
「泣くだけ泣いてから本番に臨んだ──」長谷川育美×東山奈央が語る第31話の衝撃と、『映画名探偵プリキュア! 不思議な庭と2人の秘密』の大人も救われる立ち上がり方
長谷川育美さん(キュアエクレール/帆羽くれあ役)×東山奈央さん(キュアアルカナ/森亜るるか役)スペシャルセッション【後編】 (2/3) 1ページ目に戻る
2026.09.20
ライター:小川 聖子
東山 そうなんです。アフレコの早い段階で、スタッフさんからこっそり呼ばれて「実は31話までにこういう出来事があります」ということを伺っていて。
ここまでのお話を一気に凝縮して説明していただいたので、そのときは情報量が多すぎて頭が混乱して、放心状態になってしまいました。消化するまでにも時間がかかりましたし、何よりほかのキャストの誰にも打ち明けられないものだったので。
そこをゴールにして今までのお芝居を組み立てたり、気持ちを作ったりしていたので、キュアアルカナ・シャドウとしては走り切ったような感覚もありつつ、同時にキュアアルカナとしてはここからがスタートなので、いろいろな思いが交錯するターニングポイントのようなお話でした。
長谷川 誰にも言えない秘密を一人で抱えていたんですね。
東山 そう。るるかとくれあの生い立ちから、どうして自分の意思で怪盗団ファントムに入ることを選んだのか。そして、ひとりで抱え込んで決めつけてしまった自分の答えを一気に教えていただきました。
おとも妖精のマシュタンは知っていましたが、キャストの皆さんには秘密でした。
長谷川 私がまだ「パティシエのお姉さん・帆羽くれあ」としてアフレコに参加していたころ、東山さんがスタッフさんたちのブースの方に行って長時間話して戻ってくる姿を見たんです。
私は心の中で「これはきっと、くれあが関係あるよな」って(笑)。でも、ここで話しかけるわけにもいかないですし。
東山 そうなんだよね(笑)。当時はメインキャスト(プリキュアとおとも妖精)以外は、キャストであってもキュアエクレールの正体は知らなくて。だからずっと正体を隠さなければいけなかったはせちゃん(長谷川さん)は、本当に大変だったと思います。
ジェット先輩役の梶裕貴さんや、ウソノワール役の日野聡さんから「本当はエクレールなんでしょ?」「どうなの?」と現場で追及されていましたね(笑)。
長谷川 「いやいや……」ってかわし続けていました(笑)。梶さんからは「噓をつくのがうまい」と言われて、若干今、信用されなくなっています(笑)。
キュアエクレールの正体が判明、ついにプリキュア4人体制へ
東山 今は第31話のアフレコを終えたばかりのタイミングなので、この先みんなでどんなふうに一丸となっていくのかが楽しみではあります。
今までは、キャストの皆さんが「るるかはこういうことを考えてるんじゃない?」と考察をしてくださっている中で、私だけ答えを知っている状況でした。
でもここから先は、私もみんなと一緒にその謎解きの輪に加わって、「ああじゃないか、こうじゃないか」という推理を一緒に楽しめるのが嬉しいです。
一番身近な「名探偵プリキュア!」ファンな感じで、作品の時間を楽しんでいきたいです。後半もすごいことになるに違いないので!
──おふたりの関係性や、お芝居の上でのアプローチで意識された部分はありますか?
長谷川 アフレコ現場では隣に座って、お話ししています。初共演ではないので、私は「奈央さん」と呼ばせていただいています。最初から頼もしさを感じていたので、「絶対に大丈夫だ」という安心感がありました。
東山 私も「はせちゃん」と呼ばせてもらって、いろいろと話しています。
長谷川 ただ、お芝居に関しては、第31話までは役柄的にも一緒に行動する機会はなかったので、事前に話し合いはしてこなかったんです。
東山 そうだね。アフレコの中で、お互いが現場で感じ取ったものをお返ししていくスタイルがメインだったと思います。
でも、あんなとみくるのバディとは違う落ち着いたお姉さんっぽさや、経験値を積んできているような雰囲気があるので、推理でもアクションでも頼もしいと感じてもらえたらと思っていますし、映画でもそんな強いチーム感が出せたらいいなと思って表現しています。
どんなに優秀であっても間違えてしまうことはある
東山 るるかはキュアアルカナ・シャドウに初めて変身した第11話で、「私に失敗はない」というセリフを言うんです。あれは自分自身への評価でもあるし、視聴者さんにとっても「この子は間違えない優秀な子なんだ」という前提を浸透させる一種の「仕込み」だったと思うんですね。
でも、「どんなに優秀でも人は間違えてしまう」ということを、身をもって伝えてくれたのがアルカナ・シャドウなんだと思います。本当はひとりで背負い込まずに、誰かと手を取り合って解決してたら良かったのかもしれません。
一度記憶を失ってしまったくれあが「キュアエクレールとしての記憶」を取り戻したとき、るるかは全然「歓迎できない状況」なのですが、再びくれあの声で「るるか」と呼びかけてもらえたことには、ひとりの人間として嬉しさが滲んでしまう部分もあるんですよね。
でも、その大好きな愛しい人の記憶を、今度は自分の手で消さねばならないという苦しい状況に進んでいく。自分の優しさが自分の首を絞めてしまう痛々しさがありながらも、大好きなくれあを想う気持ちは本当に美しいですし、心から幸せになってほしいキャラクターです。
──長谷川さんはいかがですか。
長谷川 帆羽くれあがパティシエとして出てきたときは、ただただ優しいお姉さんという感じでした。「キュアエクレールの正体は誰!?」という企画が始まったときも、素性が全然明かされなかったので、キュアエクレールになるまで皆さんくれあのことをあまり知る機会はなかったと思うんです。
だからこそ、エクレールになってから知る一面とのギャップが激しくて。オーディション資料の段階でもカッコいい要素は確認していたのですが、物語として追っていったときに、想像以上に凜々しくカッコ良くて。
「ここまで猪突猛進する子だったんだ!」という強さへの自信もカッコ良いですし、その後にちょっと抜けているところが見えるのがまたかわいくて。一気に愛着が湧くステキなキャラクターだなと思います。
探偵としての初仕事にも本人らしさが出ていて、人間味や幅が広がりました。2、3話でくれあがあまり描かれなかったのも、やっぱり「るるかなしではくれあという存在は語れない」という部分が大きかったんだなと改めて感じます。
発売日:2026年9月18日
価格:2200円(税込)







































