シマウマのからだは、なぜしま模様なのか?

シマウマは、なぜしま模様なんだろう?

関連:MOVE動物 新訂版 P108-111
アフリカのサバンナにすむシマウマのしま模様。
いったいどうしてこんな模様なのか、昔から研究者はさまざまな理由を考えてきました。
なかでも、いちばん有名なのは、草のなかでライオンなどの天敵に見つかりにくくするカムフラージュの効果です。
もしこれが本当ならば、シマウマ以外にもしま模様の動物がいてもおかしくないのですが、じっさいには見あたりません。
カムフラージュ効果のほかにも、仲間どうしの結びつきを強くする働きや体温調節、病気を媒介する虫がつきにくくするなど、様々な説が考えられてきましたが、本当のところ、どれが正しいのかわかっていませんでした。


生息地によって、しま模様の太さや数に差が!

 カリフォルニア大学の研究者チームは、シマウマのしま模様パターンを調査。
気温や降水量、病気を媒介するツェツェバエの存在、ライオンの分布などのデータとしま模様との関連性をコンピュータで分析し、その結果を論文として発表しました。
シマウマは、生息地によってしま模様の黒い線の太さや数に差があり、濃かったり薄かったりします。その差がどんな事に関係があるのか調べることによって、しま模様の秘密を解き明かそうというのです。


しま模様効果で、表皮の温度が3℃下がる!?

 その結果、一番関係していたのは気温でした。
暑いところにすむシマウマほど、しま模様の数が多くて濃い傾向にあることがわかったのです。

では、なぜ暑いところのシマウマは、しま模様の数が多くなるのでしょうか。
たしかな答えはまだ見つかっていませんが、しま模様は皮膚の表面温度を低くする働きがあるという説があります。
黒い線と白い線では空気の流れにちがいが発生し、小さな空気の渦ができてシマウマの皮膚の温度があまり高くならないというのです。
その証拠に、おなじ地域にすむしま模様がない動物の皮膚の温度に比べると、3℃低いということもわかっています。
3℃ではたいしたちがいがないように思えますが、ツェツェバエによる感染症にかかる割合を下げることが実験でわかっているので、しま模様には病気にかかりにくくする働きがあるのではと研究者は考えています。

また、よくいわれるライオンなどの捕食者からのがれる効果は、今回の研究では認められなかったそうです。
なぜなら、しま模様がうすいシマウマがいる地域にもライオンがいておそわれる危険がありますが、濃い地域と比較して、とくにねらわれやすいということはありませんでした。



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