そんな「ダーウィンが来た!」の4回目の劇場版が、2023年2月3日より公開中! この記事は、映画の公開を記念して、ナレーションを担当した声優の水瀬いのりさんにインタビューしました。
水瀬さんは『キラキラ☆プリキュアアラモード』のキュアパルフェ役も演じられており、様々な作品で活躍中です!
水瀬さんが今回の映画のアフレコ中に感動したことや、劇中で演じた生きもののお話、さらには声優を目指す小学生のお子さんに向けてのアドバイスなども、教えていただきました!
生きもののキャラ設定は自分で! 監督にほめてもらえました
アニメにアフレコするのは、演じるキャラクターのなかに、どれだけ入りこめるかが大切。一方で、今回やらせていただいたナレーションは、映像をみて私が感じたことを大切にしました。
映画で観られるのは、生きもののリアルな生態です。私の声は、その映像をパワーアップさせるのが目標。映画を観た方の理解を深めたり、より楽しくなってもらうために、感情を込めてナレーションするシーンも多かったです。
──なるほど! ナレーションはあまり感情を込めずに読むものと勘違いをしていました。
たしかに、そういう面もあります! ナレーターだけが盛り上がっちゃうと、観ている人がついていけなくなってしまうので。あくまでも映像になじむトーンを保ちつつ、感情を込めるようにしました。
たとえば、舞台が南の地域にかわったときは、声色を陽気に。逆に場面が冬にかわると、静かな声にしてみました。キャラクターの表情ではなく、実写の映像に合わせて声をかえるのは難しかったですが、そのぶんやりがいも感じました。
──劇中では日本のさまざまな場所を舞台に、愉快な生きものがたくさん紹介されていましたね。映画のなかで、印象に残った生きものはいましたか。
ある母親グマと、子グマ2頭の映像が衝撃的でした。3頭で暮らす親子グマの映像なのですが、ある日を境に、母親グマが子グマを威嚇するようになります。もちろんそれは、子グマが自立するための試練。子グマはその状況をぐっと受け入れて、母親から離れていきます。
もし、アニメで親子グマの別れを描こうとしたら、母親グマが泣いたり、子グマが甘えたりする様子が描かれるはず。言葉が交わせないぶん、子グマたちは本能でわかっているように見えました。そのリアルさに、本物の生きものでしか表現できない、力強い「ドラマ」を感じましたね。
ありがとうございます! 海にすむダンゴウオは、体の模様がカラフルでおしゃれだったので、ちょっとセクシーなお姉さんの声にしてみました!
──トウキョウトガリネズミは、見た目のかわいさに反して、真面目な声でしたね。
そうですね。アニメだと小さなネズミの声は、あざとい声になるかもしれないですが、今回のセリフが「自分はトウキョウトガリネズミです」と真面目にはじまっていたのがツボで(笑)。けっこうきっちりした性格をイメージして演じました。
──キャラクターの性格は、監督と相談して決めたのですか。
いえ、私が台本を読んでキャラクターを想像しておいて、収録で監督に聞いていただきました。
どう演じるかを考えるのは、アニメのオーディションと似ていたのかもしれません。オーディションでも、いただいた資料を見ながらイマジネーションを働かせて、自分らしく演技する方法を考えます。
収録当日に、監督から「たくさん生きものの声を考えてきてくれてありがとう」と言っていただけて。オーディションの経験が生きて、うれしかったですね。