トランスフォーマーの「クラス」とは? 玩具好きの間で飛び交う用語を解説!

トランスフォーマー40周年記念! 『トランスフォーマー』徹底深掘り記事PART2

テレビマガジン編集部

「トランスフォーマー アーカイブ超百科」大好評発売中!

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トランスフォーマー40年を振り返る書籍「トランスフォーマー アーカイブ超百科」が2024年5月13日に発売。本書では初代コンボイの人生をアニメ第1作から『トランスフォーマーG‐2』までを紹介する「コンボイ司令官 戦いの歴史」や、数あるトランスフォーマー作品の、作品間の関わりを整理した「日本版 トランスフォーマー作品相関図」といったコラムも掲載しています。

今回は、「アーカイブ超百科」でも取り扱っている、玩具のファンコミュニティで飛び交う「リペイント」や「リデコ」といったワードについて解説。さらに、トランスフォーマー玩具に存在する「クラス」についても紹介したいと思います。

新商品だけど、すべてが新しいわけではない?

トランスフォーマーに限らず、玩具は既存の商品をベースに一部分を変更し新商品として発売することがあります。一般的にカラーリングを変更した商品は「リペイント」や「リカラー」、一部造形を変更したものを「リデコレート」や「リデコレーション」(省略して「リデコ」)と言います。
仕様変更して、新商品として発売されたものの一例  © TOMY
たとえば、車は現実にも複数のカラーバリエーションがあり、車のおもちゃも色を変えて別商品として発売することができます。また、それに回転灯を新たにつけて色を変えれば、パトカーのおもちゃとしても成立するというわけです。

キャラクターの玩具については、色が違うことに設定をつけることが可能で、トランスフォーマーはスタースクリームとサンダークラッカー、スカイワープのように「色が違うと別人」という設定を付与されています。また、『トランスフォーマー カーロボット』などでは、キャラクターの色を変えることでパワーアップの表現がされていました。

そして、トランスフォーマーシリーズは、リデコをさらに推し進めた「パーシャル」という変更方法も存在します。これは、別商品を構成していた金型を部分的に差し替え、玩具の変形機構や変形に使用する内部パーツ、関節などの目立たない部分を流用して新商品に仕上げたもので、なかには、外から見える部分はほとんど新規であったり、流用元と上下や表裏が逆になっているなどのアイテムも存在するなど、実際に触って初めてパーシャルだと気づく商品もあります。

流用であることを感じさせない構造は、さすが変形玩具のスペシャリストであるタカラトミーさんの製品であると毎回驚かされます。

なお、リペイントとリデコの基準はあいまいで、たとえば大部分が色変えであるものの、頭部だけ新規造形になっているものはリペイントともリデコとも言うことができます。リデコとパーシャルはさらにあいまいで、そこに明確な基準はないようです。

「デラックスクラス」ってなに? トランスフォーマーの「クラス」とは

トランスフォーマーの玩具は、「デラックスクラス」「ボイジャークラス」といったように、クラス分けをして表すことがあります。こちらは、日本では主にファンコミュニティの間で使われるワードで、本来は海外で使われているものなのですが、なぜ海外のトランスフォーマーはクラス分けがされているのでしょうか。
スタジオシリーズにおけるクラス分け  © TOMY
日本では、商品ひとつの種類につきそれぞれが個別に管理されています。たとえば、スタジオシリーズの「SS GE-06 スタースクリーム」と「SS-125 スクラップヒープ」はそれぞれ専用のカートンに入れられ、メーカーから出荷されるのです。

一方、主に欧米ではひとつの商品群を作り、そのなかに複数の商品を入れることでまとめて管理しています。この商品群は「WAVE」と言い、WAVEはパッケージサイズと価格(=商品のボリューム)が統一されているため、このシステムのおかげで販売店は商品管理や陳列を簡略化できます。

先ほど例に出した「SS GE-06 スタースクリーム」と「SS-125 スクラップヒープ」は、米国ではスタジオシリーズのWAVE23として、流通上は同じ商品として扱われているのです。

また、WAVEには多くの場合、新商品だけでなく過去に発売された商品の再販も含まれています。WAVEに含まれる商品の個数は販売戦略や市場調査に基づきメーカーが決めているため、販売店はそのシリーズを発注し続けるだけで新商品の入荷と人気商品の補充ができるという仕組みになっています。そして、その統一された価格、パッケージサイズを区分けするのが「クラス」です(なお、海外では一般的に「サイズクラス」と呼ばれているようです)。

このクラス分けは効率的で、店舗の発注担当者に商品知識がなくても適切な商品の入荷ができるシステムですが、一方で、メーカーの予測が実際のものと違った場合、全国レベルで品薄や過剰供給が発生するというデメリットもあるようです。

初めてサイズクラスが採用されたのは『ビーストウォーズ』で、当時の名称は価格の安い順に「ベーシック」「デラックス」「メガ」「ウルトラ」「スーパー」でした。区分けを示す名称は、シリーズごとに異なっており、「デラックス」や「ボイジャー」は多くのシリーズにおいて同じ立ち位置で使用されているのですが、「スタジオシリーズ」で最大サイズを表す「コマンダー」クラスは過去には低価格ラインで使用されていたこともありました。

また、『マイクロン伝説』の米国版である『アルマダ』では、「ミニコン」「スーパーコン」「マックスコン」「ギガコン」「スーパーベース」という本作独自の名称がつけられています。

クラス内で統一されているのは、価格とパッケージサイズ。なかには、「ボイジャークラス相当のフィギュアに豪華な付属品を同梱してリーダークラスで販売する」といった商品も存在します。

日本においては、長らくファンコミュニティの間で使われている用語でしたが、『ビースト覚醒』の商品ではシリーズ名として採用されていました。

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© TOMY  「トランスフォーマー」「TRANSFORMERS」は株式会社タカラトミーの登録商標です。

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日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga