「家族」という言葉にどういう意味を持たせるのか
今振り返ると、「育ってきた環境が似ている」と思い込んでいたからこそ、私たちはお互いの違いを受け入れるまでに時間がかかったのだと感じます。表面的なスペックは似ていても、目に見えない「家族とはこういうもの」という前提に、深い溝がありました。
その違いに気づいてからは、日々のコミュニケーションに一つだけ「手順」を加えることにしました。たとえば、私の祖父母に贈り物をしたいとき、勝手に進めるのではなく、「祖父母に贈り物をしたいけれど、どうかな?」と事前に夫へ相談するようにしたのです。
夫は、贈り物をすること自体が嫌だったわけではありません。「私がさも当たり前のように、私のルールで物事を進めること」に違和感を抱いていただけなのだと、ようやくわかりました。
私たちの中には、無意識のうちに身についた「当たり前」が無数に存在しています。結婚してそれが衝突したとき、どちらが正しいかを競っても答えは出ません。
お互いの「前提の違い」を知ったうえで、今度は自分たち夫婦としての新しい「当たり前」を作っていくこと。それが、異なる環境で育ったふたりが、本当の意味で家族になっていくプロセスなのだと実感しています。
文/構成・橘サチ


































