木村昴が今小学生に伝えたい「夢の叶え方」「夢は宣言することで周りが応援団に!」相手の懐に入るコミュニケーション術とは?

声優・木村昴さん特別インタビューvol.2

ライター:小川 聖子

撮影/日下部真紀(講談社写真映像部)
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『おはスタ』のメインMCや、アニメ『ドラえもん』のジャイアンこと剛田武役でおなじみ木村昴さん。

「親子できむすばが大好き!」「優しくポジティブな木村さんのお話をもっと聞きたい!」というたくさんのリクエストに応え、木村さんが『Ane♡ひめ.net』に遊びに来てくれました。vol.2では、木村さんに夢や目標の見つけ方、その叶え方についてお伺いしています。

夢を探す第一歩は「気になること」に近づくこと

──『Ane♡ひめ』世代の子どもたちは、まだまだ自分の夢や目標を探している最中です。夢や目標を見つけるのが難しいという子もいますが、どんなことから始めたら良いでしょうか。

木村さん まず一番は、「自分を決めつけない」ということじゃないでしょうか。子どもたちの中にはたまに、もう達観しちゃってるみたいな子がいるんですよ。「もう、人は生まれて死んでいくだけだよ」「この世に意味なんてないし」みたいな。

僕からしたら、「何言ってるんだ! もったいないぞ!」って。そんなふうに考えて、若いうちから自分の可能性を自分で狭くしてしまうのはすごく惜しいなと思います。

夢や目標は別に壮大なものじゃなくていいし、何度変更したっていいもの。だからとりあえず、何でもいいからやってみてと言いたいです。何かをやっていると、その過程で全然関係ないことに気がついたり、出会ったりすることがよくあります。

僕も、お芝居の勉強をしていて、「やばい、わかんない!」というときに、ふと出会ったイチローさんの名言に救われて………みたいなことがたくさんありました。

どこで何が自分に刺さるかはわからないから、まずは気になったことに近づく、調べてみる、やってみる……そこからじゃないかと思います。

──夢への手がかりから探すんですね。

木村さん そうそう。友だちに遊びに誘われて、「ちょっと面倒だな」と思っても一応行ってみる。「お人形遊びしよう!」って言われたとして、「人形は興味ないけど、でも時間あるから行ってみるか」って出かけると、誘ってくれた子の家がすごく面白いとか、おしゃれとか、そんなことに気がついたり、行き帰りの途中で何かに出会ったりすることもありますから。動いてみるって大事なことだと思います。

夢が見つかったら周りに宣言するのが一番!

──その後、夢が見つかったらどうしたらいいでしょう。

木村さん 夢が見つかったら「宣言すること」、もうそれしかない! 秘めておいても良いことはなくて、特に親御さんにはなるべく早く伝えて、応援してもらえるならしてもらったほうがいいと思います。

僕は自分の母校や声優養成スクールで講演をさせていただくことがあるのですが、そこで学生さんたちに必ず聞かれるのが、「声優になりたいけれど、親に反対されている。どうしたらいいでしょうか」ということ。

これはね、もちろんそれぞれにいろいろな事情があるとは思うのですが、「あれ? まだ説得できてないんだ」と思ってしまうこともあるんです。

夢は宣言することで「あの子はこれが好きなんだ」と周囲に分かってもらえるし、それを続けることで「本当に目指しているんだ」と納得してもらえる効果もあります。

自分にとっても、周囲に知ってもらうことで「やっぱり、やーめた!」が言いにくくなりますし、「言っちゃったからにはやらなきゃ!」と、続ける力も湧いてきます。

挫折しそうなときも、ちょっと踏みとどまれるようになるんですよね。だから親や周囲にはどんどん言っちゃって、分かってもらうのが良いと思います。

それから、夢を叶えるためには、夢が叶ったところを想像するのもいいですよ。

これ、僕は小学生のころしょっちゅうやっていたんですが、「オレ、○○になるから!」って言うと同級生がウワッて盛り上がる。その瞬間、夢を叶えたときにその子が「お前、そういえばガキのころ言ってたよな!」って言ってくれてる姿まで想像するんです。そうすると、めちゃくちゃやる気が出るんですよ。

親に反対されている場合も、夢を叶えたとき「お母さんがバカだった〜!」って言われている姿を想像すると、ちょっとしんどくても頑張れることがあると思う。

親に反対されているって悲しいことだから、きちんと話して分かり合って、応援してもらえたらいいなと思います。

夢はひとりで叶えない 周囲を巻き込むのも大切!

