『魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート』著:はやみね かおる、 絵:村田四郎
〈9月の課題図書〉『魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート』を9月1日正午から公開します
毎月一冊、はやみねかおる校長が自分の作品の中からセレクトしてお届けする「課題図書」。赤い夢学園の有料会員は一冊丸ごと閲覧することができます。
9月の課題図書は、『魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート』です。9月10日から連載が始まるシリーズ最新作『神隠島(かみかくしま)After 名探偵夢水清志郎事件ノート』の予習にもおすすめですよ。
《あらすじ》
笙野之里(しょうののさと)で企画している推理ゲームのアドバイザーをたのまれ、夢水名(迷)探偵は桜の咲く里へやってきた。ところが、ついたとたんにとどいたのは、『魔女』と名乗る人物からのメッセージ。
そしてすぐに、謎の推理ゲームがはじまって……。『魔女の隠れ里』のほか、雪霊の藪の謎、羽衣母さんの謎もある、名探偵夢水清志郎事件ノート第4作。
《みどころ》
「名探偵」という職業の考察がおもしろい!
みなさんご存じのとおり、夢水清志郎は「名探偵」を名乗っています。では、「名探偵」という職業は現実に存在するのでしょうか?
答えは「否」。
「名探偵」は小説やアニメなどフィクションに登場する職業で、世界最初の名探偵は、エドガー・アラン・ポーの短編小説『モルグ街の怪事件』(1814年)に登場する「C・オーギュスト・デュパン」で、後に登場するシャーロック・ホームズなど名探偵の祖とされています。
ちなみにRDにきいたところ、こんな風に答えてくれました。
世間一般的には、人々の依頼を受けて、事件や謎を解決する仕事だと思われていますね。とはいえ、わたしが知る名探偵、夢水清志郎の場合は、少しばかり常識外れで、自分勝手なところもあるようです。
RDの言うとおり、亜衣の「名探偵夢水清志郎」への評価はかなり低め。「名探偵」はなくても困らないけれど、「魚屋」はないと困る……と、やけに生活感のある例えから始まり、その「名探偵」がいかにだらしなく、食意地が張っているのかを説得力満点で論じていきます。それもそのはず、中学生の亜衣たちが、決して多くないお小遣いをかき集めて、教授にご飯を食べさせたことだってあるのですから、ちょっと恨みたくなる気持ちもわかりますよね。
でも、事件の概要を聞いただけですぐに真相を見抜いてしまう夢水の推理力は、亜衣も認めないわけにはいかないほど高いのです! 真相を明らかにすることが、必ずしも幸せだとは限らないことをわかっていて、ときに沈黙を守ることもあるし、「名探偵」を必要としない世界こそが、本当に幸せな世界であることもわかっていながら、だれかの「幸せ」のために謎を解く夢水。
改めて読み返すと、自分は夢水のような「子どもたちの未来を守る」ことができる大人になっているだろうか……と自問自答せずにはいられません。
そんな「名探偵」夢水清志郎の愛すべきところがギュッとつまった一冊です!
あとがきに注目!
あとがきには、当時はやみね校長の頭の中にすみついていた「ある人」について書かれています。なんでも、『魔女の隠れ里 名探偵夢水清志郎事件ノート』の犯人役で登場する予定だったのに、あまりにも性格が派手で目立ってしまうから、別のシリーズで活躍してもらうことにした、ということですが、だれかわかりますか?
ぜひ、あとがきもじっくりお楽しみください♪
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