【第2回】この夏だけの特別企画！　「黒魔女チョコの　魔界で!?修行日記」スペシャル連載

「宿題かんぺき魔法？」

2025.07.28

「おい、チョコ。なにやってんだ」

「なにって、宿題かんぺき魔法をかけるんだよ。呪文は……」

「無理」

え？

「修行中の見習い黒魔女に、宿題かんぺき魔法はかけられないの」

「な、なんで？」

そうしたら、ギュービッドは、鼻の穴をぷかぁっと広げて。

「宿題は全世界の子どもの敵だ。一瞬でかたづけるには、めっちゃ魔力が必要なの。プロの黒魔女でも、あたしレベルじゃないと、かけられない黒魔法なんだよ」

プロの黒魔女とか、あたしレベルとか、自慢がひどすぎます。って、そんなことより。

「だったら、いいです」

「は？」

「たとえ黒魔法を使うにしても、宿題は自分の力でやるもの。人にやってもらうんじゃ、意味ないもん」

すると、ギュービッドのお顔が、みるみるまっ赤に。そして。

「アホ、バカ、マヌケ、おたんこなす、すっとこどっこい、それでもおまえ、黒魔女か！」

うわっ、急にどならないでよ！　みなさんもお気をつけください。この黒魔女、見た目は美人でも、口がオヤジなみに悪いのです。

「黒魔女っていうのはな、人を呪ったり、人間にできないことを黒魔法でズルするものなんだよ！」

だからいやなんですけど。

「宿題かんぺき魔法をいやがる見習い黒魔女なんて、聞いたことがないぜ。こりゃあ特訓が必要だな」

と、特訓？　

「今日は金曜だし、明日は学校は休みか。だったら……」

は？　なんか、いやな予感。

「よし、これから魔界で、特訓合宿をはじめる！」