発売後あっというまに重版! 大人気イラストレーターわかるさんが描く 初めての赤ちゃん絵本
「うさぎとくま」のLINEスタンプが大ヒット! わかるさんロングインタビュー
2024.04.12
眠そうなくまさんも、ふきげんなうさぎさんも、ページをめくればみんなにっこり!
絵本の出版が決まった経緯とは? はじめての赤ちゃん絵本制作で、苦労したこととは? 『わらって!』の制作秘話のほか、普段のイラスト制作のことや、子育てのことなどなど、わかるさんファン必見のロングインタビューです。
目次
Twitterのつぶやきから、初の幼児絵本出版へ!
わかるさん:すごく嬉しかったです。しかも、(制作する絵本は)だれ向けでもいいし、内容もやりたいことをやっていいとおっしゃってくれたんです。嬉しい反面、難しいなと思いました。
──その連絡はいつごろきたのでしょうか。
わかるさん:たぶん、おととしの冬あたりだったと思います。1年半か、2年弱くらい前でしょうか。
──元々、絵本を出版してみたいという気持ちはありましたか?
わかるさん:私の子どもが今4歳なんですけど、子どもが生まれて絵本をすごく読むようになったんです。絵を描くお仕事をさせていただいているので、自分も作ってみたいなという思いがここ数年で強くなりました。
赤ちゃんも、おとなも、笑ってほしい
わかるさん:「赤ちゃんってどこまでわかるんだろう」というところが難しかったです。この表現はギリギリ理解できるのか、それともまだ難しいのか。もう1段階上のところまでわかる月齢になっていないと伝わらないだろうか、と悩みました。
──赤ちゃんって、月齢によってもわかることがどんどん変わっていくので、たしかに難しいですね。泣いていたり怒っていたりするキャラクターが笑顔になるという構成や、『わらって!』というタイトルは、すぐに決まったのでしょうか。
わかるさん:すごく考えて悩んだのですが、わたしが描いたイラストで「見た人が笑顔になってほしい」「笑ってほしい」という思いがずっと一貫してあるので、赤ちゃんにもどうかなって思って決めました。赤ちゃんも、笑ってくれたら嬉しいですね。
──表紙についてもおうかがいします。うさぎの顔がドアップなのが印象的ですが、ちいさな子どもに向けた絵本だと、キャラクターイラストの上にタイトル文字をかぶせるデザインは、ちょっとめずらしいなと思います。こだわりがあったのでしょうか?
わかるさん:はじめはかぶらないほうがいいかなと思ったんですけど。まぁでも、イラストが大きいほうが目立つし、いっか!って(笑)。背景の色も通常の作品はペールトーンが多いのですが、はっきりした色でまとめることにしました。
いきなり重版…でも作者は平常心?
わかるさん:うーん、なんだろう……。私のできる範囲は終わったので、無事終わったな、と(笑)。
──SNS上でもたくさん反応がありましたね。
わかるさん:告知してすぐに予約してくださった方や、発売日には書店さんに探しに行ってくださった方から、たくさんDMやコメントが届きました。とても嬉しかったです。
──なるほど。インスタグラムで『わらって!』を赤ちゃんが見て喜んでいる動画などもあがっていました。
わかるさん:赤ちゃんは絵本を見てどう思ってるんだろう、というのはとても気になります。大人からの感想しかもらう機会がないので。実際のところ赤ちゃんは喜んでくれてるのかな?って思います。
──『わらって!』の中で、わかるさんが気に入っているページはありますか?
わかるさん:やっぱり、最後のページですかね。最後にみんなが笑ってるところが一番です。
──寝る前に絵本の読み聞かせをする方も多いですが、『わらって!』はどんなシーンで読むのがいいと思いますか?
わかるさん:そうですね。日中でも寝る前でも、いつでも読んでいただける内容かなと思います。
──わかるさんは、今後もまだまだ絵本制作を続けていきたいとお考えですか? また、もし次作を制作するとしたら、こんな絵本がいいな、というイメージはありますか?
わかるさん:次ももちろんつくりたいです。ストーリーがしっかりあるお話をつくってみたいですね。大泉書店さんから『感情を育てる じぶんのきもち』(渡辺弥生監修)という絵本も出していただいたのですが、少し教育的な実用絵本なので、ストーリーメインの絵本も考えてみたいです。
昔の知人に、まさかの身バレ!?
わかるさん:そうですかね……? そうですね。そういえば、中学生のときにネット上で絵を一緒に描いて遊んだことがある人から、イラストレーターとして活動し始めてすぐに、「これあなたの絵でしょ」って言われたことがあるんです。
──えー! 中学生のころから、絵柄が確立されていたのでしょうか。
わかるさん:何か特徴があったのかなと。それにしても、よくわかったなと思います。
──それはすごいですね。今後「こういう作品に挑戦してみたい」とか、画風をちょっと変えて、「こういうものも描いてみたい」という思いはありますか?
わかるさん:展示会だったり、クライアントワーク(発注を受け、要望に沿った作品を納品すること)だったりで新しく描くものもあるので、少しずつ変化させていっている感じです。特に大きな挑戦をして絵柄を変えようとは思っていないですね。
──画材は何を使われてますか?
