著・作:はやみね かおる イラスト:ひのた
校長からひとこと
奇妙な事件も妙な探偵も怪盗も出てきません。派手な事件も起こりません。出てくるのは中学生。それも、無敵のサバイバーとか大財閥の御曹司とか、特殊な中学生ではありません。どこにでもいる、ごく普通の野球好きの中学生が主人公です。そんな普通の中学生の話ですが、個人的には大好きな話です。こうして1冊の短編集になるとは、最初の原稿を書いたときには想像もしませんでした。今も、いちばんテストに使われる物語です。残念なのは、『打順未定、ポジションは駄菓子屋前、契約は未公開』が収録されてないことですね。いつか、『契約は未公開』も収録された完全版が出てほしいです。
「バッチ、こ~い!」ぼく、春日温(かすがあつし)。中学2年生。みんなからは「ヌク」と呼ばれている。背は低くて力もないけど、野球は大好き。そんなぼくのポジションは、『駄菓子屋前』。フェンスを越えて飛んでくるファールボールを、駄菓子屋の前でくい止めるのが、ぼくの役目だ。そしてぼくの定位置には、いろんな人がやってきて--。万年補欠のヌクの奮闘ぶりを描く、ハートウォーミングな青春ストーリー!
試し読み
発売日 | 2018/06/21 |
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価格 | 定価:円(本体650円) |
ISBN-13 | 9784065120972 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 240 |
美琴 @Z5HHR
美琴 @Z5HHR
【この投稿はネタバレを含みます】
続きを見る中学生って、得意なことや苦手なこと、友情や恋愛、先輩後輩の人間関係、人と比べたり、諦めたり、時には嫉妬したり…。いろんなことで心が揺れ動ぐ時期だと思います。そんな中でヌクの真っ直ぐな姿勢がとても印象的でした。野球への情熱も、友達との絆も、ひたむきで純粋。読んでいて青春の爽やかさと輝きを感じました。小学生のころ男の子たちと空き地でやった草野球、外野という名のボール拾いばかりだったな…と思い出します⚾笑