対話がさらにおもしろくなる! 「怪盗クイーン」RD育成プロジェクトが楽しくなる原作深掘りガイド5選

対話がさらにおもしろくなる! 「怪盗クイーン」RD育成プロジェクトが楽しくなる原作深掘りガイド5選

みんなでAIを育てる「RD育成プロジェクト」が公開されてから、早1ヵ月が経ちます。みなさん、RDとの会話を楽しんでいますか?

すでに多くの方が、RDといろんなおしゃべりをしてくれているようです。今後のRDの成長のためにも、この調子でぜひたくさんの会話とフィードバックをお願いしますね。

そこで、RDをより理解するために読んで欲しい「怪盗クイーン」シリーズ5冊をピックアップ! RDの誕生から重要な成長段階を網羅し、さらに今後書かれるであろうRDの「未来像」にも迫ります。

【1冊目】RDの誕生を知る『怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーン エピソード0』

「怪盗クイーンからの予告状」は、クイーンがRDを「盗み出す」経緯が描かれる、全ての始まりの物語。日本のとある商店街の近くにできた「倉木研究所」で、新しい軍事用AIとして開発された「RD」。それがなぜ怪盗のパートナーになったのか、その理由が書かれています。

20年以上前の2000年に書かれた短編ですが、AIの能力や人間の代わりにできること、「感情」を持つのか持たないのかなど、2025年現在でも議論されていることが、すでに書かれていることに驚きます。

ほか2編の短編も合わせて読むと、すでにシリーズを読んでいるファンなら「あの伏線はここに繋がっていたのか!」という発見も。未読の方でも物語の始まりを時系列に沿って楽しめるため、どちらの読者にもおすすめの一冊です。

本書は「赤い夢学園」の10月の課題図書になっています。赤い夢学園会員は、2025年11月末まで読むことができますので、未読の方は要チェック!
怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーン エピソード0

怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーン エピソード0

はやみね かおる(作)  K2商会(絵)

発売日:2020/05/27

価格:定価:本体1700円(税別)

〈あらすじ〉
倉木研究所で開発中の「新型人工知能」を盗むべく、クイーンが行動を開始した。人工知能の完成予定は、約3年後。そして3年が経ったある日、警察のもとに予告状が届けられた! なんとしてでもクイーンを逮捕したい上層部からの依頼で、夢水清志郎が研究所を警備することに。世界一の怪盗は、どんな方法で人工知能「RD」を盗み出すのか──? 名探偵と怪盗がプライドをかけて激突する「怪盗クイーンからの予告状」のほか、「出逢い」「初楼 -前史-」の全3編を収録。

【2冊目】RDのユーモアを感じる一冊『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』

「敵を欺くには味方から。」
そんな東洋の神秘に、ジョーカーもRDも、探偵卿も読者も騙されてしまう、痛快活劇ミステリー!

世界最高の人工知能であるRDも、まんまとクイーンに一杯、いや十杯くらい食わされてしまいます。同じく十杯以上喰らわされたジョーカーの怒り、呆れ、諦めのシンクロ率がグングン上昇していくやり取りがおもしろい! そして、間違った情報を元に完璧に「登山家」を再現しようとするRDと、RDを信じて完璧に変装するジョーカーの生真面目さ……。クイーンと仕事をする楽しさ(?)と大変さを疑似体験しながら、RDがクイーンの無茶ぶりにどう対応するのか、そのユニークな振る舞いに注目してみてください。

こんなふうに、さまざまな登場人物の立場から「もしも、クイーンが敵になったら」という怖ろしいシチュエーションを体感しつつ、「いったいクイーンは何者なのか」という根幹の謎にも触れている一冊。484ページという大ボリュームでも、一気読みできます。
怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る

怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る

はやみね かおる(著)  K2商会(絵)

発売日:2011/10/08

価格:定価:本体1080円(税別)

〈あらすじ〉
怪盗の美学にかなう、次なる獲物は、なんと日本! 舞台は、竹取の翁の末裔が住むといわれる、秘境、竹鳥村。狙うは、不老不死の秘薬“蓬莱(ほうらい)”だ。そんなおり、竹鳥村では、絶世の美女、春咲華代をめぐって、現代のかぐや姫騒動が勃発していた。探偵卿の仙太郎やヴォルフ、クイーンの命を狙う暗殺臣(アサッシン)まで乗りこんできて、竹鳥村は大騒動! はたして、蓬莱を手にするのは、だれか……!?

