【第６回】この夏だけの特別企画！　「黒魔女チョコの　魔界で!?修行日記」スペシャル連載

「一問梨は一文なし？」

2025.08.01

「わたしは一問梨です。わたしの問題に正解できなかった人は、もっているお金のすべてをいただいて、一文なしにするのです」

がくっ。そこがダジャレになっていたんですか……。

「いやだといっても、むだですよ。黒魔法でねこそぎ……」

「それが無理なんだよ、一問梨」

ギュービッド、にやにやしてる。

「チョコは人間の小学生でさ。金もさいふも、もってないの。つまり、こいつも一文なしってわけ」

「ノーーーーッ！」

一問梨さんの顔がまっさお。って、もともと、きみどりか。

「チョコにクイズを出すまえに、金をもってるか、たしかめておくべきだったな。ま、おまえも、一事が万事、間が抜けてるってことだ。ギヒヒヒヒ！」

ギュービッドは下品な笑い声をあげると、あたしの手をひいて、歩きだした。

「どうだ？　魔界って、おもしろいだろ」

いや、ふしぎで、くだらなくて、おそろしいところだと思いました。

というわけで、二度と魔物にであわないよう、ギュービッドのうしろをこそこそ歩くこと二時間。とつぜん森がとぎれて、目の前には、大きな山が現れた。

すると、ギュービッドが岩だらけのけわしい山肌を指さして。

「あれが、あたしの家だぜ！」