
【後編】『角醒ハンター オメガホーン』大反響の秘密に迫る! 久慈麗人プロデューサー ロングインタビュー
勝負の物差しは一つじゃない ── 未知なる冒険の世界へ!
2026.10.25
後編では、「多元宇宙」設定に込められた真意や、クロスオーバーの妙味、怪獣特撮の常識を覆す物語の誕生秘話、ハンターバトルに込められた哲学、そして今後の「PROJECT R.E.D.」の展開について直撃しました!
かつて『テレビマガジン』の読者だったという久慈プロデューサーの、子どもたちへ向けた熱い想いも明かされます!
目次
「いつでもヒーローが駆けつけてくれる」――多元宇宙設定に込めた願い
うーん、理由は三つあります。
一つ目は、これまでのシリーズとの差別化です。当初、多元宇宙を自力で渡れる存在を主人公一人に絞ることで、他次元の人々は彼に会いたくても会いに行けないという一方通行の構造を作りました。
宇宙船があれば誰でも行き来できる世界観とは違い、次元を超えられるのはインフィニティ一人。それゆえに背負わなければならないもの、悩みや心情を描けるのではないかと思ったんです。
二つ目は、「PROJECT R.E.D.」全体で今後もクロスオーバーを仕掛けていくためです。
クロスオーバーはいろいろな形を考えていますが、「多元宇宙」という設定が今後の展開の可能性を増やすねらいがあります。
そして三つ目は、僕自身の個人的な思いです。次元を超えて駆けつけるヒーローの姿って、子どもたちの視点から見ると、現実とフィクションの境目みたいなところも含めて、「飛び越えてきてくれる」という絶対的な頼もしさがあると思うんです。
自分が苦しいとき、悲しいときに「次元を超えて参上したぜ!」と来てくれる頼もしさ、あるいは距離感というんですかね。
あえて「次元を超える」という言い方をすることで、ヒーローがそばにいる感覚、「会いたいと思えば会えるかもしれない」と思えるような感覚を、番組を見た子どもたちに感じとってもらえたらいいなと思っていました。
冷笑の時代に抗う「感情とエゴ」
僕自身にも子どもがいるんですが、子どもたちには、この世界に「希望がある」とか「世の中捨てたもんじゃない」とか「せっかくならヒーローがいた方が楽しいだろうな」とか、そんな感覚で世界と向き合ってくれたらいいなと思いながら「超ギャバン」と「オメガホーン」を作っています。
前作の超ギャバンでは、「『怒り』も『悲しみ』も力に変えられる」 「感情と友達になろうよ」 というテーマを掲げました。今の時代、あまり感情的になるな、みたいな考え方が強いけど「なんか、そうじゃないんじゃない?」みたいな。「こうしたい、ああしたい、みたいな感情があるのは自分だ」と肯定して生きていけるといいなと。
そしてそれを受けた今回のオメガホーンでは「声を上げたっていいじゃん! 自分のエゴを堂々と宣言していいじゃん!」と、感情のさらに一歩先に踏み込んでいます。
まさに今の時代だからこそ、このPROJECT R.E.D.のヒーローが、自分なりの視点、可能性を広げるヒントになるといいなと思っているんです。
それに加えてこのシリーズは、ヒーロー番組を卒業して距離を置いてしまった大人も、初めて特撮に触れる子どもたちも、誰もが「ヒーローと出会い直せる」ような間口の広いシリーズにしたい。文脈を知らなくても純粋に面白く見られて、ふとした瞬間に生きるヒントを受け取ってもらえる、そんな作品でありたいんです。
世界観が衝突するクロスオーバーの妙
クロスオーバーをするなら、「これが混ざったら一体どうなるんだ!?」くらい違った方が面白くなるだろうと思って。うまく混ざるかどうかはさておき(笑)、少なくとも距離のあるものにしておこうという意識はしていました。
また、脚本の冨岡さんとなら、どれほど距離があっても絶対に面白く着地させられるという信頼感もありました。
(世界観の)バランス感覚みたいなものは試行錯誤しつつも、現状、うまくワクワク感につなげられているかなと。
警察組織の中で公の正義を背負っていたギャバンが、弱肉強食で警察すらいないオメガホーンの世界に放り込まれたらどう反応するのか? というのを作り手側も楽しんであえてやっています。
この時代に力を持っていたものが、別の時代では一切力を持っていないかもしれない。
それくらいのことがやれるといいかなと思っています。クロスオーバーって言っちゃってるし!

































