『ゴジラ2』と呼ばれた企画はそれから5年、いったいどのように動いたのか。
昭和の終わりに登場する「平成ゴジラ」だ。
復活からシリーズ化へ。怪獣王、激動の歴史をたどってみた。
──『「ゴジラ」東宝特撮・SF映画史 平成編』(講談社)より一部抜粋・編集して紹介。
「ゴジラ映画」シリーズ化への動き
その記録は1985年7月に公開された文芸大作、『ビルマの竪琴』に続く日本映画の第2位というもので、その配給収入はおよそ17億円である。ちなみに、第3位は黒澤 明監督が10年近い準備期間を費やした超大作の『乱』で、配給収入は16億7000万円である。
『ゴジラ』(1984)の成績は、邦画の調子がまだ好調とは言いがたい時代でもあり、相当なヒット作と言ってよかった。ただし、シリーズ化という意向を含む東宝本社としては、『ゴジラ』(1984)の配収が目標の20億円に届かなかったことで、今後の方向性が大きな課題となっていた。
1970年からの会社機構の再編以来、東宝は劇場映画を外部資本との協力体制で製作し、宣伝や配給を担当するというかたちに業務をシフトさせていた。東宝が独自の資金で劇場映画を製作し、田中友幸が社長を務める製作プロダクション、東宝映画が製作能力を発揮する機会は徐々に減っていた。
東宝は現在に至るまで、対外的には「ゴジラ映画」に外部資本を参加させないという不文律を堅持している。それは田中の意思に始まるものなのだが、その思いが明確になるのは、この時期の「ゴジラ」再生の作業を通じてのことだと思われる。自社資本作品という前提は、東宝にとっては通常の業務以上に失敗が許されないということを意味しており、まさに「ゴジラ映画」は東宝にとって要の作品といってもいいだろう。
それもあって、その次回作を構築するにあたり東宝の上層部や田中が必要とした要素は、新鮮な力の導入であった。そのため、ストーリーベースを外部の才能に求めることにし、1985年4月に賞金300万円で「ゴジラストーリー募集」が発表された。この募集は同時に東宝が「ゴジラ映画」続編に向かって動いているという意思の表明を意味していた。
『ゴジラ2』ストーリーラインの完成
佳作は木暮 瞬の作品、『ゴジラ対ビオランテ』と三原尚樹の『見えざる悪魔』、太田俊明の『ゴジラⅡ』、佐藤義信の『八千万年前の墓標』の4作となり、準佳作には小林辰夫の『ゴジラ対巨大ロボット軍団』、あすかあきおの『NEWゴジラ・2』、亜川竜介の『ゴジラの血』の3作が決定した。
東宝の社内には「ゴジラ映画」の収益力に対する一抹の不安があり、『ゴジラ2』の実現を急ぐ空気はなかった。しっかりしたコンセプトがないまま拙速に作品を提示することは、逆に「ゴジラ」の永続性を損なうという発想もあったようである。しかし田中は、邦画全盛期の映画プロデューサーの手法に従い、個人的な座組みの色が濃いプロジェクトで「ストーリー募集」の結果を引き継いで検討を続けていた。
そんな田中は1985年12月9日の会合において、佳作のなかから『ゴジラ対ビオランテ』を指定、作者の木暮 瞬こと小林晋一郎にロングプロットを発注した。応募作の内容は、マッドサイエンティストと植物の合成生命であるビオランテを巡る物語で、ビオランテが動かないため用意された実験生物、デューテリオスも登場する。第2稿ではデューテリオスは消え、ゴジラ細胞の争奪戦の要素が加わっているという。
田中は並行して、準佳作の『ゴジラ対巨大ロボット軍団』を、信頼する脚本家・関沢新一に預けている。内容は、防衛目的のコンピューターが暴走して移動要塞自身が戦闘メカと化すというもので、ポリティカル要素も適度に含んでアクティブな作風となっている。
ここで田中が選んだプロットの2つは対決路線だが、その理由は、『ゴジラ』(1984)を復活させた際にゴジラ単体の物語、煎じ詰めれば人間がゴジラに立ち向かう物語を徹底して追求したからである。
『ゴジラ』をはじめ東宝特撮・SF映画の世界が文庫に!
ぜひご期待ください!
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テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
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