新シリーズ『悪役なんて、ごめんです!』が5月14日(木)に発売!
ドキドキ★ハラハラのマジカルファンタジーが、5月14日(木)にいよいよ発売するよ! タイトルは
『悪役なんて、ごめんです!』
作者は月白ナナコ(つきしろななこ)先生。絵をたんとうしているのはおにぎりもちゃこ先生です!
ある日、わたし、紫藤(しとう)ルリカは気づいてしまった。
ここが前世で好きだった少女マンガ【きらゆめ】の世界で、その中の登場人物になっていることに……!
これって物語の世界に「転生」してるってこと!?
このわくわくのストーリーをはやくみんなにも読んでもらいたくて、無料のためし読みを公開しちゃいます!
まずはおはなしの第1章!
「都市伝説と前世の記憶(きおく)」をぜひぜひ、ためし読みしてみてね!
マンガの中の登場人物だと知ってしまったらーー
あなたならどうする?
1 都市伝説と前世の記憶
「都市伝説? トイレの花子さんみたいな?」
小学校の帰り道、横断歩道の前で信号待ちをしていると、親友のマナがニマニマ笑いながら楽しそうに言った。
「そうそう。でもそういうお化けみたいなのじゃなくて、この世界の秘密っ。」
マナはこわい話とかオカルト系の本が大好き。
図書室でもそういうのばっかり借りてくるんだよね。
私は夜眠れなくなっちゃうから、あんまり好きじゃないの。
だって、ちょっとこわいじゃん。
「なにそれ。まさか、実はこの世界は宇宙人にのっとられてる! とか言いだすんじゃないよね?」
「ちがうちがう。そんなんじゃなくてね……いや、でもちょっと似てるかな?」
もったいぶったようにフフッと笑い、ようやく信号が青になった横断歩道を小走りでわたったマナ。
そういうのってそこで話止められると、すごく気になる。
「ねぇ、もういいから早く教えてよ。」
「ルリカはせっかちだなぁ。あのね、この世界には実は魔法使いがいるって話。」
「…………」
思わず絶句(ぜっく)しちゃった。
お化けとか都市伝説が好きっていうのと、魔法使いを信じてるのって、またちがう話な気がするんだよね。
私の頭の中には、日曜朝に放送しているアニメの魔法少女たちが浮かんでいる。
世の中の女の子の大半が、小さいときに一度はハマりそうなやつ。
「さすがにそれは……園児でも信じないんじゃ……。」
「いや、それが本当にいるらしいの。この世界にはほんの一握りの魔法使いがいるんだって。そして実は陰(かげ)から世界をあやつってるっていう都市伝説。聞いたことない?」
マナの顔はきわめて真剣で、冗談(じょうだん)を言っているような感じじゃない。
魔法使いなんているはずないと思う。
……いないよね?
「うーん……私は聞いたことないな。」
そう自分で言った瞬間(しゅんかん)ーー。
なにかがピリッと頭に浮かんだ。
でもそれは一瞬で消えて。
「そっかー。ルリカも知らないか。」
そのときはマナも私も笑っていたのに。
――まさか、ほんとにあるだなんて。
このときの私は、ほんのちょっぴりだって思っていなかったんだ。
「ただいまぁ。」
「お、ルリ、おかえり〜。」
家に帰ると、リビングから声がした。
リビングのテレビでゲームをしていたのは、お兄ちゃん。
名前は涼(りょう)。
私より一学年上の中学一年生。
兄妹おそろいのうす茶色の髪(かみ)はさらさらストレートで、ぱっちり二重 。
アイドル並みの顔で背が高く、小学校時代からモテモテの自慢(じまん)のお兄ちゃん。
中学に行ってもモテモテ具合は変わらない……いや、プレゼントや手紙の数がハンパないから、たぶんさらにモテてるはず。
でもバスケばっかりしてるの。
「お兄ちゃん早いね! なんで?」
私より帰りが早くなることなんてめったにないから、うれしくて声が弾(はず)む。
