、ラニーちゃんというシンプルにして可愛いキャラクターでした。
映像を作るにあたっては、このラニーちゃんの魅力を掘り下げる作品にできるといいなと考え、「たんじょうびやさんが迎えにくるまで、独りでどうしていたのだろう?」「家から連れ出されて、外の世界がどう映っただろうか?」そういったぼく自身が持ったラニーちゃんへの興味をオリジナルの要素として盛り込んだアニメーションとしてまとめてみました。
アニメーションを見た方々には是非ラニーちゃんを好きになってもらって、絵本を手に取って頂けると嬉しいです!
【原作「ラニーちゃんとたんじょうびやさん」】
【作者】
タロアウト
【原作あらすじ】
ちいさなうさぎの子、ラニーちゃんは生まれたときからひとりぼっちで自分のたんじょうびを知りません。
そんなラニーちゃんのもとへ、たんじょうびやさんという不思議なコウノトリがたんじょうびパーティの誘いでやってきます。
ラニーちゃんはたんじょうびがわからなかったけれど、そのことはひみつにしてコウノトリと出かけました。
世界中から今日のたんじょうびさんを集めて、さあ、森でパーティがはじまるよ! そのときラニーちゃんは……?
すべての存在が生まれてきたことを祝福し、「みんな」も「みんなからはみだしたみんな」も、それぞれ多様な価値観を肯定したい。キャラクターアーティスト、タロアウトの願いがこめられた優しい絵本です。
「思い描いていた世界が、そのまま動き出した!」
制作途中の最初のアニメーションを観た時、そう思いました。
思い出深いのは、ナレーションの声をどうするかの打ち合わせです。
絵本発だし、読み聞かせのお母さんみたいな声を私はぼんやりイメージしていました。
しかし、「それぞれの存在や多様性を肯定する作品だから、性別や役割にとらわれない声はどうか」という意見があがってきました。
この絵本は、「みんな」はもちろん「みんなからはみ出ていると感じているみんな」にも喜んでもらいたいという想いで描きました。声のエピソード一つをとってみても、監督やスタッフの皆さんがそのことを深く理解し作ってくださったと感じます。
ぜひ楽しんで観てください!
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