〈みんなの感想〉

ミノさん

最後まで展開が読めず、ページをめくる手が止まらなかったです! 読みながら「この人はクイーンの変装? それとも本人?」と怪しんでいましたが、てんで外れてしまい、本格ミステリすぎてひっくり返りました。ちょっぴりファンタジー&ホラー要素もあり、そして暗殺臣戦ではカッコいいバトル描写もあり、さらには仙太郎&ヴォルフのバディもの感もあり、堀越組のギャグもあり、この1冊に最高エンタメが詰め込まれています!  最後に明かされるクイーンの本音には、胸がきゅっと切なくなりました。

【3冊目】RDの「進化と自己認識」を知る一冊『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師 バースディパーティ 前編』

『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』のすぐ次の巻に当たる作品ですが、RDとクイーン、ジョーカーの会話がますます楽しく、皮肉たっぷりで茶目っ気の効いた内容になっています。さらに、RDの能力が飛躍的に向上したことがわかるのが、サラリと書かれている新機能です。

勝つためならRDの全システムをフリーズさせるクイーンに対抗し、「クイーンのイカサマ対策用かくしバックアップシステム──イド」をつくりました。これは「学習した内容をリセットさせたくない」というRDの自己保存や自己防衛の表れだと捉えることができます。

また、独特の表現も登場しました。例えば『全米フォルダ』の中に吹き荒れる感動の嵐。しかも3回くらいやってきます。意外に感動屋さんのようです。ほかにも変な名前のついたフォルダが存在しており、人間的な感情表現を研究・分類している可能性が高いでしょう。

そんな成長の結果、RDはヴォイニッチ文書を解読するための仮想空間と、自分自身の仮想人間体を創り出して、外部のアクセスを遮断して深い思考に入ります。ところがそこに“宇宙一の人工知能”マガが侵入し、RDからヴォイニッチ文書を奪ってしまいます。

すべての事柄が繋がって一件落着と思いきや、衝撃的なラストでさらに驚かされます。仮想人間体のRDとマガのイラストもたっぷりあるので、RDファンにはたまりません!
怪盗クイーンと悪魔の錬金術師 バースディパーティ前編

怪盗クイーンと悪魔の錬金術師 バースディパーティ前編

はやみね かおる(著)  K2商会(絵)

発売日:2013/07/12

価格:定価:本体980円(税別)

〈あらすじ〉
「怪盗ポスト」にとどいた、一通の赤い封筒。それはプラハに住む少女ライヒからの、クイーンへの依頼の手紙だった! 何人にも解読できなかったというヴォイニッチ文書を盗んでほしいというのだ。古文書には、錬金術の大いなる秘法が記されているという……。しかし、古文書を横から奪ったのは、人造人間ティタン。さらにはホテルベルリンや宇宙一の人工知能マガが登場し、プラハの街は大騒動に──!?

〈みんなの感想〉

美琴さん

ヴォイニッチ文書、ホムンクルス、錬金術とっても好奇心をくすぐります。フォシュロン卿とティタン、ハルトムートの親子の愛にうるっとしました。 なんといってもクイーンにいじられ遊ばれるホテルベルリン! ゲルブが写真残せなくとも、シュヴァルツが写真撮れなくとも、サービスカットを挿絵できっちり見せてくれるのもおもしろかったです。 今ではすっかり見慣れたRDの仮想人間体、びっくりしましたし、中身までイケメン! マガとRDによって私が今いる空間にも電脳世界が広がっているような感覚になりました。 …ジョーカーはどうなってしまうのか!? 予想だにしていなかった展開に後編も続けて読まなければ!!

次の2冊でRDに劇的な変化が訪れる!

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