ドラマ『天狗の台所』出演・塩野瑛久 「求められる自分」になるため一つずつ課題をクリアして実現した俳優の夢

BS-TBS 木曜ドラマ23『天狗の台所』愛宕有意役 塩野瑛久さんインタビューVol.2

ライター:山口 真央

撮影/水野昭子(講談社写真映像部)
月刊漫画誌「アフタヌーン」(講談社)にて連載中の大人気漫画『天狗の台所』。

天狗の末裔である14歳の飯綱(いづな)オンが、同じく天狗の末裔で隠遁生活をする兄・基(もとい)のもとで、日本の豊かな自然や食生活を学ぶ、癒やしの兄弟物語です。

そんな『天狗の台所』のドラマがいよいよスタート。天狗の末裔でありながら、都会暮らしを楽しむ愛宕有意(あたごゆい)を演じるのは、塩野瑛久(しおのあきひさ)さん。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の出演も決定している、若手実力派俳優です。

インタビューVol.2では、塩野さんの子ども時代のお話や、夢を叶える秘訣を伺いました。

「求められる自分」になるために積み重ねた芸能生活

──ドラマ『天狗の台所』の撮影中は、オン役の越山敬達さんからも頼られる「兄貴肌」な一面を見せていたそうですが、子どもの頃の塩野さんは、どんなお子さんでしたか。

塩野瑛久さん(以下塩野、敬称略):小学生のときは、元気に遊ぶときもあれば、静かなときもあったかな。やんちゃに遊ぶ一方で、実は絵を描くことも大好きで、ハマった少年漫画をせっせと模写していました。一人の時間も楽しめる子だったと思います。

ただ、ちょっとこじらせていた時期があって。僕の実家はクレープ屋を営んでいるので、中学生になると友達から「クレープ屋に行ったよ」とか「クレープおいしかったよ」と話しかけられることが増えました。

僕はそれが当時すごく恥ずかしいというか嫌で。「俺への話題はクレープ屋だけですか」って、思春期モードが大爆発していました(笑)。

今なら、みんな、僕と仲良くなるためにみんなあえて話の糸口として話題をふってくれていたと分かりますし、本当にもったいないことをしました。そのくせ、休み時間はなんとなく所在ない気がして、学校中を徘徊していたこともありました。
──話題作に続々と出演され、2024年には大河ドラマ『光る君へ』などご出演も決まっている塩野さんですが、夢を叶える秘訣を教えてください。

塩野:実は『天狗の台所』の撮影中に、敬達くんと「将来の夢」について話しました。中学生で、オーディションでドラマの準主役の座を勝ちとるのはすごいこと。「次はこんなお仕事をしてみたい!」という敬達くんの話を聞いて、すごく新鮮な気持ちになりました。

自分の経験を振り返ると、夢を叶えるために努力したというよりは、周りから求められる自分になるために、課題を一つ一つクリアしてきたというほうが近いかなと思います。メディアに出はじめのころは、「俳優」と「モデル」の違いもわからないぐらいでした。

いろいろな機会をいただいて学ぶうちに、17~18歳のころから、自分はその中でも「役者」を本格的に極めたいと思うようになりました。

夢を大きく掲げると無謀な感じがしてしまうけど、小さな目標を一つずつ乗り越えていけば「なりたい自分」になれるのかもしれません。自分もまだ、通過点にいると思っています。
──ありがとうございました。最後に、ドラマを楽しみにしている人にメッセージをお願いします。

塩野:『天狗の台所』は、ゆったりとした時間が描かれる、癒やしのドラマです。忙しい日々に疲れたら、ぜひこのドラマを観てリラックスしてほしいです。

ドラマを観たご家族が「田舎に行ってみたい」「古民家でトウモロコシを食べたい」と思ってくれたら最高です! ぜひご家族で楽しんでください。
ドラマ『天狗の台所』

ニューヨークに住む14歳の飯綱オン(越山敬達)は、ある日、自分が天狗の末裔で、1年の隠遁生活が必要と告げられる。

オンは、兄・基(駒木根葵汰)が暮らす里で、しぶしぶ生活を始めることに。そこでオンを待っていたのは、豊かな農村の暮らしと、そして基のつくるおいしい料理の数々だった──。

徐々に心を通わせていく兄弟と、それを取り巻く、愛宕有意(塩野瑛久)をはじめとする愉快な人々との、ハートフルな「天狗」物語。

2023年10月5日木曜日 夜11時より、BS‐TBSにて放送。
塩野瑛久(しおのあきひさ)

1995年1月3日生まれ。東京都出身。劇団EXILEのメンバー。2013年「獣電戦隊キョウリュウジャー」に出演し、その後映画「HiGH & LOW THE WORST X」やドラマ「来世ではちゃんとします」シリーズ、「かしましめし」などが話題に。10月よりBS-TBS「天狗の台所」、読売テレビ「ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜」が放送スタートとなる。また2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』に一条天皇役で出演。
取材・文/山口真央
撮影/水野昭子(講談社写真映像部)
ヘアメイク/佐藤玲奈
スタイリスト/橋爪里佳
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