2021.04.23

中学1年生になった妖怪博士から現地報告! 語り継がれる「大蛇伝説」とは?

関本創の妖怪探訪シリーズ 第4回 福島県 沼御前(ぬまごぜん)

著者:関本 創

『小学5年生がかいた ざんねん いがい ゆかいな妖怪事典』(2020年11月 講談社刊)を出版した妖怪博士の関本創(せきもとあらた)くん。彼がこれまで訪れた妖怪ゆかりの地で感じたことや体験談を文章と写真で紹介してくれます。第四回は関本くんの地元・福島県の御前沼です。のどかそうな湖に伝わる大蛇伝説とは?

皆さん、こんにちは。妖怪探究家の関本創です。
今回も僕が訪ねた妖怪スポットの紹介です。第四弾を書いていこうと思います! 最後までよろしくお願いします! 遂に四回目です。初連載の僕がここまで書き続けられるとは思ってもいませんでした。読んでくださる皆様、ありがとうございます。よかったら前回までの連載も読んでみてください。

前回までは、岩手県や新潟県のスポット説明でしたが、今回からは、いよいよ、僕の地元福島県の妖怪探訪が始まります! 今回説明するのは「沼御前(ぬまごぜん)」という大蛇の妖怪です。

その昔、沼沢沼(ぬまさわぬま 現在は沼沢湖)には夫婦の大蛇が住んでおり、人に危害を加えていました。ですがある時、土地の殿様、佐原十郎義連(さはらじゅうろうよしつら)がオスの大蛇の退治に成功します。メスの大蛇は反省したのか、それから大人しくなったというお話です。

このメスの大蛇、普段は美しく若い美女の姿をして水に浸かっており、髪が6メートル近くもあったといわれています。そして、この姿で上半身だけ出してお歯黒をつけていたところ、それを怪しんだ猟師に撃たれてしまった……との伝承が残っています。

今回も兄弟仲よく写真撮影!

また先日、語り部さんのお話を聞く機会がありました。留守番中に言いつけを守らずに蛇の漬物を食べてしまった女の子が蛇の姿になってしまい、家では暮らせないので沼沢湖へ向かう……とのお話でした。ちょっとしたつまみ食いのつもりが蛇になってしまうという、恐ろしく悲しいお話です。沼沢湖はなんとも蛇とのご縁があるようです。
今回は、この沼沢湖と、その近くにある沼御前神社というスポットを訪ねた時のお話です。

沼沢湖のある金山町(かねやままち)と僕の地元はそんなに遠くはありません。車で一時間ほどの距離です。山々に囲まれていて、空気も美味しいのどかな場所です。

鎌倉時代から沼御前の伝説が残っているので怖い印象があり、僕はてっきり、おどろおどろしい湖を想像していました。が……全くそんなことありませんでした! 湖の水は澄んでいてきれいだし、湖水浴をしている人や、キャンプをしている人もたくさんいて、ものすごくにぎやかです(休日だったからかもしれません)。

とても昔、妖怪が出た場所とは思えませんでした。天気が曇り空だったのが少し残念です。気になることが一つありました。この湖の奥にはそれより先には行けないように浮きが張られています。多分、そこから先は深くて危ないのではと思います。

沼御前はまだ生きている、という話も聞いたことがあるので、もしかしたら今も、湖の奥では大蛇が眠っているのかもしれません。

由来が書いてある案内板

後で調べて分かったことですが、沼沢湖では毎年八月に「沼沢湖水まつり」が開催されていて、いかだのレースや、ゲーム大会、そして、湖の上では大蛇退治の野外劇を行っているそうです! 僕も一度は見てみたい! 2020年は残念ながら中止でした。

次に、沼沢湖の近くの「沼御前神社」へと向かいました。

沼沢湖を出て車で数分。(その日は土砂崩れがあり、その影響で歩いてはいけませんでした。)山の中で車を止め、そこから歩いて山道を登りました。

そんなに長い道ではなかったのですが、ところどころに飛び出た木をよけながら歩くので手こずります。神社はあたり一面、木に囲まれていて、とても静かで神秘的でした。まるで無音の世界です。タイムスリップして昔に来たような、時空を超えた場所のように感じます。

その近くには、「沼御前神社の由来」というタイトルで、この神社の説明が書かれています。内容は以下の通りです。

「湖の主は十数メートルにも及ぶ雌の大蛇で、時折村人に危害を加えていた。これを聞いた黒川(若松)の城主・佐原十郎義連は大勢の部下をつれてこの地を訪れ大蛇を退治した。(中略)大蛇の霊を弔うため、その高台に沼御前さまとして神に祀ったと伝えられる。八百年近い昔の話である。 以来、大蛇の霊は美女に姿を変え、神社の前面下方断崖の深い柵状の所で終日機織(はたお)りをしているといわれ明治、大正期には機織りの神さまとして織女(おりめ・しょくじょ)の参拝が多かった(後略)」

沼御前が機織りの神として祀られているというのは、初めて知りました。

深々と一礼

見るからに急な石段

帰り道、あるものを見つけました。行きの道では気づかなかったのですが、神社の近くに、祠が5つ置かれています。中にはお地蔵さんらしきものも彫られていました。大きな神社や祠を、昔の人たちはどうやってこんな山の上に建てたのだろう……不思議に思ってしまいます。

それから…お参りした後に気が付きましたが、僕たちが神社へと向かった道は正式ルートではなかったようです。正面からの道には石階段がありました。階段は、一段一段がかなりの高さがあり、幅も狭かったので、登ったり下ったりは大変そうでした。


沼沢湖&沼御前神社の説明は以上です。沼沢湖水まつりを見てみたいし、沼沢湖で泳いだりキャンプをしたりもしてみたいので、コロナが収束したらまた行きたいなと思っています!

また沼御前神社はパワースポットとしても知られていますが、神聖な場所なので行かれる方は敬意ある参拝をしてくださると嬉しいです。

僕は参拝後、不思議な体験をしました。
家族で参拝したのですが、後日、近所で弟が蛇の抜け殻を見つけてきました! 蛇の形がそのままの抜け殻です! きっと何かの巡りあわせだと思い、今は大切に子供部屋に飾ってあります。沼御前が会いにきてくれたのかな……。


さて、この企画も次が最後。
第五回目は、僕の家の近くにある、超有名妖怪にまつわるスポットの紹介をしようと思っています! 最後まで読んでくださりありがとうございました!!

次回は最終回! 関本くんの地元・福島県の殺生石稲荷神社です。お楽しみに!!

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著者紹介

関本 創 せきもとあらた

関本創(せきもとあらた)
プロフィール 
2008年7月21日、福島県生まれ。NHK Eテレ「沼にはまってきいてみた」やテレビ朝日の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に取り上げられた小学生の妖怪博士。小学4年生で特許を取得。小学5年生で起業し取締役社長を務める。2020年、アマビエキーホルダーを制作、販売。その売り上げのほとんどでマスクを購入し地元医師会や保健所に4000枚寄付。12歳で自費出版本は5冊を数える。