静脈は何色?

血管の長さは10万キロメートル!?

私たちの体には、血管がはりめぐらされています。
大人1人分のすべての血管をあわせると、10万kmという地球を2周できるほどの長さになるといいます。
血管のほとんどはじかに目で見ることはできませんが、体の表面にある血管なら、皮膚を通して見ることができます。
よく見えるのは、手の甲や、手首の内側、腕の内側、そして足首のあたりです。
血管の色は、何色に見えますか? 実際に見てみてください。

青色や紫色に見えますね。
これらは「静脈」と呼ばれる血管です。 体のすみずみから二酸化炭素やいらないものを回収して、心臓へ戻っていく血管です。
人体の模型や、図鑑などでも、静脈は青色で表現されます。

しかし、これはじつは目の錯覚だったことが最近になってわかりました。

皮膚を通して見える静脈を写真に撮って、静脈の部分の色だけを調べます。
するとそれは「灰色」だったのです。
肌色の中に、灰色があると、私たちの目や脳は、灰色を青色だとかんちがいしてしまうようです。

静脈を青色、動脈を赤色として描いた図は、とてもわかりやすいものですが、青色は目の錯覚が生みだした色だったのですね。

■関連:「人体のふしぎ」52-59ページ