【ためし読み③】新シリーズ『悪役なんて、ごめんです!』が読めちゃう!

ファンタジーフェア第1弾『悪役なんて、ごめんです!』のためし読み第3回! (3/4) 1ページ目に戻る

青い鳥文庫編集部

いまからなにが起こると思う?

これね、魔力検査なの。

ちょうど一年前──全国の六年生を対象に血液検査があったの。

お兄ちゃんもやったって言ってた。

普通の健康診断だと思ってたんだけど、実はこれ、天煌グループが魔力がある人間を探すための検査だったってことを、マンガの記憶から思い出した。

検査結果をもとに魔力ありを天煌学園に集め、オリエンテーションではじめて正確な魔力量を測る。

【きらゆめ】の世界では、この魔力検査で『紫藤ルリカ』は水晶玉が破裂(はれつ)しかけるほどの、史上まれに見る魔力量をたたき出すの。

でも、私はこの魔力検査で普通レベルの魔力量じゃなきゃいけない。

そのための準備は──してきた!

次々に名前が呼ばれていき、水晶玉にふれていく。

淡くほんの少しだけ光ったり、黄色い色がついて蛍光灯くらいの明るさで光ったり。

「次。白峰(しらみね)ハルトさん。」

その名前を聞いた瞬間(しゅんかん)、私は目を見開いた。

──白峰ハルトって……主人公彩乃の仲間の一人だ!

彼が水晶玉に手でふれると、白く、そしていままでで一番強く光った。

それから、出るわ出るわ、彩乃の仲間たち。

青瀬(あおせ)ユウマ緋山(ひやま)ジン……それぞれ、名前にある色のとおりに水晶が光った。

その【きらゆめ】こと【きらめく色彩の夢幻庭園(むげんていえん)】は、主要登場人物の名前に色が入ってる。

私も『紫藤』で紫が入ってるから。

だから私が掲(かか)げた目標は──。
① 魔力量を少なく見せる!

② 名前に色が入った人たち(色つき男子)とは関わらない!

③ 悪役にならないように気をつける!
この三つ。

君子危(あや)うきに近寄らず、って言うじゃない?

いつなにがあって敵(てき)になるのかわからないんだから、近寄らないのが一番。

だって──。

悪役なんて、絶対ごめんですから!

悪役の末路(まつろ)なんて、わかりきってる。

最終的に倒されて終わり。

私はいままでどおり平々凡々(へいへいぼんぼん)に、周囲に溶けこむような感じで生きていきたいの。

前世の『わたし』は中学生のときに病気で死んじゃったみたいだから、今回は長生きしたいし。

悪のボスなんて、私には荷が重すぎるよ。

「次。紫藤ルリカさん。」

「はい。」

緊張(きんちょう)して、手に汗が……。

え、これで水晶玉にふれたら、私の手汗がついちゃうかも。

変なことを気にしながら、そっと水晶玉にふれる。

ふわっとうすい水色の光が浮かび──すぐに消えた。

「はい。紫藤さん、いいですよ。次──。」

……やった。

やったよ~~っ!

魔力量調整、大成功だった!

ルリカの魔力は本当は名前のごとく、紫に光るはずだった。

目も開けられないほどのまぶしさを会場中に放つはずだった。

でも、すっごく平凡なうすい水色で、スッと消えた。

完璧(かんぺき)っ!

制服の下にぶら下がっているネックレスをぎゅっと握りしめる。

これのおかげで、無事思いどおりに調整できたことがうれしくてたまらない。

第一関門突破だよ!


──彩乃と『ルリカ』の戦いが激化(げきか)しはじめるとき……つまり、五年後くらいに、とある研究が発表されるの。

きっかけは、小さなジュエリーショップだった。
ルリカのネックレスがもつパワーとは……?
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