わかるさん:主にiPadで描いていて、展示用の作品などは、アクリル絵の具を使いキャンバスに描いています。
──イラスト制作の過程で、好きな作業はありますか?
わかるさん:本当に一番好きなのは、何を描こうか考えるところだと思うんですけど、それはそれで大変なので、何も考えずに塗れる作業が好きです。
子どもの感想はいつだって「いいじゃん」
わかるさん:今は、平日の日中、子どもが保育園に行っている間が多いですね。
──イラスト制作は自宅ではなくアトリエでおこなうとおうかがいしたのですが、家にお仕事は持ち帰らないようにされているのでしょうか。
わかるさん:家でも全然してます、すみません(笑)。夜中も、土日も時間があれば。
──お忙しいですもんね……。ご家族はわかるさんのイラストに対して、感想をくれることはありますか?
わかるさん:子どもは「いいじゃん」みたいな感じです(笑)。
──(笑)。わかるさんの絵の中で、お子さんが好きなキャラクターはいますか?
わかるさん:うさぎですかね。ピンクが好きみたいです。
──新刊の『わらって!』は、お子さんに見てもらいましたか?
わかるさん:はい、見せました。「いいじゃん」って言ってくれました(笑)。
──今、お子さんが4歳とのことでしたが、絵本の読み聞かせはよくされていますか?
わかるさん:そうですね、寝る前にしています。以前、『セブンルール』を観ていたときに、二宮仁美さんのルールの1つに「寝るときに子どもが持ってきた絵本はすべて読み切る」というのがあって、すごくいいなと思ったんです。それで、真似していたら、毎日15冊くらい持ってくるようになっちゃって……(笑)。さすがに読みきれないので、今は2冊までにしてね、と言って毎日2冊読んでから寝ています。
──15冊はすごいですね! お子さんが特に気に入っている絵本はありますか?
わかるさん:日によって違う本を読むことが多いのですが、何回も読んでいるのは『どっせい!ねこまたずもう』(石黒亜矢子作/ポプラ社)ですね。この絵本の影響で、「おすもうしようよ」とよく言われます。
あとは『よしよしよしおさん』(おおのたろう作/ポプラ社)や、昔は『もいもい』(市原淳絵、開一夫監修/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を、読みすぎて「勘弁して」って思ってしまうほど読みました。
──わかるさんがお好きな絵本はありますか?
『ごぶごぶ ごぼごぼ』(駒形克己作/福音館書店)は、シンプルな図形とたのしい音が特徴で好きな絵本です。『ちゃんとたべなさい』(ケス・グレイ作、ニック・シャラット絵、よしがみきょうた訳/小峰書店)、『ゴムあたまポンたろう』(長新太作/童心社)もお気に入りです。
赤ちゃん、笑ってくれたかな?
わかるさん:イラストレーターを始めたときから、すごく大きな何かをしたいっていうよりは、絵を描く仕事を細々とでもずっとできたらいいなっていうのがあったので、続けられたらいいなと思っています。
──それでは最後に、『わらって!』の読者の方へ、メッセージをいただけますか?
わかるさん:えっと……、赤ちゃんにですか?
──すみません、そうですよね(笑)。記事を読んでくださるのは、赤ちゃんのいる保護者の方ですかね。でも、赤ちゃんに向けてでもいいですね。
わかるさん:保護者の方には、読んでくれてありがとうございます、という気持ちです。赤ちゃんに向けては……、「笑ってくれた?」ですかね。
──気になりますね! ぜひ『わらって!』をお子さんに読んでくださった保護者の方は、赤ちゃんが笑ってくれたか、教えてください。わかるさん、今日はありがとうございました。
わかる
ニコニコした顔をシンプルな線で表現したイラストが特徴の、平成生まれのイラストレーター・アーティスト。うさぎとくまのゆるいつぶやきのLINEスタンプで、若者から大人まで、一気に全国的な人気に。その活動は国内だけにとどまらず、ロンドン・スペイン・韓国など、海外での展覧会も開催、好評を博している。著書に「今日は早めに帰りたい」(KADOKAWA)「疲れたあなたをほめる本」(ポプラ社)「感情を育てる じぶんのきもち」(大泉書店)など。また、Xはフォロワー数22万6000人(2023年10月現在)など、SNS上のファンも多数抱え、グッズが完売するなど話題に事欠かない。
ニコニコした顔をシンプルな線で表現したイラストが特徴の、平成生まれのイラストレーター・アーティスト。うさぎとくまのゆるいつぶやきのLINEスタンプで、若者から大人まで、一気に全国的な人気に。その活動は国内だけにとどまらず、ロンドン・スペイン・韓国など、海外での展覧会も開催、好評を博している。著書に「今日は早めに帰りたい」(KADOKAWA)「疲れたあなたをほめる本」(ポプラ社)「感情を育てる じぶんのきもち」(大泉書店)など。また、Xはフォロワー数22万6000人(2023年10月現在)など、SNS上のファンも多数抱え、グッズが完売するなど話題に事欠かない。