「普通に見える服」を何着も買い… ののちの苦悩と感性を育んだ母の「肯定」

【後編】SNS総フォロワー数110万人! インフルエンサー・ののちインタビュー (2/2) 1ページ目に戻る

ライター:小川 聖子

学校は苦手…家にいる時間だけが幸せでした

ののちさん公式インスタグラムより
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──現在22歳のののちさん。大学在学中にはカップルYouTuberとして人気を博し、現在はソロのインフルエンサーとして活躍しています。子ども時代はどんな感じでしたか。

ののちさん:学校に馴染むのが苦手で、とてもおとなしい子でした。実は小学校1年生のときに、服装のことでものすごく先生に怒られたことがあったんです。私は小さいころからカラフルでかわいいものが好きで、そのときは習っていたクラシックバレエのチュールスカートに、左右色の違うタイツ……という、やや派手な格好をしていたんです。

そうしたら先生に呼び出されて、「そんな子、他にいないでしょ!」とめちゃくちゃ怒られて。それがものすごくショックで、そのときから好きなことは家でやろうと決心しました。好きなものに囲まれることができる、家にいるときだけが幸せな時間でした。

──家は自由になれる場所だったのですね。

ののちさん:そうです。幸いママもかわいいものや派手なものが好きで、価値観も合っていたので楽しかったです。最初はちょっとユニークな持ち物にこだわっていたのですが、それが部屋にまで拡大していったのが小学校4年生くらい。それから家ではずっと自分の部屋の「模様替え」をして遊んでいました。PEZみたいなアメリカンなキャンディーを壁一面に飾ったり、だいぶエキセントリックだったかもしれません(笑)。

家は茨城県のど田舎だったので、最先端のものも華やかなものが何もなくて、空気も重く暗い感じがしていたから、余計に派手なものに夢中になったんだと思います。まわりの風景を眺めながら、「なんで新しく作り直したり、ピンクにしたりしないんだろう」と思っていて。とにかく自分が幸せになれる、自分が自分でいられる空間を作ろうとしていました。

自由な発想は祖父の影響も! 自分の世界を持っている人です

子どものころの写真:ののちさん提供
──学校は合わなかったけれど、家では自身の好きな世界を思い切り深めていたんですね。小さいころに影響を受けた人はいますか。

ののちさん:おじいちゃんかな。おじいちゃんは独特な「自分の世界」を持っている人で、いろいろなことに興味がある人。船やキャンピングカーを持っていたり、別荘も持っていたり……。本も好きだし、料理も調理師免許を持っているくらい上手で、「テディベア博物館」を自作したこともあったんですよ! 小さいころはよくおじいちゃんに連れられて、キャンピングカーで那須高原や林道湖に行ったり、いろいろな博物館にも行きました。それでいろいろな世界を見せてもらっていました。

──素晴らしい体験をしてきたのですね。

ののちさん:そうなんです。ただ、やっぱりそういう体験も学校ではわかってもらえなくて。私が通っていた学校では、「土日に出かけたところを発表する」という時間があったのですが、私が那須高原や博物館に行ったことを話しても、「ふうん」「知らない、変なの」と言われて終わり。いい反応はなかったので、つまらなかったですね。

大学では“ぼっち”を避けるため、着たくない服も着ていました

ののちさん公式インスタグラムより
──その後の中学、高校はどんな感じでしたか。

ののちさん:あまり変わらず、ほとんど友だちはいなかったですね。ただ、大学に行くことを決めてからは自分を変えることにしました。というのも、大学は友だちがいないと成立しないと思ったんですよ。資料集めやペアワーク、プレゼンテーションなどもグループワークだということで。

だから上京してひとり暮らしをするときに、自分の個性は一回抑えようと決心しました。それで今までの服やインテリアも全部捨てて、その代わり、着たくはないけれど「普通に見える服」を何着も買って……。私は戻る場所を残すといつまでも振り返ってしまうので、全部捨てて退路を断つタイプ。ただ、そうやって決心して大学に入ったのですが、専門が「本当にやりたいこと」ではなかったこともあって、どうしても周りと話が合わなくて。

