「ようこそ、天煌学園へ! 僕は中等部三年の生徒会長、北見俊哉(きたみとしや)。
こっちは二年の副会長、西園寺(さいおんじ)。
魔法だなんていきなり言われて、信じられないのもムリはない。僕らも入学時はそうだった。
ではここで一つ、僕が魔法の存在をお見せしよう。」
王子様みたいな人が生徒会長で、黒髪メガネの人が副会長か。
そして私たち一年生のカラーが赤で、二年生のカラーが青、三年生のカラーが緑ってことね。
よし、覚えた!
みんな、生徒会長の華やかな容姿に目を奪(うば)われてる。
そんな中、私はなぜか地味そうな副会長が気になっていた。
彼を見ていると、彼もこちらを見ているような……気がする。
西園寺副会長は──私に向かって、かすかに笑みを浮かべた。
……いや、そんなはずないんだけど!
そんなふうに見えてしまって、どきんと心臓(しんぞう)が飛びはねちゃった。
「では──そこのきみ。そう、二列目正面の男子。
配られたその案内資料、破ってみてくれ。」
北見生徒会長は指差した男子生徒に指示を出す。
「え、でも。」
「いいから早く。」
「は、はいっ。」
ビリビリビリッ
資料を破った男子は、なにがなんだかわからずおどおどしている。
生徒会長はにっこりと笑いながら手をグーにして、彼に向けた。
そうすると……半分になった資料がふわりと浮かび、一つになった。
つまり、破る前に完全に戻ったのだ。
みんながポカンとした顔で、「え。」と言った。
「これは初歩的な魔法だ。きみたちも半年以内に使えるようになる。」
ポカンとしたあとにざわつきだす生徒たち。
それでも我々(われわれ)はいまどきの中学一年生だ。
その程度でだまされはしないのだよ(だましてないんだけどね)!
たとえ、生徒会長の顔がよすぎだろうとも!
……ダメだ。
生徒会長の顔のよさで、すでに生徒の三分の一くらいは信じていそう。
「あとから学園内の見学があるから、上級生の様子を見るといいよ。
では、すてきな学園生活を!」
生徒会長たちが手を振りながら舞台袖(ぶたいそで)に下がっていった。
アンコールでもはじまりそうなほど、またしても歓声が上がっている。
「なぁなぁ、あれほんまかなぁ?」
となりに座っていた女の子が私の耳のそばでささやいた。
しゃべり方が関西ふうのイントネーションでかわいいし、人のよさがにじみ出てる。
「え? ……どうだろう。でも本当だったらどうする?」
「それは……ちょっと楽しいよな!?
うち、勉強得意ちゃうのにこの学校に選ばれてしもて、なんでやろ~って思てたから……
そういう理由のほうがまだ納得できる。」
クスクス笑った彼女はショートカットで活発そうな女の子。
「うち、井上(いのうえ)アイ。よろしく。」
「うん、アイちゃんよろしくね。私は紫藤ルリカ。ルリでもルリカでも呼びやすいほうで。」
「呼び捨てしてもええ?」
「もちろん!」
「じゃあルリカって呼ぶわ。オリエンテーション楽しみやなぁ!」
アイちゃんはすごくフレンドリー。
さっそく友だちができてうれしい!
そうやってひそひそと話していると、校長先生が再び神妙(しんみょう)な顔で前に出てきたものだから、みんな静かになった。
ステージ上の演台には、まあるい大きな水晶玉。
私はまたしてもごくりと息をのんだ。
……これからが勝負だよ!





































































