
【井浦新】「本といえば図鑑」! 古代文明、UMA…すべての興味の原点は幼少期の“夢中体験”
講談社の動く図鑑MOVE15周年記念特別インタビュー
2025.11.05
井浦新さん
1974年生まれ。98年に是枝裕和の監督作「ワンダフルライフ」で映画初主演。
以降映画を中心にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。また映画館を応援する「MINI THEATER PARK」、アパレルブランド〈ELNEST CREATIVE ACTIVITY〉ディレクター、サステナブル・コスメブランド〈Kruhi〉のファウンダーを務めるなど、その活動は多岐にわたる。![]()
井浦さんの「夢中体験」とは?
目次
幼少期は「古代」「UMA(ユーマ)」に夢中
こうした古代文明体験があったから、大人になって土器や土偶のおもしろさに気づいて美術が好きになりましたし、国内外の遺跡をめざして旅をしているのも、環境問題に興味を持ったのも、きっかけは古代文明。僕のベースですね。
もうひとつは未確認生物、いわゆるUMA。僕が小学生だった80年代、ネッシーやツチノコ、雪男など、謎の生きものの特集番組がテレビでよく放送されていたんです。「なんだ、これは!」と、その不思議な世界に魅了されていました。
子どものころから、本といえば図鑑
当時大流行した「ジャガーバックス」という変わり種の図鑑シリーズで、写真のインパクトに一気に惹きつけられました。本を開いて興味のあるもの、知らなかったものに出会う。「本って、こんなに夢中になれるんだ」という初めての体験でした。
だから今でも僕の中では「本といえば図鑑」。新しい出会いや知恵を得られて、興味のあることを掘り下げるには、図鑑がいちばんだと思います。美術でも図録ばかり買いますし、遺跡でも植物でも資料をまとめたような本が好きです。MOVEもたくさん持っています。
子どもには“興味の種”をまく
ただ、僕が“興味の種”をまいたのは歴史だけではなく、生きものや自然、美術など、あらゆる種。子どもたちがいつでも手に取れるように、僕の好きな図鑑や資料はすべてリビングに集めていて、“趣味の図書館”状態です(笑)。きっかけは与えられても、何に興味を持つかは子ども次第なんですよね。もし、僕が両親から「図鑑を読みなさい」と言われていたら、きっと読まなかったと思います。
けれど、自分から興味を持って初めて手にした図鑑は今でも大事にしているし、ずっと掘り下げています。自分から興味を持たないと続きませんから、どう子どもたちに伝えていくといいのか、今も模索中です。
古代文明への興味は尽きない
縄文・弥生・古墳と3つの時代を学ぶと、飛鳥・平安と必然的にどんどん興味の対象が積み上がっていくし、その時代の信仰や美術にも派生していきます。世界史も掘り下げたくなって、興味は尽きません。
エジプトは古代文明のハイライトすぎてまだ行けていませんが、必ず行きたい場所のひとつです。不確かで目に見えなくて、子どものころから楽しみ続けているのに、知れば知るほど広がって完結できない古代文明。終わりのない楽しみを得たことを幸せだなと思います。
MOVEを持って旅に出よう!
ただ、そこで満足するのではなく、僕ら読者はMOVEを超えていかないといけないんですよね。MOVEでの出会いをきっかけに旅をしたり、フィールドに出て実際に体験したり、「本物を知ること」その出会いのきっかけが図鑑の最大の楽しみ方。例えば昆虫に興味があるのなら、実際に出会える場所へ出かけて観察するのもいいと思います。
MOVEがボロボロになるほど、一緒に旅に連れていってあげてください!
井浦さんお気に入りの図鑑MOVEのタイトルは?
「古代文明のふしぎ」
子どものころから、今もずっと楽しみ続けているワンダーな世界。僕の興味が詰まった最高の一冊です。
「世界の探検」
古代文明や遺跡は旅の動機にもなります。トルコの遺跡「ギョベクリ・テペ」は、次に行ってみたい場所です。
「まぼろしの生きもの」
初めて買った図鑑も、ネッシーやツチノコなど不思議な生きものの世界。形を変えて今もあるのは嬉しいです。![]()
写真/水野昭子
取材・文/星野早百合



































































