──それはもしや……。
赤間 はい。読んだ方が、「怪盗クイーン」シリーズのキャラクターRDのことだと気づいてくださったみたいです。
──それをきっかけに、児童文学の世界とAI研究をつなぐ前代未聞のプロジェクトが立ち上がったのですね。赤間先生が、初めてはやみね作品に出会ったのはいつですか?
赤間 小学校2年生か3年生のころ、学校の図書館で紹介してもらった、「名探偵夢水清志郎の事件ノート」シリーズの『そして五人がいなくなる』だと思います。
『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート1』
(著:はやみね かおる 絵:村田 四郎)
赤間 当時、学校の図書館に唯一置いてあった漫画が「名探偵コナン」で、夢中になって読みました。そこからミステリー作品にハマり、はやみね作品に出会ったんです。はやみね先生の書かれる本ってすごく分厚いので、読んでも読んでも終わらないっていうのがすごく楽しかった記憶があります。
「夢水清志郎」シリーズから読み始めた私が「怪盗クイーン」シリーズを知ったきっかけが、青い鳥文庫20周年企画ではやみね先生と松原秀行先生がコラボした、『いつも心に好奇心! 名探偵夢水清志郎清志郎VSパソコン通信探偵団』(著:はやみねかおる、著:松原秀行、絵:村田四郎、絵:梶山直美、2000年9月25日発売)で、RDがクイーンの獲物として盗まれるお話でした。私が「人工知能」という存在を初めて意識したのが、たぶんこの作品だったと思います。
──その話は「怪盗クイーンからの予告状」です。『怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーンエピソード0』に収録されているお話ですね。
『怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーンエピソード0』(著・はやみねかおる、絵・K2商会)
世界一の怪盗を鮮やかにサポートするRDへの憧れ
──赤間先生は「怪盗クイーン」シリーズ、そして「RD」のどんなところに惹かれましたか?
赤間 クイーンがとにかくカッコいい。強くて、美しくて、真っ直ぐで。ちゃんと主人公が最後までヒーローとして描かれているっていうのが、本当に大好きなところです。
RDで特に印象に残っているのが、クイーンをつかまえるために倉木研究所にやってきた上越警部が、人工知能について、RDの開発者である倉木博士にたずねたシーンでした。