澤野秋文の絵本『それなら いい いえ ありますよ』制作日記
第34回 講談社絵本新人賞 佳作受賞からデビューまで 前編
2022.06.28
絵本新人賞に初めて作品を送ってから7年、今回突然の「出版してみませんか」との、ありがたいお話!
初心を忘れてしまわないように、受賞から出版に至るまでの制作日記を書き留めてみたいと思っております。皆様もおつきあいいただければ、幸いです。
「いったい何から始まるのか」と緊張しながらの最初の打ち合わせで、『絵本の構成を少し、直してみよう』というお話になりました。担当編集者の弓引き童子さんが、私が気づかなかったストーリーの、まどろっこしい部分などを指摘してくれます。
これには「なるほど」とうなずいてしまいます。それを受けて、ラフを作り直します。(宿題みたいな感じですね)
普段は会社員をしているので、メールでの連絡が多いのですが、直接お話しすると、微妙なニュアンスが伝わるので、助かります。たまに脱線もしますが、そこから面白いアイデアもでてきます。
鯉のゆ〜っ〜く〜り〜した話し方や、お化けの関西弁、などなど……冗談半分から出た話ですが、そういったディティールが決まると、それぞれのキャラクターがいっそう可愛く思えてきます。
ラフを描きながら「やはり、絵本は絵だけじゃないのだ」と大きくうなずくのでした。