「ゴジばん」は、ファンといっしょにつくっていく作品
小林さん:もともとは、人形劇がメインなので、今でも、オリジナルの作品で、小学校とか児童館、保育園などに人形劇の公演にいっていますね。
ただ、数年前のコロナ禍で、そういった仕事がすべて中止になってしまい、そのおかげというわけではありませんが、今は、「ゴジばん」にすべてを注いでいるという感じですかね。(笑)
コロナ禍が明けて、以前のように人形劇の仕事の依頼はくるようになったのですが、公演にいく時間がなかなかとれず、今は月に数回ぐらいでしょうか。
小林さん:そうですねえ。以前はゴジラの人形劇をやっていましたので、また、できるといいなあと思っています。
ゴジラ映画は、年齢的にも、すこし上の世代に向けてつくられているので、子どもたちが観る機会があまりないんですよ。
その部分を、「ゴジばん」が繫いであげられたらいいなあ、と。
最近は、映画はVFXが主流になっていっていますし、わたしも、そうなっていくのが好ましい流れなのかなと思っています。
ただ、生で観ることも大事かなって。
特撮や造形物、その魅力が活かせるのが人形劇だと思うんです。
イベントでも、実際に使ったパペットを、なでたり、だっこしたりと、子どもたちに自由にさわってもらっています。
CGでつくったものだと、そういうふれ合いはできないですからね。
だから、特撮の魅力を、特撮ファンや子どもたちに伝えていくのが、「ゴジばん」の使命のひとつだと思っています。
小林さん:いつも、「ゴジばん」を観ていただいて、ありがとうございます。
SNSや実際にお会いする機会など、いろんなところで応援していただいてとても励みになっています。
たとえば、子どもたちが、「ゴジばん」の絵を描いてくれたり、大人の女性の方が、「ゴジばん」のリトルとかミニラのソフビに自分でつくった衣装を着せてくれたりと、そういうのを見せてもらって元気をいただいていますね。
ゴジラくんたちに、手編みで帽子をつくったり、職場に連れていったり、外で写真を撮ったりと、たぶん、ドールファンに近い感覚なんだと思いますが、今まで、そういったことをされる方は、ゴジラファンにはあまりいなかったので、いろんなファンの方が増えているのは、本当にうれしいです。
「ゴジばん」からゴジラを知って、映画を観にいくという方もいるみたいですから。
映画のゴジラを見て、「ゴジばん」のゴジラくんががんばっているんだ、という楽しみ方もできるので、感情移入がしやすいのかもしれませんね。
ゴジラは、たいてい人類の脅威だったりするんですが、実は、あのかわいいゴジラくんなんだと。(笑)
「ゴジばん」を観た反応をいただけると、励みにもなりますし、ファンの方がこういうゴジラくんを観たいというのを聞きつけたら、すぐ取り入れて……(笑)、どうやったら、それをおもしろくできるのかなっていうのを日々考えながらつくっています。
「ゴジばん」は、おそらく、どんな映像作品よりも、ファンに近い作品だと思うので、意見はすぐ採用しますよ。(笑)
普段、人形劇の公演をやっているときもそうなのですが、お客さま、ひとりひとりの子どもに接しているので、映像でも、同じようにやっていこうと思っています。
ファンの方には、本当に支えてもらっていますし、今後も、いっしょに「ゴジばん」の世界をつくっていきましょう、と言いたいですね。
2024年3月5日 「アトリエシこがねむし」にて
監督・脚本・造形・編集・音楽:小林英幸
1991年 人形劇団こがねむし(アトリエこがねむし)創立。創作人形劇を企画・制作。パペット・マリオネットを駆使した映像作品では脚本・演出・人形美術・音楽・声優・操演・撮影・編集など製作全般を手がける。
1996年 テレビ東京「M730ウルトラマンランド」全131話
同年 「史上最大の決戦!ヒーローパペットショー」にて初の「ゴジラ人形劇」の制作。
2004年 「怪獣人形劇・ゲキゴジ」を公演。
ウルトラマンシリーズの人形劇「ウルトラP」は1994年から現在まで30年間にわたり新作を制作公演。
「総務省・電波障害防止図案コンクール」大臣賞。「京都太秦映画コンテスト」ビデオ部門1位入賞。音楽広場「こどもの歌大賞」入賞(作詞・作曲)。その他、多方面での受賞歴を持つ。
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
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