「Ane♡ひめ キャラ♡フェス」開催決定! 女児向け市場のプロ編集長の考える「かわいい」とトレンドの行方

おともだち・たのしい幼稚園・Ane♡ひめ3誌編集長 浅野聡子インタビュー3

ライター:小川 聖子

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「プリキュア」「すみっコぐらし」「ちいかわ」「おぱんちゅうさぎ」……。幼児誌や小学生向けのコンテンツに欠かせないのは、子どもたちが大好きなキャラクター。

2012年よりこども事業部で女児向けの付録や誌面を担当し、キャラクターを活かした多くの企画でヒットを飛ばしてきた現編集長・浅野聡子。キャラクターがどのように人気になって広まっていくのか、今注目しているキャラクターなどについて聞きました。

大人の女性のトレンドが子どもたちにも降りてくる

──2024年の現在、キャラクターを取り巻く現状についてどんなふうに見ていらっしゃいますか。

浅野さん vol.1でもお話しましたが、今は「(何かの)オタクであることは普通のこと」という状況になったなと感じています。

私も含め、今の40代が子どものころは、なかなか堂々と「アニメが好き」「マンガが好き」とは言えない雰囲気があったと思いますが、今は全然ありませんよね。大人でも「このアニメが好き」「このアニメイベント行ってきた」って、気軽に言いやすい、良い時代になったと思います。

自分が好きなものを素直に好きと言える時代であるからこそ、今までになかったようなキャラクターが受け入れられるなど、キャラクターの世界も非常に多様化していると感じています。

──人気が出るキャラクターというのはわかるものですか。

浅野さん 「すみっコぐらし」を例にあげれば、子どもたちの間でここまでヒットする前に、大人女子の間でヒットしていたことが大きいと思います。それがだんだん子どもたちに降りてきた。

撮影で会う子どもたちの中に「すみっコぐらしが好き」って言ってくる子が出てきたり、グッズを持っている子が現れて、「あ、これはもう、子どもたちにもくるな」っていうのは雰囲気でわかりました。

今、キッズファッションのトレンドにも「くすみカラー」があったりするのですが、これももともとは大人のトレンドだったものが降りてきたもの。

親も「子どものものだから、なんでもいい」というのではなく、「母子ともにかわいいと思うもの、好きなものを選びたい」という感じになっているので、子どももトレンドに敏感だし、非常に目が肥えている気がします。

キャラクターも同じで、大人が「かわいい!」と反応したものに、子どもたちも気が付いて、幅広い世代に広がっているのが今の流れ。

実際「ちいかわ」も、最初にお母さんたちのほうが「かわいい!」って反応して、それが子どもにも広がって……というパターンだったんです。

やっぱり「お金を出すのは親」っていうのもありますから、「子どもはすごく好きなんだけど、実は私はイヤなのよね」というキャラクターでは広がらない。

「なんなら私もこのグッズなら1個欲しいな」と思わせるようなキャラクターが自然に広がっていくし、規模も大きくなります。

「おぱんちゅうさぎ」などもそんな例だと思いますが、子どもの世界と大人の世界があまりパキッと分かれていない、親も子もどちらも好きになれるキャラクターや世界観というのは今売れるためのポイントだと思います。

──昨年20周年を迎えたプリキュアシリーズも、今は親子で推しているという話もよく聞きます。

浅野さん まさにそうです。初期のプリキュアは子どもたちが熱狂して、子どもたちが勝手に好きで……というのが大きな流れだったかと思いますが、今はそんな世代が親になって、子どもと一緒に楽しんでいるというケースも聞きますし、さらにそれとは別に、私たちの編集部にもいるのですが、普通に働いている大人の女性が「大好きなんです!」とグッズを集めたり、コラボカフェに行ったりしているという話も聞きます。本当に幅広い層に人気があるなと感じています。

私たちもこれから「キャラ♡フェス」を通じて、そんな幅広い層に愛されるキャラクターを育てていきたいと考えていますので、どうぞ注目していただけたらと思います。

浅野編集長に聞きました!

Q:最近、パワーを感じたキャラクターは?

【推しの子】のアイちゃん

撮影やオーディションで会うキッズモデルの子たちがこの1年、「すみっコぐらし」や「シナモロール」など定番の人気者の名前とともに「【推しの子】のアイちゃん」の名前をよくあげていました。

「【推しの子】」はアニメ化もしていますが、実は全然子ども向けのお話ではないですし、親だったら「ちょっと見せないでおこう」というようなハードな内容も含まれるもの。

だから、実際に本編を見ている子は少ないと思うのですが、では何で知っているのかというと、「TikTok」なんです。

みんな、YOASOBIの楽曲と共に流れてくるアイちゃんのビジュアルにノックアウトされてるんですね。「ものすごくかわいい! 目に星が入ってる!!」って。

あの短い数十秒の中で、子どもの心を捉えるのはキャラクターのパワーでしかないので、改めてアイちゃん力に驚きました!

Q:現在注目しているキャラクターは?

1)おしゃれ☆まほうがっこう

「おともだち」で昨年から連載しているナカムラアヤナさんのキャラクターなのですが、彼女の描くものは本当におしゃれ! 

私が言う「おしゃれ」とは、最新のトレンドを押さえているとか、ファッションイラストっぽいという意味ではなく、子どもたちが大好きなものでありつつ、ちゃんと今っぽさを押さえている、時代感があるという意味なんです。

彼女はそれができているので、どんなテーマでお洋服を描いてもらっても、めちゃくちゃかわいくて大人が見てもときめく。私もお洋服が大好きなので、見ていて本当に楽しいんです。

2)ハチは星ミツ屋さん

SAKAE&するばさん(@2saKae5)という作家さんがXで連載している「ハチは星ミツ屋さん」という作品。

ここに出てくる星ミツ屋さんの「ハチ」と元気いっぱいの「アップ」というキャラクターがとてもかわいいので、現在「おともだち」でも連載をお願いしています。

SAKAEさんには、「おばけのケーキ屋さん」という絵本があって、子ども向けではあるのですが、むしろ大人に支持されて口コミで広がって……という経緯があります。

独特の魅力を持った絵には、強さと共になんとも言えない「エモさ」もあるのですが、この「エモさ」があるからこそ、大人にも支持されるのだなと思います。
おしゃれ☆まほうがっこう
ハチは星ミツ屋さん

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おがわ せいこ

小川 聖子

Seiko Ogawa
ライター

東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。

東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。