『紫藤ルリカ様 このたび、あなたは新年度より「天煌学園」への入学が許可されましたことをお知らせします。』
だって。私、受験もしてないのにどういうこと?」
意味がわかんない。なんにもしてないのに入学許可って?
中学受験なんてこれからなのに。
首をかしげていると、お母さんとお兄ちゃんが目を見開いてこっちを見ていた。
「ル、ルリカ……それっ! 天煌(てんこう)グループの特別教育機関よっ!」
「へ?」
「知らないのか? 天煌グループっていったら世界最大の財閥(ざいばつ)だぞ⁉」
お兄ちゃんたちが、キラキラした目で手紙をのぞきこむ。
すごい! ってよろこんでる。
私はわけがわからなくてポカンとしていた。
でも。
ピリッと頭痛(ずつう)がした。
(天煌学園……天煌学園……なんか聞いたことある気が……。)
頭の中で繰り返していたそのとき。
突然頭に浮かんできた、知らないビジョン。
次から次に流れてくる、見たこともない映像。
(なにこれ……っ。)
「うわ、やっぱり『紫藤ルリカ』がボスで出てくるのかぁ。それにしても【きらゆめ】ほんっとおもしろい!」
いまとはちがう世界。
いまとはちがう環境(かんきょう)で、『わたし』はたしかに生きていた。
(これ……前世の記憶だ! じゃあいま私はーー物語の世界に転生してるってこと⁉)
ぶわっと頭の中に記憶が流れてくる。
お母さんとお兄ちゃんがはしゃぐ中、流れこんでくる膨大(ぼうだい)な記憶に耐えられなかったみたいで……私は意識を失った。
――【きらめく色彩の夢幻庭園(むげんていえん)】、略して【きらゆめ】。
前世で、大ヒットをとげた少女マンガ。
アニメ化はもちろん映画化までされて、『わたし』は【きらゆめ】が大好きだった。
そのマンガの中の世界では……一般人は知らないんだけど、実はごく一部の魔法使いが裏(うら)から世界を大きく動かしてるの。
魔法使いを育て、束ねるのが世界的企業『天煌グループ』。
マンガの舞台は、その養成機関(ようせいきかん)『天煌学園』。
ヒロインが難事件(なんじけん)を解決しながら、たくさんの男子生徒ときずなを深めていく。
恋愛と魔法と陰謀(いんぼう)で胸キュン、ハラハラ、ドキドキの最高におもしろいマンガ。
そして、『紫藤ルリカ』はーー。
史上最強と言われるほどの魔力を持ち、ヒロインの前に立たちふさがる。
学園を支配し、混沌(こんとん)の渦(うず)におとしていく。
(――私……最強の悪役だっ!?)
パチッと目を開けたら――見知らぬベッドの上だった。
どうやら突然倒れたことで、病院に運ばれたみたい。
お母さんとお兄ちゃんはすっごく心配してたけど、検査の結果は異状(いじょう)なし。
病院を出て家に帰ってからも、二人は心配そう。
「全然元気だから心配しないで!」と二人に笑いかけて、自室に戻った。
そして部屋で一人になったとたん。
――机の前で頭を抱えた。
二人を心配させまいと笑っていたけれど。
「……どうしよう!?」
思い出してしまった信じられない記憶の数々に。
――頭の中がぐちゃぐちゃだよ!
【第2回につづく】
いったいどういうこと~~~!?
次回のためし読み公開は4月21日(火)! 楽しみにしていてね!































































