俳優・駒木根葵汰「富士山の見える古民家で兄弟みたいに過ごしたひと夏」 ドラマ『天狗の台所』で見せた「お腹いっぱい」な努力とは
BS-TBS 木曜ドラマ23『天狗の台所』飯綱基役 駒木根葵汰さんインタビューVol.1
2023.10.03
ライター:山口 真央
天狗の末裔である14歳の飯綱(いづな)オンが、同じく天狗の末裔で隠遁生活をする兄・基(もとい)のもとで、日本の豊かな自然や食生活を学ぶ、癒やしの兄弟物語です。
そんな『天狗の台所』のドラマがいよいよスタート。主役の基を演じる駒木根葵汰(こまぎねきいた)さんは、天狗の末裔にぴったりの透明感で観る人の心を摑む、いま大注目の若手俳優です。
インタビューVol.1では、ドラマ『天狗の台所』の撮影秘話や、共演の愛宕有意役の塩野瑛久(しおのあきひさ)さんや飯綱オン役の越山敬達(こしやまけいたつ)さんとのエピソードを紐解きます。
ひと夏「兄弟みたいに」過ごした居心地のいい撮影現場
駒木根葵汰さん(以下駒木根、敬称略):撮影は今年7月、富士山のよく見える古民家でおこないました。最初は何もなかった古民家に、スタッフさんが細かく世界観をつくり込んでくれて。日本家屋のあたたかくて、どこか懐かしい雰囲気ができあがっていき、気分が盛り上がりました。
なかでも、古民家の奥にある、オンの部屋が居心地良くて。愛宕有意役の塩野瑛久(しおのあきひさ)くんと、飯綱オン役の越山敬達(こしやまけいたつ)くんと3人で、休憩時間にゴロゴロしながら台本やスマホを見てる時間が最高でした。あの部屋は、僕たちの溜まり場でしたね(笑)。
また、僕は「天狗」という役どころで、多くはなかったのですが背中に「羽」をつけて演技をするシーンもありました。羽が横に張り出しているので、あちこちにひっかかってしまわないように、演技以外ではカニ歩きをしていました笑。
駒木根:撮影の1ヵ月は、三兄弟みたいに過ごしていました。僕と敬達くんが下らないことでいじり合っているのを、塩野くんが見守ってくれることが多かったかな。
塩野くんは、敬達くんの扱いを心得ているんです。中学生男子の肩の力を抜く方法を熟知していて、頼りになりました。
思い出深いことと言えば、敬達くんの虫嫌い。自然が多い場所での撮影だから、もちろんいたる所に虫がいて。敬達は虫を見つけるたびに、泣くほど怖がっていました。
酷いときは、撮影に影響が出てしまうくらいで。やばいと思った塩野くんと僕は「頑張ったら一人前の大人として認めてやる!」と、日々敬達の気持ちを盛り上げました。
その甲斐あってか、最終日のころには、鼻の頭に虫がとまっても芝居を続けられるくらいに敬達くんが成長して。ドラマもニューヨーク育ちで都会っ子であるオンが、田舎暮らしに馴染んでいくお話ですけど、敬達くんの姿ととてもリンクしていたなと。その背景を知ったうえで観てもらえたら、さらにドラマを楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
駒木根:食べるシーンの演技は、今までやったことがないので、今回勉強になりました。おにぎりって簡単に、パクッと食べられそうじゃないですか。でも具材によっては、飲み込みづらいものもあるんです。セリフを言うタイミングから逆算して、量を調整するのが大事だと学びました。
あと記憶に残っているのは、チャーハンのシーン。僕の演じる基は、普段は冷静なのに相当な食いしん坊。彼の食い意地を表現したくて、がっついて食べました。それを何テイクも繰り返したので、もう一生分のチャーハンを食べたって言えるかも(笑)。ドラマを観て「お腹が空いてきた」って言ってもらえたら、一番うれしいです。
ドラマ『天狗の台所』
ニューヨークに住む14歳の飯綱オン(越山敬達)は、ある日、自分が天狗の末裔で、1年の隠遁生活が必要と告げられる。
オンは、兄・基(駒木根葵汰)が暮らす里で、しぶしぶ生活を始めることに。そこでオンを待っていたのは、豊かな農村の暮らしと、そして基のつくるおいしい料理の数々だった──。
徐々に心を通わせていく兄弟と、それを取り巻く、愛宕有意(塩野瑛久)をはじめとする愉快な人々との、ハートフルな「天狗」物語。
2023年10月5日木曜日 夜11時より、BS‐TBSにて放送。
駒木根葵汰(こまぎねきいた)
2000年1月30日生まれ。茨城県出身。高校生時代、SNSでスカウトされ芸能界に。2021年、スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』にて主役の五色田介人/ゼンカイザー役を演じ話題に。次作の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』にも出演を果たし、異例の2年連続レギュラー出演に。2023年ドラマ『星降る夜に』ではチャーリーこと犬山正憲役で話題となった。2023年10月からはBS-TBS「天狗の台所」、BSテレ東「たそがれ優作」が放送スタートとなる。特技は空手とバスケットボール。文化放送「レコメン」に月曜パーソナリティとして出演中。
撮影/水野昭子(講談社写真映像部)
ヘアメイク/佐藤玲奈
スタイリスト/橋爪里佳