モンシロチョウの翅(はね)は白くない?

ヒトの見ている色彩の世界とはちがう色彩の世界を見ている!?

 モンシロチョウの翅(はね)は白いのがあたりまえ。でも、モンシロチョウ同士では、ちがう色に見えているようです。
 モンシロチョウをはじめとした昆虫の多くは、私たちヒトには見えない紫外線を見ることができ、ヒトの見ている色彩の世界とはちがう色彩の世界を見ていると考えられています。
 紫外線の反射を反映する紫外線写真でモンシロチョウを見るとそのちがいがよくわかります。オスの翅は紫外線を吸収するので黒っぽく見え、メスの翅は紫外線を反射するので白く見えます。紫外線の見えないヒトの目にはオスもメスも似たような白いチョウに見えますが、紫外線の見えるモンシロチョウにはオスとメスのちがいがはっきりと見えているようです。
 また、えさである花の蜜を探すときにも紫外線は役に立っているようです。例えばタンポポです。私たちには黄色一色の花に見えますが、紫外線写真でタンポポを撮影すると、蜜がある花の中央部の色が変わって見えます。チョウはその色のちがいを見て、蜜の場所を見つけているようです。

■関連:「昆虫」83ページ、「人体のふしぎ」68ページ