乃木坂46井上和「生きていくことの本質」を感じた作品 5度目のゲスト声優出演!役作りで意識した「独特の存在感」

大人気アニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』にAIの少女「つぐみ」役で出演! 乃木坂46井上和さん特別インタビュー【前編】

ライター:小川 聖子

もともとアニメが好き! 「銭天堂」への参加は過去にも

──もともとアニメやマンガを大好きだったという井上和さん。実はアニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』で声優を務めるのは今回が5度目だそうですね。まずは、再びこの作品に出演が決まったときのお気持ちからお伺いできますか。

井上 はい。実は過去に、にゃぎという役(第112話)や、女中さんの役(第124話)をやらせていただいたことがあります。

私はもともとアニメが好きなので、乃木坂46のメンバーとして活動する中で、こうしてアニメに関わる仕事や、そのほかいろいろな経験をさせていただけることがとてもありがたいと思っています。

その中で、過去にもご縁があった作品に、こうして再びお声がけをいただけるというのは、やっぱり「特別なこと」だと感じていて、お話をいただいたときは余計に嬉しかったです。

──井上さんが演じるのは、銭天堂を狙う謎の人物・六条教授のつくったアプリに登場する「つぐみ」という名のAIの少女です。人々の悩みを解決するアプリだそうですね。どんなふうに役作りをしていきましたか。

井上 「AI」ということだったので、他の作品のAIのキャラクターなどもいろいろ見たのですが、「AIならでは」の空気感は確かに人間とは少し違うんですよね。

「それをどう演じたらいいんだろう」ということはとても悩んだのですが、まずは頂いた映像で、つぐみが動いている姿をひたすら何度も何度も見て、動きや雰囲気というものをできるだけ感じ取ろうとしてみました。

映像があるというのは、アニメ作品の良さですよね。

AI独特の存在感を意識しました

──つぐみはどんな存在だと思いますか。

井上 つぐみはAIなので、人間らしさが詰まった「銭天堂」とは反対にいる存在だと思います。

ただ、悩んでいる相手の「相談相手」としてしゃべっているつぐみは、ニコニコして、みんなに寄り添って、話す内容も優しかったり、良いことだったりします。

だから、そんな表面を見て感じるつぐみ像と、実際はAIであるというキャラクターの本質のようなものは、本当はとても離れているというか……。

現場では、AIらしくしゃべることより、そんな外側と内側の「違い」を意識することを大切にするように(監督さんに)言われたので、そのことを感じながら演じていました。

役作りで大変だったことはたくさんあるのですが、まずこのキャラクターに限らず、アフレコ自体がまだまだ未知の経験で。

もちろん私はアニメも好きですし、「やってみたいな」という夢はありましたが、いざマイクの前に立って、「3秒後に自分のセリフだ!」と思うと、練習してきたものの、声が上手く出せるかなとか。キャラクターがしゃべっている映像に合わせて話すのも大変で、いっぱいいっぱいになってしまいました……。

周りのキャストさんやスタッフさんにはたくさんご迷惑をおかけしたのですが、苦戦しつつもみなさんに助けていただいて。

まだまだ未熟な私ですが、みなさんがリラックスできる場を作ってくださったので、力は出し切れたのではないかなと思っています。

生きていくことの「本質」が子どもにも伝わる作品だと思います

──井上さんが考える、『銭天堂』という作品の魅力について教えてください。

井上 私の場合は、「この時間に絶対見る!」と決めていたというより、ふとテレビをつけるとやっていて、つい引き込まれて見てしまう……というのがこの作品との出会いでした。

怖いところもありますが、空気感は温かくて、お菓子の力でファンタジックなことが起こっても、最終的には自分の決断が大切だというところが、「人間が生きていくってこういうことだよね」という本質的なところを伝えているようでハッとさせられます。

純粋に面白くて見ているうちに、「今ある現実ってありがたいよね」とか、「自分の力でなんとかしなきゃ」といったことに、子どもたちが自然に気づけるところもいいなと思っています。
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