アクセス28億回の衝撃! Roblox「顔から逃げるゲーム」日本人クリエイターに聞くメガヒットの裏側

【前編】ゲームクリエイター・manatoさんインタビュー (2/2) 1ページ目に戻る

ライター:山本 奈緒子

大手電機メーカーを辞め、ゲーム開発の世界に

「顔から逃げるゲーム」のワンシーン。
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──manatoさんが開発した「顔から逃げるゲーム」は、「Roblox」における大人気コンテンツとなっています。YouTubeを開けば、毎日のように遊んでみた動画があがっています。

このようにYouTubeでのゲーム実況中継の流行もあってゲームがかつてないほど身近な存在となっている今、manatoさんのようにゲームクリエイターになりたいと考える子どもは多いと思われます。manatoさん自身は、子どものころからゲームクリエイターを目指されていたのでしょうか?


manatoさん:僕はとくにそういった夢は持っていなくて、まわりと変わらず普通にゲームを楽しんでいただけ、という子どもでした。幼稚園ぐらいのときにマリオなどのファミコンソフトを経験し、小学校1年生の終わりごろにポケモンが発売されそれにはまりました。小学校中学年から高学年にかけてはNINTENDO64のスーパーマリオ、ゼルダの伝説、スマッシュブラザーズで遊んでいました。

──プログラミング知識はどこで学ばれたのでしょうか?

manatoさん:ただ、そのままゲームだけの人生だったわけではなく、中学高校と忙しくなって少し離れた時期もありました。大学は情報通信系の学部に進学しました。

ただそれはゲームを作りたいと思っていたわけではなくて、これからの時代、プログラミング知識があったほうが働くうえで有利そうだな、と思ったから。運よく、大手電機メーカーに就職することができました。それでネットワーク部門で働いていたのですが、少しピンとこなくて……。1年で辞めてしまったんです。

──その後はどちらに転職を?

manatoさん:もっとユーザーと関わる仕事がしたいなと思って、BtoCのウェブアプリの開発会社に転職しました。その社内で、あるときメタバース(コンピューターの中に構築された3次元の仮想空間やそのサービスのこと)の話になって。いろいろ調べているうちに「Roblox」の存在を知ったんです。それが2020年でした。

Robloxの魅力は簡単にゲームを作れて即世界に公開できること!

──「Roblox」を最初に知ったときの印象はいかがでしたか?

manatoさん:まずはプレーヤーの多さにびっくりしましたね。「Roblox」は「同時接続数」といって、今この瞬間に世界中でどれぐらいの人が1つのゲームにアクセスしているか、が表示される仕組みになっているのですが、本当にこんなにいるの!?という数字で、すごいなと感嘆しました。

そのころの僕は社会人生活の中で少しゲームと離れていたのもあって、正直、「Roblox」の面白さはよくわからなかったんですけど、これだけのユーザーを楽しませている、ということに惹かれて。次は人に喜んでもらえることを仕事にしたいなと考えていたので、「Roblox」を知って、ゲーム会社への転職を考え始めたんです。

それでアプリ開発会社を辞めて、まずは試しにゲームを作ってみようと思って始めてみました。

──そしてあの大人気ゲーム「顔から逃げるゲーム」が生まれたのですね。

manatoさん:「Roblox」内のツールボックスの中に、顔のモデルがいろいろあったんです。その顔が追いかけてくるようなスクリプト(比較的容易に記述や実行ができる形式で書かれたプログラムのこと)も付いていたので、これを使えば僕でも簡単に作れそうだなと思って。

実際、3日で作って「Roblox」上に公開したんですけど、そのときTikTokに「3日でゲームを作ってみる」という動画を配信しました。これがけっこう見てもらえて。それで「顔から逃げるゲーム」の存在も知ってもらえて、たくさんプレーされるようになりました。

──開発途中で、小学生の意見を参考にしたと耳にしたのですが……。

manatoさん:ゲームは作りっぱなしではダメで、常にアップデートしていく必要があるのですが、僕自身が「顔から逃げるゲーム」に飽きてしまって。全く違うゲームを他に2つ、開発したんです。それでどのゲームをアップデートしていくか迷っていたら、日本人小学生のユーザーたちが集まってきて、「顔から逃げるゲームがいいよ!」と言ってくれた。

それでこのゲームに力を入れてアプデを続けていたら、徐々にプレーヤーが増え、その年の7月くらいからある程度の収益を得られたので、就職するのをやめました。完全に、小学生たちのアドバイスのおかげです。

──ゲームツールは無数にありますが、manatoさんから見て、「Roblox」がこれほど人気になった理由は何だと思われますか?

manatoさん:クリエイターとしては、とにかく簡単にゲームが作れて、かつ一瞬で世界に公開できる、というのが最大の魅力です。しかもそれが無料で!

僕はもともとアプリ開発会社にいたのでアプリを作ったことはあったのですが、こちらは作るのもめちゃくちゃ難しいし、予算も必要だし、公開許可をもらう審査に通るのも大変なんです。その苦労を考えると、「Roblox」の簡単さとスピードは夢のよう。「Roblox」に公開されるゲームはAIがチェックしていると聞きますが、プログラミング言語も簡単ですし、小学校高学年なら十分開発できるのではないかなと思います。

──ありがとうございます。インタビュー後編では、さらにふかく、manatoさんの子ども時代についてお伺いしていこうと思います。
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山本 奈緒子
やまもと なおこ

山本 奈緒子

ライター

1972年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。 『ViVi』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、 インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、 主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。

1972年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。 『ViVi』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、 インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、 主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。