──宣言することで頑張る原動力にできることはたくさんあるんですね。

木村さん そう思います。ちなみに僕は、夢は何個持ってもいいし、何回でも変更可能だと思っています。諦めるという意味ではなくて、最終的にはいろいろつながってくることがありますから。

どんな夢でも、周囲にやる気や気持ちをアピールしていると不思議と「まわりを巻き込む力」みたいなものが生まれてくるんです。

「あいつ、本気だな」「じゃあ自分も何かしてあげられるかな」って思ってくださる方が増えていって、手を差し伸べてくれることがあるんです。だから、ひとりだけでやろうとしないで、周りを巻き込むムーブメントにしちゃうのが一番いい。

夢はひとりで叶えるのもカッコいいけど、みんなで叶えると、叶ったときにその喜びをみんなで分かち合えるところも良いじゃないですか。さらに、「子どものころからやりたいって言ってたよね」っていうのがあったらこう、エモいしね(笑)!

おしゃべりが苦手な子は「一日ひとつ質問する」と決めるのもいいかも

──最後に、子どもたちと接することも多い木村さんから見て思うことや、子どもたちや親御さんに言ってあげられることはありますか。

木村さん そうですね、これは一概には言えないと思うのですが、僕が最近子どもたちとコミュニケーションを取る中で思うのは、みんなすごくシャイというか、「おしゃべり」が得意じゃない子が多いなということです。

話しかけても、「うーん」ってつまっちゃう子が多いのと、目の前で起こっていることにリアクションできない子が多いなって。これは良いとか悪いとかじゃなくて、僕が感じることなんですけど。

もしかしたら今の子どもたちは、コロナもあったし、友だち同士や、人と一緒に過ごす時間が短くなっているのかな、というふうには思います。

僕が子どものころは、放課後は自転車で街をかけまわってみたり、誰かの家でしゃべり続けたりってことがたくさんあって、いろいろな体験をみんなで共有していたんですよね。それが減っているのも、人としゃべるのが苦手になる、ひとつの要因になっているのかなと考えたりします。わからないですけどね。

──確かに、「おしゃべりが苦手」という人は大人にも子どもにもたくさんいます。そう思っている人はどんなことをしたらいいと思いますか。

木村さん うーん、おしゃべりが苦手な方は、まずは挨拶をちゃんとする。当たり前ですけど、挨拶はすべてのきっかけですから。

それから、友だちでも誰でも、「毎日何かひとつ質問する」って小さな目標を作るのもいいかもしれないです。おしゃべりが弾まないのは、相手のことがよくわからないからということも多いと思うのですが、「質問しなきゃ!」と思うと相手を観察しますよね。それで気がつくこともあるはずだから、それが第一歩だと思います。

──なるほど、これは大人が子どもに対しても使えるアイディアですね。

木村さん そうですね。興味を持って接すれば、質問が出てくると思いますし、相手も興味を持たれれば嬉しいし。

自分がされて嬉しいことをするということはすべての基本。結局いつか自分にも返ってくると思うので、そんなふうに気をつけていくと楽しいんじゃないかなと思います。
取材・文/小川聖子
撮影/日下部真紀(講談社写真映像部)
スタイリング/高山良昭
ヘアメイク/原田琴実
PROFILE
木村昴(きむらすばる)

6月29日生まれ。ドイツ出身。声優としてアニメ『ドラえもん』のジャイアン(剛田武)役をはじめ、『呪術廻戦』の東堂葵役などで人気作に出演。タレント、俳優としても活躍中! 声優として活動しながら、俳優、ナレーター、ラッパーとしても活躍。みずから旗揚げした劇団の座長も務める。

声優を務める『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』が公開中!

「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」
2024年3月1日(金)全国東宝系にて公開中
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2024

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