恐竜歴史のニューカマー!? 水陸両生の新タイプを発見!

その名も「ハルシュカラプトル・エスクイリエイ」(Halszkaraptor escuilliei)。
上半身はアヒル、下半身は猛禽類のようなこの生き物。
なんと科学誌『ネイチャー』12月6日号で発表された新種の恐竜だというからビックリです。
<font size="1" color="#a9a9a9">Artist's reconstruction of Halszkaraptor escuilliei /Lukas Panzarin</font>

このほど発見されたこの恐竜は、今から7000万年以上前に古代の地球の湿地を歩き回り、アヒルのような方法で獲物を捕らえていた水陸両生タイプと考えられています。ポーランドの古生物学者ハルシュカ・オスモルスカ氏にちなんで名付けられたとのこと。

イタリア、ボローニャ大学の古生物学者で、今回の論文の共著者であるアンドレア・コー氏は「初めてこの化石を見たときには衝撃を受けました。化石は文句なしに完全で、美しく保存されていると同時に、不可思議で異様であり、奇妙な特徴が混じり合っていました。古生物学者にとっては、これ以上ないほどワクワクさせてくれる挑戦でした!」と話します。

この化石が発見されたのは、恐竜の種類の5%以上が見つかっているモンゴル。化石の密売が禁止されているモンゴルですが、今回の発見は密売人によって発掘されたものがヨーロッパの化石市場に流れついた経緯をたどったと考えられています。密売人の手によって貴重な化石標本が壊されがちななか、これほどきれいに完全な形で残されていたのは奇跡に近いそう!

それによると、ハルシュカラプトルは腕で水をかき、陸上を動き回るふたつの運動器官を持っているこれまで知られているなかで唯一の新種ということがわかりました。これまでは完全水生の恐竜は存在しないと考えられてきた中でのこの発見は研究者も驚くわけです。

化石の発見過程といい、生態といい、不思議でミラクルな「ハルシュカラプトル・エスクイリエイ」。今後の恐竜界の研究に一役買いそうです。