モグラたたきゲームとたまごっちが「売れ続ける理由」 新商品企画・開発担当者にインタビュー

2大ロングセラー玩具の新商品企画・開発担当者が爆売れの秘密と最新作の魅力を明かす

テレビマガジン編集部

1996年に発売された「初代たまごっち」  ©BANDAI

メインターゲットが高校生から小学生へ

──たまごっちの歩みについても教えていただけますか。

株式会社バンダイ  村上 朝咲氏(以下、村上)

たまごっちの進化の歴史は大きく3つの時期に分かれています。1996年に大ブームを巻き起こした初代たまごっちが「誕生期」です。

このシリーズは女子高生を中心にヒットしたのですが、そこから少しずつ小学生向けにシフトチェンジして、友達同士で赤外線通信ができる機能を追加しました。これが「ツーしん期」で、現在のZ世代後半くらいのユーザーに楽しんでいただきました。

そこから筐体の液晶がモノクロからカラーに変わり、よりお世話を充実させつつ、Bluetooth通信、本体同士をタッチする通信機能など、技術的な進化が多様になった時期が「カラー期」です。

──現在は「カラー期」が続いているんでしょうか?

村上
はい、現在も「Tamagotchi Smart」などカラー筐体は販売しており、メインターゲットの小学生の他、先ほどお話ししたたまごっち第1世代、第2世代もご購入いただいている状況です。その他にも、2021年に売り切れ続出となった『鬼滅の刃』とのコラボレーションなど、キャラクターコラボがメインのモノクロ筐体「Tamagotchi nano」シリーズも販売しています。

一方で欧米では、「初代たまごっち」・「新種発見!! たまごっち」をローカライズした「Original Tamagotchi」、カメラ機能を搭載した「Tamagotchi Pix」シリーズも取り扱っていたりと、展開するシリーズが幅広くなっていますね。

──そんなに種類が豊富なんですね! ちなみに、累計でどれぐらいの個数売れているんでしょう?

村上
2021年9月時点で、約8,500万個販売しています。

──こちらもすごい数です。
「ツーしん期」にブレイクした「かえってきた!たまごっちプラス」  ©BANDAI

長年愛される秘訣は、時代に合わせて進化していること

──たまごっちシリーズが25年間愛され続ける理由はなんだと思われますか。

村上

たまごっちとしてのアイデンティティを守りながら、時代に合わせて進化している点にあるのではないかと思います。

たまごっちと言えば、「卵型で3つボタン」「お世話しないとキャラクターが死んでしまう」「お世話の仕方でいろいろなキャラクターに成長する」という共通の認識がありますよね。

そこを守りつつ、例えば時代によっては赤外線通信で友達のキャラクターと結婚させられたり、Bluetooth通信でアプリとつなげ、アプリの世界へキャラクターを飛ばして知らないユーザーともキャラクターを結婚させ、結婚したキャラクターの見た目を取り入れたたまごっちを育てられる機能もありました。

そういった新技術を常に取り入れ、ターゲットや時代に合わせて展開をしているところが、ヒットが継続している理由ではないかと思います。

──ユーザーは今は小学生がメインになりますか。

村上

カラー筐体に関しては小学生がメインです。そして、ユーザーのうち7~8割が女子ですね。キャラクターとコラボした「Tamagotchi nano」や「Original Tamagotchi」など、モノクロ液晶のシリーズは、大人の方にも楽しんでいただいています。

特に最近の「平成レトロブーム」でたまごっちが注目されることが増えていて、10代後半~20代のユーザーが急増しているんです。

初期や「ツーしん期」のシリーズで遊んでくれた方たちが大人になって、話題のアニメやキャラクターコラボのアイテムから改めて好きになっていただくことも。大人に改めて好きになっていただけるタッチポイントは増やせていると思います。

──ちなみにキャラクターコラボですと、これまでどれが一番売れたんでしょう?

村上

やっぱり『鬼滅の刃』のインパクトはすごかったです! 海外では、『スター・ウォーズ』のシリーズもかなり人気があります。また、2023年2月には「Tamagotchi nano」から『ONE PIECE』のコラボたまごっちも発売されるので、ぜひ期待いただきたいですね。
たまごっちと鬼滅の刃がコラボした「きめつのたまごっち」  ©️吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable ©️BANDAI
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