周りのみんなは、兄妹ではケンカばっかりとか全然話さないとか言うけど。
我が家はそんなことなくて。
お兄ちゃんはいつだって私にやさしいし、かっこいいんだよ。
「今日は先生たちが会議だから早帰りだったんだ。部活もないしな。」
「え、じゃあ私もゲーム入っていい!?」
「もちろんいいぞー! ロクも入ってるからいっしょにやろうぜ。」
お兄ちゃんがゲームを中断して、私の頭をぐりぐりとなでた。
ロクさんは、お兄ちゃんの友だちでオンラインのゲーム仲間。
学校は別だけど、小学校のときの習い事で仲良くなったんだって。
私は会ったことないんだけど、よくいっしょにゲームをさせてもらってる。
手を洗って、自分の部屋でゲームをオン。
さらに、ボイスチャット専用のスマホアプリを起動。
ヘッドセット(ヘッドホンとマイク)を装着(そうちゃく)して接続して……。
『ルリちゃん、おかえり。』
「ロクさん、ただいまです。」
お兄ちゃんの声を合図に、三人で大きなモンスターの討伐(とうばつ)に繰り出す。
『ルリちゃん、いまのカバーうまいっ!』
「ロクっ、そっちねらってきてるぞ!」
「回復アイテム出しますっ。」
――討伐を終えたとき、がちゃりと玄関の扉が開く音がした。
「あ、ロク、これで終わりかも。母さん帰ってきた。」
『おう、じゃあまたな。ルリちゃん、またね。』
「はい。ロクさん、お疲れ様でした。」
そう言ってゲームは終了。
我が家のゲーム時間は、お母さんが仕事から帰ってくるまでって決まってるの。
ちょうど終わったところでよかった。
ロクさんはいつもたくさんほめてくれる。
会ったことないけど、お兄ちゃんが、
『ロクは目立たないようにしてるけど、実はめちゃくちゃ……いや、内緒(ないしょ)だ! おまえはまだちびっこのままでいればいい!』
って、前に言ってた。
別に私はちびっこじゃない。
お兄ちゃんがおっきいだけ。
顔も知らないロクさんだけど、ちょっとあこがれちゃってる。
声も言動も、大人っぽいからかもしれない。
「ただいまー。ルリカ、手紙来てたけど……なにこれ?」
廊下(ろうか)を歩くお母さんの声で、私もリビングに移動する。
「おかえりなさい。」
「おかえり〜。」
「あれ、涼がいる。帰るの早いね。」
「今日は部活ないんだよ。」
お母さんは買い物袋を置きつつ、私に手紙をわたした。
我が家は両親とお兄ちゃんの涼、私ルリカの四人家族。
でもパパは海外で仕事してるから、一年に二回くらいしか帰ってこないの。
私たちも海外でくらしてたんだけど、お兄ちゃんが小学校に上がるときに日本に帰ってきたんだって。
私、海外で生活してた記憶、あんまりないんだよね。
パパだけ『パパ』呼びなのは、一度『お父さん』呼びしたら泣かれちゃったの。
お姉さんになったみたいでさびしいんだって。
なにそれって思ったけど、まぁいっかってそのままになってる。
お母さんが冷蔵庫に野菜をしまいながら、声をかけてきた。
「ルリカ、懸賞(けんしょう)でも応募したの?」
私に手紙なんて来ることないから、お母さんがそう思うのも当然だよね。
「応募なんてしたことないよ。うわぁ、立派な封筒……封蠟(ふうろう)がしてあるのなんてはじめて見た。」
たしか封蠟って、わざわざ溶かしたろうそくをたらして封をするんだよね。
手紙の宛名(あてな)はたしかに私。
でもそれ以外に、差出人もなにも書いてない。
意地悪な内容が書かれてたりしたら、ショックなんだけど。
「不幸の手紙だったらどうしよう。」
「俺が見てやろうか?」
「……ううん。自分で開ける。」
なんだかこわくて、心臓(しんぞう)がどきどきする。
おそるおそる封を開ける――。






























































