eスポーツジム⁉ プログラミング教材⁉ 『ぷよぷよ』超進化の秘密‼

TVゲームの枠を超え進化する『ぷよぷよ』 その凄い生き残り力!

テレビマガジン編集部

30年にわたって人気を集めてきたパズルゲーム『ぷよぷよ』。その最新アイテムである『ぷよぷよ めちゃもりステッカーブック』(講談社 7月28日刊)の担当編集Fが、『ぷよぷよ』の歴史や人気の秘密を解き明かします。

『ぷよぷよ』は今や、ただのパズルゲームではない!

老若男女に大人気の『ぷよぷよ』 ©️SEGA
『ぷよぷよ』とはセガから発売され、人気のあるパズルゲーム。また、ブロックとして登場するスライムタイプのモンスターの名前でもあるよね。子どものころ流行っていて、今でもゲームセンターで遊べる……自分が知っている知識としては、そんなものでした。

ところが、実は今年2021年で誕生30周年を迎えた、『ぷよぷよ』はとんでもない進化をしていたのです。今のテレビゲームの現状がどうなっているか、そして、コンテンツが長く生き残るためのヒントも、もしかしたらお伝えできるかもしれませんので、少しだけお付き合いください。

さまざまなジャンルで、大活躍中!!

いきなりですが、ここでクイズです。
Q さまざまな形に進化している『ぷよぷよ』。老若男女問わず、さまざまなジャンルで活躍しています。以下の中で、本当に実現していることがあります。

①「プログラミング」教材
②国体文化プログラム 全国eスポーツ選手権の採用タイトル
③サンリオとのコラボでキュートなグッズ

④eスポーツジムのトレーニング素材

さて、正解はどれでしょう? わかりましたでしょうか?
実は正解は………①②③④。つまり全部でした! そう、『ぷよぷよ』は、教育面の素材としても、スポーツのアイテムとしても、女子向けのコンテンツとしても、超進化していたのです。以下で詳しく説明していきます。

青山学院初等部が、プログラミング教材として授業で使用

「自分だけのテレビゲームを作る」。子どもの頃、ゲームを買うのを親に断られたときに、そんな夢を持った方、きっといると思います。そんな夢がかなうのが、昨年6月に提供開始された「ぷよぷよプログラミング」です。

今年3月時点で登録者数はなんと45000人を突破しました。サービス開始から1年もたたずに5万人弱もの登録者数を集めたことになります。この「ぷよぷよプログラミング」の最大の魅力は、なんといっても無料であるということ。だれでも、すぐにプログラミングに親しむことができます。

入力画面でコードを入力すると、「ぷよ」の移動や色、数の変化を指定でき、プログラミング初心者でもゲームプログラマーになったような体験ができます。青山学院初等部でも、教材として使用されました。子供たちは楽しみながら、「ぷよ」の動かし方を学び、サイズや落ちる速度などを変更して、オリジナルの『ぷよぷよ』を作成しました。

プログラミング教育は、2020年度から小学校で必修化、2021年度からは中学校学習にも盛り込まれています お子さんと一緒にゲームを楽しみながら、学べる教材として使えるのです。
プログラミング教材になった『ぷよぷよ』。教育業界でも活躍。  © SEGA ©Asial Corporation

大会に優勝したら、多額の賞金が……!?

単なるゲームの枠を超えた、「ぷよぷよ」。今や、『ぷよぷよ』のプロ選手も多数存在するeスポーツ競技なのです。

賞金が出るプロ大会「ぷよぷよチャンピオンシップ」と、草の根のアマチュアからプロまでが参加する一般大会「ぷよぷよカップ」が存在し、今年は女性の一般選手向けの大会「ぷよぷよレディースカップ」が始まるなど、ますます発展しています。優勝賞金は、特別な大会であればなんと200万円にも!

しかも、最近ではなんと国体文化プログラムの競技にもなったのです。2019年10月5、6日の2日間にわたって、「いきいき茨城ゆめ国体」で、国体史上初となるeスポーツ大会が開催されました。

各都道府県の予選を勝ち抜いた、下は8歳の小学生から上は40代の社会人まで約600人の選手が参加しました。3つのeスポーツの競技のうちのひとつとして実施され、小学生の部と一般の部に分かれて日本一を競いました。

地元紙の報道によれば、選手や観覧者など約2500人(!)が来場し、都道府県別の成績で、地元の茨城県が総合優勝を決めたこともあって、大いに盛り上がったといいます。

だれでも、『ぷよぷよ』で国体文化プログラムの競技に出られる!?

筆者も、子どものころ『ドラゴンクエスト』や『スーパーマリオ』など、ゲームに夢中になっていました。ただ、ゲームをやっていたら、親に必ず「早くやめなさい」「いつ勉強するの」と言われたものです。

それが、この国体文化プログラムに対する保護者の反応は「eスポーツとして、世界的にも認知されていますし、「(自分の子供が)出場しても別にいいのではないか」「国体文化プログラムに向けて練習をしている以上、『ゲームばっかり遊ぶな』とは言えないですよね」と答える保護者が大半で、なかには「学校の先生からすすめられて(息子たちが)参加しました」と答える親もいたといいます。

私も、この時代に子どもでいたかったなと正直思ってしまいますが、じつは国体文化プログラムに参加することはだれでも可能なのです。

エントリーサイトから登録して、各都道府県の予選も突破すれば、国体文化プログラムに出られるのです、かつて、『ぷよぷよ』にはまった皆様は、参加を検討してみてはいかがでしょう(残念ながら2021年三重大会のエントリーは終了しています)。

コーチのレッスンを受けて、スキルがアップ!