──専門はどんな内容だったのでしょうか。

ののちさん:主には英語です。もともと英語は大好きで、得意でもありましたが、実はギリギリまでファッション系の学校と迷っていて。ただ、うちは母子家庭だったこともあって、将来を考えたら4年制の普通の大学を出たほうが就職に有利かと思い、4年制大学にしたんです。

でも、やっぱり進路は自分がやりたいことで選ばないとダメですね。結局入学したら、これは本当に当たり前なのですが、英語をやりたくて来てる人ばかりで。みんな英語で政治の話を始めたりして、普通に「話が合わなくてごめんね」と思っていました。大学時代は無駄ではなかったけれど、これから進路を選ぶ方には、ぜひ自分のやりたいことで進路を選んでほしいです。

全部「たしかに!」って思うから、ママに反抗したことは一度もない

子どものころの写真:ののちさん提供
──ここまでお話を聞いてきても、聞くのも話すのもののちさんはバランスが良いと感じます。心がけていることはありますか。

ののちさん:全然バランスよくないですよ! 私は自分が「たしかに!」と思ったことしか取り入れないんです。例えば、「その服、派手じゃない?」と言われても、自分が派手だと思わなかったら流しちゃう。でも、「その服が青ならもっとよかったね!」と言われて、自分も「たしかに青ならもっと良かったかも」と納得したらその意見は入ってくる。全部自分の「納得感次第」(笑)。納得できない意見は耳に入ってこないから、「ひどいこと言われた!」などと思うこともなくて。

それでいうと私はママに反抗したことが1回もないんです。それはママが言うことは全部「たしかに!」って思うから。ちゃんと理にかなっていて、「そのとおり!」と思えることを言うから、「うるさっ!」などとも思ったことないです。

──そう思える親子関係は素敵ですね。最後に、ののちさんが「大人」について考えていることや、過去に大人に「してもらってよかったこと」があれば教えてください。

ののちさん:「大人」というより、「人間」には本当にいろいろな種類の人がいるな、そして全員自分とは違う存在だ、ということを考えますね。バレエの世界も年齢は関係なし。実力やその人が考えていることがすべてだったので、大人だから、子どもだからということはないです。

私が大人……ママにしてもらって感謝しているのは、「行きたい!」と言えばすぐにどこにでも連れていってくれたこと。というのも、私はあまり「これ欲しい!」と物をねだったりはできなかったんですね。高いかな、なんて気を遣う子どもだったので(笑)。だから代わりに、「公園に行きたい!」とか、「○○に行きたい!」とお願いしていたのですが、いつもすぐに全部叶えてくれました。「そうなの? じゃあ行こう!」って。私は昔からウジウジと悩んですぐ行動できないことがあるのですが、私と性格が正反対のママは行動力がすごいんです。すぐに動いてくれたので、それが本当に嬉しかったです。

私は子どものころから持っていた個性を、大学時代に一度抑え込みましたが、最近再び取り戻すことができました。実は中身は何も変わっていないのですが、今はそれをそのまま出せるようになって嬉しいです。みなさんに実際にお会いして、背中を押してもらえましたので、みなさんにも自分がもともと持っている個性を大切に、幸せになってほしいと思います。
ののちさん公式インスタグラムより
写真引用:「ののち」Instagram(@nonochiiidechi
PROFILE
ののち

2023年、SNSで「犬系彼女が泣いてしまいました」という動画が話題を集め、一躍有名に。その後はコスメ、ファッション系インフルエンサーとして活動、別人級に変化するセルフメイク術が人気を集める。現在も自身が考えるさまざまな『かわいい』にチャレンジする動画を投稿している。

インスタグラム:@nonochiiidechi、TikTok:@nonochiiidechi、YouTube:@nonochiiidechi
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