作:はやみね かおる 絵:長谷垣 なるみ
校長からひとこと
「密室殺人」というのは、ミステリ書きにとって、呪われた夢ですね。「密室殺人なんて、もう古いよ」「ワクワクしない」「すでに書き尽くされてる」……ええ、わかってます。でも、何年かに一度は、書きたくなってしまうのです。また、ぼくは児童書で殺人事件を書かないという決まりのようなものを持っています。これは、青い鳥文庫で書くとき「殺人事件は書いちゃダメ」と言われた(『オリエント急行殺人事件』とか出てますけど)のと、紙の上でのこととはいえ、人を殺す覚悟がないからです。以上2点の思いからできたのが、この『鬼腕村の殺ミイラ事件』です。
大中小探偵クラブに、あらたな依頼がまいこんだ! 今回の依頼は、鬼腕村に受け継がれてきたミイラ信仰の謎を調べること。鬼腕村では、古くから伝わる言いつけを守らないと、ミイラが鬼に変わって村に災いを起こすという--。そして、調査を開始した彩矢たちの前に、つぎつぎとおどろくべき出来事が! はやみねかおるの本格ミステリー・シリーズ、第2弾。
発売日 | 2016/03/10 |
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価格 | 定価:円(本体680円) |
ISBN-13 | 9784062855426 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 288 |
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美琴 @Z5HHR
美琴 @Z5HHR
【この投稿はネタバレを含みます】
続きを見る人柱という習俗を知ったのはアニメ「まんが日本昔ばなし」で見た『キジも鳴かずば』でした。当時、幼心に受けた大きな衝撃は今も心に残っています。 かつてみんなのために人柱となった鬼頭源助の想いを胸に、現代を生きる人たち幸せになるように事件を解決していく。 夢水清志郎から風街先生へ、そして法難くんから大中小探偵クラブへと、名探偵の精神「みんなが幸せになるように事件を解決する」という信念が受け継がれていく過程に込み上げてくるものがありました。法難くんは民俗学者としての美学があり、その彼に恵理人くんが憧れているのも素敵な連鎖です。