「そうは言っても、ずいぶん『ぷよぷよ』で遊んでないよ」というあなた。コーチに改めてレッスンしてもらうのはどうでしょう? 

日本ではじめての、eスポーツ専門のトレーニングジムが、南北線赤羽岩淵駅に6月28日にオープンしました。集中してゲーミングパソコンを触れるスペースが設置され、ひとりや複数人でも目標に向かって練習をしたり、コーチのレッスンを受けられたりできるようになっています。

通常会員は月額5500円(税込)で、WEBから事前予約制になっています。また、オプションでコーチからレッスンを受けられます。対象タイトルは4つありますが、その中のひとつとなっています。木愛とコンクリートがマッチし、緑も多く癒される空間の中、改めて『ぷよぷよ』をエンジョイしてみては?

あの国民的超人気キャラとも、コラボ!

テレビゲームのプレイヤーは、基本的には男性が多い印象があります。しかし、『ぷよぷよeスポーツ』の購入者は、女性45:男性55とほぼ拮抗しています(セガ社調べ。ゲーム購入者アンケートより)。そんななか、たくさんの女性が大好きなキャラクターとコラボも、多数実現しています。

たとえば、サンリオキャラクターズとのコラボで、バンダイのガシャポンにも登場。ハローキティとコラボしています、さらに、あの一世を風靡したあの人気アニメキャラクターともジョイントしています。
月に代わって『ぷよぷよ』よ! 超人気アニメ『セーラームーン』とのコラボ。  ©武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』に登場するキャラクターが、スマホゲームの『ぷよぷよ‼ クエスト』に登場。さらに、コラボ限定のドレス姿に変身したぷよクエキャラクターも登場しました。

『ぷよぷよ』はなぜ30年も続いたのか?

ここまで、今の『ぷよぷよ』がどのように進化してきたかを書いてきましたが、最後になぜ30年もの間人気を博したかについて考察していきます。

ひとつは、ぷよぷよのシリーズプロデューサーであるセガの細山田水紀さんが、インタビューでも語っていますが、「『ぷよぷよ』のブームがあった」ことと、そのブームの時期に大きく投資したかどうかです。

『ぷよぷよ』制作当時の開発会社は、ブームの時期に、3億円規模の予算を使って全国各地で大会をしたりしていました。その結果として、「ぷよぷよ」に慣れ親しみ続ける太いファンができたのではないかと。学生時代からぷよぷよの魅力にハマり、セガに入社した細山田さんもその一人であるようです。

時代に応じて、アメーバのように形を変える

2つ目に時代にそった柔軟性があり、性別にこだわらなかったということだと思います。変化を恐れなかったがゆえに、今があると。

特に2013年にスマホアプリ『ぷよぷよ‼ クエスト』ができたことがとても大きかったようです。基本はフリープレイですが、2424(ぷよぷよ)万ダウンロードを達成したり、数百億円もの売り上げがあったりするとのこと。コラボも、eスポーツもその柔軟性のひとつなのかなと感じます。

そんな時代に沿って、柔軟に形を変えてきた『ぷよぷよ』。その最新のアイテムが、7月28日に発売になりました。『ぷよぷよ めちゃもりステッカーブック』(講談社)です。

「ぷよ」はもちろんのこと、カーバンクル、アルルなど、人気のキャラクターが、シールになって登場。パソコンやスマホを思いのままにデコれます! ぜひこのステッカーで、いろいろなものを飾りながら、さまざまに進化した『ぷよぷよ』を、友達同士、親子で楽しんでくださいね!!
ぷよぷよ めちゃもりステッカーブック
[参考サイト]
「ぷよぷよ」がeスポーツ時代まで生き残った理由
(日経ビジネス 2019年9月19日)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00005/091100045/
国体で初開催となったeスポーツ 奇跡の偉業を、なぜ茨城県は実現できたのか?
(Yahoo!ニュース個人 鴫原盛之 2019年11月22日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shigiharamorihiro/20191122-00150376
『ぷよぷよ!!クエスト』×劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」コラボ本日より開催!
(PR TIMES セガ  2021年3月12日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003767.000005397.html
セガ、学習教材『ぷよぷよプログラミング』を使った小学生向けプログラミング教育カリキュラムを開発し、実施
(セガ 2021年7年13日)
https://sega.jp/topics/210713_4/
青学初等部が「ぷよぷよ」のプログラミング教材で授業
(ITmedia 2021年07月14日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/14/news096.html
プログラミング初心者も「“ぷよ”が動いた!」の感動を 着想から7年、ぷよぷよの教材が生まれた理由
(ITmedia 2020年07月09日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2007/09/news043.html

©SEGA

テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。