【ためし読み③】新シリーズ『悪役なんて、ごめんです!』が読めちゃう!

ファンタジーフェア第1弾『悪役なんて、ごめんです!』のためし読み第3回! (2/4) 1ページ目に戻る

青い鳥文庫編集部

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王子様みたいな人がニコッと笑うと、女子生徒からキャア! と歓声(かんせい)が上がった。

「ようこそ、天煌学園へ! 僕は中等部三年の生徒会長、北見俊哉(きたみとしや)

こっちは二年の副会長、西園寺(さいおんじ)

魔法だなんていきなり言われて、信じられないのもムリはない。僕らも入学時はそうだった。

ではここで一つ、僕が魔法の存在をお見せしよう。」

王子様みたいな人が生徒会長で、黒髪メガネの人が副会長か。

そして私たち一年生のカラーがで、二年生のカラーが、三年生のカラーがってことね。

よし、覚えた!

みんな、生徒会長の華やかな容姿に目を奪(うば)われてる。

そんな中、私はなぜか地味そうな副会長が気になっていた。

彼を見ていると、彼もこちらを見ているような……気がする。

西園寺副会長は──私に向かって、かすかに笑みを浮かべた。

……いや、そんなはずないんだけど!

そんなふうに見えてしまって、どきんと心臓(しんぞう)が飛びはねちゃった。

「では──そこのきみ。そう、二列目正面の男子。

配られたその案内資料、破ってみてくれ。」

北見生徒会長は指差した男子生徒に指示を出す。

「え、でも。」

「いいから早く。」

「は、はいっ。」

ビリビリビリッ

資料を破った男子は、なにがなんだかわからずおどおどしている。

生徒会長はにっこりと笑いながら手をグーにして、彼に向けた。

そうすると……半分になった資料がふわりと浮かび、一つになった。

つまり、破る前に完全に戻ったのだ。

みんながポカンとした顔で、「え。」と言った。

「これは初歩的な魔法だ。きみたちも半年以内に使えるようになる。」

ポカンとしたあとにざわつきだす生徒たち。

それでも我々(われわれ)はいまどきの中学一年生だ。

その程度でだまされはしないのだよ(だましてないんだけどね)!

たとえ、生徒会長の顔がよすぎだろうとも!

……ダメだ。

生徒会長の顔のよさで、すでに生徒の三分の一くらいは信じていそう。

「あとから学園内の見学があるから、上級生の様子を見るといいよ。

では、すてきな学園生活を!」

生徒会長たちが手を振りながら舞台袖(ぶたいそで)に下がっていった。

アンコールでもはじまりそうなほど、またしても歓声が上がっている。

「なぁなぁ、あれほんまかなぁ?」

となりに座っていた女の子が私の耳のそばでささやいた。

しゃべり方が関西ふうのイントネーションでかわいいし、人のよさがにじみ出てる。

「え? ……どうだろう。でも本当だったらどうする?」

「それは……ちょっと楽しいよな!?

うち、勉強得意ちゃうのにこの学校に選ばれてしもて、なんでやろ~って思てたから……

そういう理由のほうがまだ納得できる。」

クスクス笑った彼女はショートカットで活発そうな女の子。

「うち、井上(いのうえ)アイ。よろしく。」

「うん、アイちゃんよろしくね。私は紫藤ルリカ。ルリでもルリカでも呼びやすいほうで。」

「呼び捨てしてもええ?」

「もちろん!」

「じゃあルリカって呼ぶわ。オリエンテーション楽しみやなぁ!」

アイちゃんはすごくフレンドリー。

さっそく友だちができてうれしい!
 
そうやってひそひそと話していると、校長先生が再び神妙(しんみょう)な顔で前に出てきたものだから、みんな静かになった。

ステージ上の演台には、まあるい大きな水晶玉。

私はまたしてもごくりと息をのんだ。

……これからが勝負だよ!
勝負って、いったい何がおきるの!?
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