『ウルトラセブン』放送55周年 ウルトラセブンの戦いは続く!

『ウルトラセブン』55周年スタート 特別記事

テレビマガジン編集部

1967年10月1日に、円谷プロとTBS製作の「空想特撮シリーズ」第3弾として放送が始まった『ウルトラセブン』。

ウルトラアイを着眼してウルトラセブンに変身するモロボシ・ダンにはもちろん、日本じゅうの子どもたちがウルトラ警備隊の一員になりたい、とあこがれる社会現象を巻き起こした伝説の作品だ。今にいたるまで、その人気は冷めやらない。

その人気のひみつにせまる『ウルトラセブン』考察シリーズ、今回は「その後のウルトラセブン」!
最終回で改造パンドンを下し、満身創痍のセブン。夜明けが迫るなか、故郷へと去る。「西の空に明けの明星が輝くころ、一つの光が宇宙へ飛んでいく……」  ©円谷プロ

『ウルトラセブン』最終回のその後で

今回は『ウルトラセブン』の後日談、またはその影響の大きさについて見ていきましょう。

振り返って、1967年の時点でTBSと3クールの予定で制作が進められていた『ウルトラセブン』は、その反響の確かさから1968年にはいって10本の追加制作が決定、全49話(現在、第12話は欠番)でその世界観を燃焼し尽くしました。

肉体的な消耗による命の危険を賭して地球を守り抜いたセブンは、仲間との信頼やアンヌとの情愛を完結させぬまま地球を去ることになります。

金城哲夫の脚本は、物語として見事な帰結点を見いだしていますが、この思い半ばの雰囲気は、熱心な視聴者に不完全燃焼的なイメージを抱かせたとしても、それも仕方のないことだったといえるでしょう。
『帰ってきたウルトラマン』第18話で、宇宙大怪獣ベムスターに敗れたジャックに、ウルトラブレスレットを持ってきたウルトラセブン。エピソードタイトルも「ウルトラセブン参上!」。  ©円谷プロ

ウルトラセブンのゲスト出演はなぜ多いのか?

それが影響しているのか、1971年に始まる「第2次怪獣ブーム」によって「ウルトラマンシリーズ」が確立すると、ウルトラセブンは有力なゲストとして、さまざまな作品にたびたび客演することになります。

『ウルトラファイト』での登場は、スーツのコンディションを含み、直近のヒーローだからという意味合いもありますが、『帰ってきたウルトラマン』第18話、『ウルトラマンA』第44話、『ウルトラマンタロウ』第5話などでの客演は、『ウルトラマン』最終回に登場したゾフィーを彷彿とさせる、特別感のある扱いです。

そこに、かつての「強いセブン」という印象が働いていることは間違いなく、もしかすると制作スタッフ内にも、無意識に不完全燃焼を感じていた人がいたのかもしれません。
『ウルトラマンレオ』第1話でマグマ星人の操るレッドギラスとブラックギラスに追い込まれるウルトラセブン。この戦いで、モロボシ・ダンは変身能力を失ってしまう。  ©円谷プロ PHOTO/講談社

絶えることのないウルトラセブンの連鎖

その不完全燃焼感を払拭するチャンスが訪れました。

1974年放送の『ウルトラマンレオ』において、モロボシ・ダンが宇宙パトロール隊MACの隊長として、レギュラーで登場することになりました。ダンの登場は演じる森次晃嗣の熱意ゆえでしたが、ウルトラセブンに変身しなくてもモロボシ隊長の存在感は大きく、アンヌ(に瓜二つの女性)の登場を含め、ダンにとっても実りのあるシリーズになっています。

そんなウルトラセブンの人気は、その後も衰えず、『ウルトラマン80』では妄想ウルトラセブンを生み出し、ついに1993年には、放送局を超越することになりました。NHK総合テレビジョンの90分枠、「土曜ドラマ」にて、2週にわたって『私が愛したウルトラセブン』が放送されたのです。

これは、市川森一が脚本を担当した『ウルトラセブン』に関わるスタッフ・キャストの青春期といったノリのメタドキュメンタリードラマで、一般層へのセブン人気の浸透ぶりを感じさせるいい機会になりました。
『ウルトラセブン1999』第6話では、ノンマルトが人類の罪を全宇宙に発信することを求め、守護獣のザバンギを差し向ける。  ©️円谷プロ PHOTO/講談社

ウルトラセブンの新たな挑戦

そして1994年3月、今度は日本テレビ系の1時間枠の特番として、『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』が放送されます。

これは、通産省(当時)のバックアップによって「太陽の日」をアピールするためのドラマで、『ウルトラセブン』と地続きの世界観においてソーラーエネルギーを巡るSFが展開されるもので、やはり満身創痍で登場するセブンが、そのキャラクター性を再び際立たせていました。

その好評により、10月にはダンが登場する続編が放送され、やがて、この2本のビデオソフト化を担当したバップと円谷プロダクションの間で、特番の設定を継続させて50分ほどの『ウルトラセブン』をオリジナルビデオとして制作することが決定します。

このシリーズは、かつての『ウルトラセブン』の設定と精神を受け継ぎながらも1990年代の諸問題も盛り込んだ、大人層も考慮した作劇で、『誕生30周年 3部作』として1998年にリリースされ、その好評ゆえにスケールアップを図った6部作が1999年にリリースされました。

これらビデオ版のシリーズ構成を担当した脚本家、武上純希は、1999年の『最終章 6部作』にて「ノンマルト事件」に踏み込み、それは2002年の『EVOLUTION 5部作』では地球と宇宙を巡る「正義」という主題につながり、セブンの新たな展開は再びの完結を迎えることになるのです。
『ULTRASEVEN X』では、セブンのエネルギーが多元世界に干渉し、侵略に瀕する世界に新たな超人が誕生する。  ©️円谷プロ PHOTO/講談社

ウルトラセブンは永遠に!

そんな、ウルトラセブンの新時代へのムーブメントはさらに続き、円谷プロは2007年のセブン誕生40周年に対応し、深夜帯を想定したセブンのアナザーストーリーを模索することになります。それが、八木 毅が立案した、SF的なキレとスタイリッシュ性を旨とした、『ULTRASEVEN X』なのです。

このシリーズは1クールながら、巨大戦をCGやデジタル合成のみで処理するなど、技術的にも新時代に対応することを目指していて、低予算ながらも斬新な映像を実現した点や本格SFとしての文芸面で評価できるシリーズとなりました。

このように、かつての不完全燃焼感を埋めるべく、ウルトラセブンは長きにわたって活躍して、息子のウルトラマンゼロまでが生まれているのですが、セブン誕生50周年にあたる2017年には、『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』にて、風来坊・クレナイ ガイが変身するウルトラマンオーブのピンチに、ウルトラマンシリーズの“元祖 風来坊”ダンがふらりと現れ、共闘する展開が用意されていました。このときは、関係者も視聴者も、まだまだ完全燃焼には至っていないのだなぁと思ってしまったものです。

しかしそれゆえに、これからもウルトラセブンの活躍は続くことでしょう。まだその雄姿を見続けることができるのが、楽しみでなりません。

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