2025年9月17日に公開された、「赤い夢学園」の新企画「RD(アール・ディー)育成プロジェクト」は、ユーザーがRDのAIチャットボットと会話を重ねながら、RDをなるべく原作に近い会話をするキャラクターに育てていく、ユーザー参加型企画です。
プロジェクトを監修したのは、小学生のときにはやみね作品と出会い、「怪盗クイーン」シリーズを愛読していた、東北大学言語AI研究センター助教の赤間怜奈先生です。
AI研究者の赤間先生と、RDを生み出した原作者のはやみね先生が、「RD育成プロジェクト」について語る対談インタビュー。
第2回は「夢のプロジェクトの理想と現実」と題し、キャラクターをAIで再現することの困難や問題点、それをどう乗り越えたか、など開発秘話を中心におうかがいしました。
「RD育成プロジェクト」開発監修・赤間怜奈先生
<赤間怜奈・プロフィール>
愛知県生まれ。自然言語処理研究者。東北大学言語AI研究センター助教。博士(情報科学)。小学生のころに「怪盗クイーン」シリーズを読んで“歌って踊れる人工知能“に興味を抱いたことがきっかけになり、AI研究の道へ進む。東北大学工学部時代より自然言語処理・人工知能の研究に従事、とくに自然言語文生成や対話などの研究領域に精通。国立国語研究所次世代言語科学研究センター助教、理化学研究所革新知能統合センター客員研究員も務める。はやみね公式FC「赤い夢学園」の倉木研究所特別研究員として、「RD育成プロジェクト」の開発監修を務める。趣味は、コーヒー、音楽、旅行。
児童文学作家・はやみねかおる先生
<はやみねかおる・プロフィール>
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、みずから書きはじめる。「怪盗道化師」で第30回講談社児童文学新人賞に入選。「名探偵夢水清志郎事件ノート」「怪盗クイーン」「都会のトム&ソーヤ」「少年名探偵虹北恭助の冒険」などのシリーズのほか、『バイバイ スクール』『オタカラウォーズ』『ぼくと未来屋の夏』『令夢の世界はスリップする』(以上、すべて講談社)『モナミシリーズ』(角川つばさ文庫)『奇譚ルーム』(朝日新聞出版)などの作品がある。子ども自身が選ぶ、うつのみやこども賞を4回受賞。漫画版「名探偵夢水清志郎事件ノート」(原作/はやみねかおる、漫画/えぬえけい 講談社)で第33回講談社漫画賞(児童部門)受賞。第61回野間児童文芸賞特別賞受賞。
AIはキャラクター性を獲得できるのか? 可能性に賭けた方向転換
──プロジェクトが始まった当初は、どのような目標を掲げていましたか?
赤間 最初にお声がけいただいたタイミングで聞いた目標は、ファンに「RDと話す」という体験を提供するために「RDを再現する」ことでした。
──その時点で、目標達成の見込みはどの程度あったのでしょうか?