
魚が“引っ越し”を始めた日 私たちの食卓で起きている静かな異変
【第2回】絵本『あちちち地球とだいじなやくそく!』発売記念! 国連広報センター所長・根本かおるさん×さかなクン スペシャル対談! (2/2) 1ページ目に戻る
2026.02.27
さかなクン:はい。ありがとうギョざいます。お魚はそれぞれ、姿も形も大きさも味も違います。それぞれのお魚に合ったお料理でいただくと、とっても美味しく感動します。「未利用魚」や「低利用魚」などとせず、どのお魚も大切に活用することが日本の食の豊かさにもつながると思います。
根本さん:そうですね。私は、食べ物はできるだけ地元のものを食べるようにしています。運搬にともなう二酸化炭素の排出を抑えられますし、新鮮なものを手ごろにいただけますから。
少し形が崩れているだけで店頭に並ばないものも、地元のスーパーではまとめ買いできることがありますよね。限られた枠のなかで活用し、つないでいくことが大切だと感じています。
撮影/日下部真紀
どうしても食べられない骨や内臓の部分などは肥料にすれば、土が元気になって、植物もよく育つ。その土で育ったお野菜は、やっぱり美味しいんです!
根本さん:食品ロスを減らすことにもつながりますし、循環型の暮らしは大切ですね。そうしたことも含めて、私たちが個人レベルでできる気候変動対策は、たくさんありますね。
※2 https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h21/pdf/h_topic.pdf出典(PDF・公式)
水産庁「水産この1年/未利用魚の活用」
『悪者』にされたCO2が、ほんとうに伝えたかったこと
さかなクン:ものすギョく心温まる、すてきなお話でギョざいます。最初は、主人公のニコちゃんが地球先生に怒られて、しょぼくれている姿が、とても切ないですが、世界中を巡る旅を通して、今、地球でなにが起きているのかを知るきっかけになっていく。
ところどころで、「ぼくたちCO2のせいなんじゃないか」と落ち込む場面もありますが、自分たちがいたからこそ、生き物が誕生したことにも気づいていく。
この本を読んだお子さまが、「ぼくもわたしもお外に出て、自分の目で見て、気づいて、肌で感じてみよう」と思われたら、最高でギョざいます♬
北極の氷が小さくなり、シロクマの住める場所が減っているという話は、人間の世界でも起きています。小さな島国では、海面上昇で海岸が侵食され、遊べる砂浜や家が建っている場所まで失われ、避難を余儀なくされる現実があります。(※3)
旅を通して、そうした世界の現実に触れられるのも、この絵本の大きな魅力だと思います。
そして、ニコちゃん、つまり二酸化炭素が増えすぎると大変なことになる。生態系は「バランス」がとっても大切なんだ、ということも、とてもわかりやすく描かれています。
根本さん:それから、「サクが芽を出すシーン」。光合成の場面が印象的でした。木を植えることは、子どもにもできる具体的な気候変動対策のひとつです。
直接、木を植える機会が作れなかったとしても、たとえば「売り上げの一部がマングローブの植林に使われます」といった商品を選ぶことも、立派なアクションです。マングローブは二酸化炭素を吸収するだけでなく、海面上昇による台風やサイクロンから人々を守る、防波堤のような役割も果たしています。(※4)
地球の裏側で起きていることを、ニコちゃんの目を通して、一緒に冒険している感覚で知れるのは、とても素敵なことですよね。
さかなクン:はいっ♬ その大冒険のお船が、ペットボトルっていうのも乙(おつ)ですよね。ふだんは厄介者扱いされがちなので……。
この絵本は、そんな小さな気づきの積み重ねでできています。物語を閉じたあと、子どもたちが外に出て、空や木や海を見上げてみたくなる──そんな一歩につながったら、それだけで大きな冒険の始まりです。
第3回は、居場所や遠回りをめぐる、二人の人生の話をお届けします。
撮影/日下部真紀
『あちちち地球とだいじなやくそく! ニコとサクの大冒険』好評発売中!

※4 https://www.ipcc.ch/report/ar6/wg2/出典IPCC(2022)Climate Change 2022: Impacts, Adaptation and Vulnerability
●根本かおるさん
国連広報センター所長。国連の活動や地球規模課題を日本社会にわかりやすく伝え、人々の行動につなげる広報・啓発を担っている。気候変動、SDGs、生物多様性、平和や人権などをテーマに、メディア出演や講演、教育現場での発信を通じて、国内外をつなぐ役割を果たす。対話を重視した姿勢で、次世代に希望を手渡すメッセージを届け続けている。
●さかなクン
魚類学者・タレント・イラストレーターとして幅広く活躍し、東京海洋大学名誉博士・客員教授も務める。中学生時代にカブトガニの人工ふ化に成功、2010年には絶滅種クニマスの再発見に貢献した。テレビや講演では、魚への深い愛情とわかりやすい解説で人気。最新著書は『さかなクンのギョギョッとサカナ★スター図鑑4・5』(講談社、2025年11月)。
























































































