【スマホやゲームを離さない・隠し事をしている】思春期の子どもの「危ないサイン」の見抜き方と対処法 保健室の先生が回答

保健室の先生はどう対応する? 子どもの危ういサインの見極め方と対処法 #2 (3/3) 1ページ目に戻る

隠し事の中でも、金銭関係は親の深いかかわりが必要です。  写真:KeyRabbits/イメージマート
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〈お金に関する隠し事をする子〉はここに注意!

隠し事の中でも、金銭関係は親の対応が必要でしょう。ただし、お金の問題といってもその背景にはいろいろな出来事があるので、まずは事実を正確に把握することが大切です。

〈お金に関する隠し事〉親の対応が必要なケース

・家族のお金を盗む、親のクレジットカードを使う。
・お小遣いの使い道を答えられない。
・ゲームソフトなど、見慣れないものが部屋にある。
・金遣いが荒くなった。

「金銭問題にはさまざまな背景があります。遊びたいためにお金を盗んだり、いじめられて金銭を要求されている場合もあります。

あるケースでは、仲間外れにされたくないために、相手の好みのものを万引きしてプレゼントをしていた例もありました。

子どものお金の使い方が気になったときは、日常会話の中でなんとなく聞いてみるほかに、金額が大きかったり、子どもの様子が落ち着かない場合は、静かな部屋でしっかりと話す場を作って会話をしてみることも大切です。

子どもと話すときは、まずは『今、起こっていること(事実)を把握する』ように心がけてください。ここで厳しく言い聞かせようとすると、子どもはもっと口を閉ざしてしまいます。

また、子どもから話を聞いたあとは、『話してくれて、ありがとう』と、子どもが勇気を出してくれたことをいたわる言葉もかけてあげましょう。

友人関係に課題がある場合は、親子の会話の話題として、友だちとの付き合い方を話してみるのもおすすめです。

いじめにつながっていたり、金額が大きかったり、隠し事が繰り返される場合は、家庭での問題解決が難しいことがあります。このような場合は、学校や警察(生活安全課など)が相談先になるでしょう」(相樂先生)

学校の先生やスクールカウンセラーを頼るときのコツ

子どものことを相談できるタイミングとしては、学校が計画的に行う『定期面談』と、必要に応じて設定される『臨時面談』があります。その場で解決できなくても、先生に気になる情報を共有することで予防的に関わることができたり、専門家につながることができたりするので、活用するといいでしょう。

ただし、急の場合はこの限りではないので、すぐに学校に連絡してみてください

子どもを話し合いの場に連れていくかどうかについてですが、子どものことなので、子ども自身が話をする(聞く)機会を作ることはとても大切です。

親御さんと一緒に面談を受けるか、別の機会に親子別々に設定するのかなどは、事前に先生と検討しましょう。また、相談の場に行く前には、子どもに『一緒に先生のところに行ってみる? 一人で行ってみる? どうするかは決めていいよ』と我が子に尋ねて、本人の意向を聞いてあげてください

注意点は、子どもを無理やり連れていかないことです。子どもにストレスを与え、事態の悪化を招く可能性が高いので、強引な同行は避けてください。

そして、『何ができるのか、何をしていけばいいのか一緒に考えようね』というスタンスを親御さんは心がけましょう。親子で取り組む姿勢が問題解決につながっていきます」(相樂先生)

***

子どもが思春期になると、親子間ではある一定の距離が必要です。しかしだからといって、親はすべてを手放していいとは限りません。子どもの言動によっては、親がしっかりと関わり、我が子の生活やメンタルを整えていくことが大切です。

親御さんは、子どもが出す危ういサインをいち早く汲み取れるので、我が子に気になることがあった場合は、生活全体を観察して、対応すべきかどうか見極めてみましょう。それが子どもを精神的にも身体的にも健康に導いていくヒントになるはずです。

取材・文/梶原知恵

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◆相樂 直子(さがら なおこ)
創価大学大学院教職研究科教授
北海道教育大学教育学部養護教諭特別別科修了、筑波大学大学院人間総合科学研究科生涯発達科学専攻博士(カウンセリング科学)。宮城県公立中学校養護教諭、茨城県公立小学校養護教諭、筑波大学附属高校養護教諭などを経て、現職。専門は学校心理学、カウンセリング心理学、学校保健。保健室の先生としてだけでなく、小・中学校のスクールカウンセラーや巡回相談心理士としても子どものメンタルヘルスの改善に努めている。

【保健室の先生はどう対応する? 子どもの危ういサインの見極め方と対処法】の連載は、全2回。
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梶原 知恵
かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。